2022年12月9日(金)、シモキタエキマエシネマK2にて、映画『道草』が上映初日を迎え、主演の青野竜平、田中真琴、大宮将司、山本晃大、片山享監督が登壇。初日を迎えての感想、撮影の想い出、印象に残っているシーンを語った。
■ 映画『道草』 初日舞台挨拶
上映後に行われた舞台挨拶は、片山監督が司会進行役を務めた。
▼初日を迎えての感想
青野竜平(榎本道雄 役)
今日、この日を迎えられて本当に嬉しくて、ここまで支えていただいたスタッフの皆様、関係者、そして共演者の皆様、本当に感謝しかないです。
田中真琴(サチ 役)
撮ったのが1年前くらいで、私にとってあまりない役柄だったので、これを見てくださって応援してくれてる方々がどう思うのか。とずっと気になっていたので、初日を迎えられて本当にほっとしています。早く感想を聞きたいです。
大宮将司(武藤 役)
感無量ですね。
山本晃大(天野達也 役)
最初からスタッフとしても参加して、4ヶ月間に渡って撮った映画でした。その後も編集を一緒にやって、やっとスクリーンに映る日が来て、本当に頑張った甲斐があったなと思っています。いろんな人に支えてもらいました。
片山享監督
この映画にはたくさんの方から絵を提供していただいています。そのほとんど、8割9割方を山本君が集めて来てくださいました。
▼印象に残っているシーン
青野竜平(榎本道雄 役)
印象深いのは大宮さんが道で座っていて、それを持ち上げようとするんですけれども本当に重くて、本当に持ち上がらなかったシーンです。大宮さんは岩になっていましたね。あれは本当に重かったし、自分の腰がやばいなと思いました。
片山享監督
もしもう一回観てくださる方がいたら、大宮さんの唸り声がとても小さく入っているので、あれはぜひ聞いてほしいと思います。
大宮将司(武藤 役)
あのシーンの名前は「岩」でした。
田中真琴(サチ 役)
私は川のシーンが好きです。とても楽しくて、ティザー(予告編)でも使っていただいてるんですけど。あの撮影の時に監督が遠くからモニターで見ていて、青野さんと私の二人だけだったし、変なことをしても怒るまで時間もかかるから、好きなことをやっちゃえと思ってぱっとやったら、映画の中でも使っていただいてびっくりしました。
片山享監督
そこは何かずっと遊んでいてもらいました。あれ10分ぐらい遊んでもらいました。
脚本には、本当にあそこで何か描いてる・遊んでるしか書かれていないところで、田中さんには自由に遊んでいただきました。
何しても「ノールック投げ」っていうセリフは書けないですね。
田中真琴(サチ 役)
(あのセリフは)閃きました。
大宮将司(武藤 役)
僕はやっぱり岩のシーンです。僕はスタッフもやっていたというのもありますが、撮影に地方で行ったにもかかわらず、僕はあのシーンしか撮ってないっていう。1週間ぐらいいたと思いますが、あのシーンが思い出深いです。
山本晃大(天野達也 役)
シーンというよりは、道雄の部屋が印象に残っています。あそこは元々、何もない部屋だったのですが、いろんなところから小道具を集めて、道雄の部屋に作り上げました。
青野竜平(榎本道雄 役)
僕自身が壁に描いた絵は何時間もほぼ休みなくずっと描いていました。それがとても楽しかったんです。それまでの役の流れもあったのかもしれませんが、疲れているはずなのに、感覚的に勝手に絵が描けた、楽しい気持ちになって描けたというのはとてもしっくりきたというか、楽しい気持ち・あらわれる気持ちになりました。
▼価値について
片山享監督
この映画は恋愛の要素もあるのですが、元々この映画を撮ろうと思ったテーマに「価値」というものがあります。劇中にもいろいろ価値が出てくるのですが、価値ってよくわからないものだと思っています。「他人から自分に対する価値」と「自分が思っている自分の価値」ってズレているし、「どっちが正しいんだ?」といったところで、僕も迷うことがあってこういう話にしています。役者もその「価値」みたいなものにすごく翻弄されやすい仕事だと思います。
インタビュー記事でも言わせてもらったことがあったのですが、僕が普段書く脚本は、自分の恥部でもあるわけなんです。自分が見せたくないことばかりを書くけれど、それが良かったとか、救われましたと言われるのが映画の面白いところで、人それぞれ感想が違うし、今日これはいい映画だなと思った人も、つまらないと思っている人がいてもおかしくはないです。
でも、一つひとつの価値観みたいなものを大事にしたいなと思っています。
人の価値観に、左右されてしまうことは絶対にあるので、自分の考えていることが大事なのではないかと思っています。
▼予告編
■ 映画『道草』 作品情報
出演
青野竜平 田中真琴
Tao 谷仲恵輔 山本晃大
大宮将司 入江崇史
スタッフ
プロデューサー:大松高 撮影:深谷祐次 照明:松島翔平 録音:坂元就・杉本崇志
制作:山田夏子 監督補佐:安楽涼 助監督:風間英春 ヘアメイク:谷口里奈・富田貴代
スタイリスト:磯﨑亜矢子・青山新 カラリスト:深谷祐次 整音:坂元就 絵画提供:大前光平
美術協力:sinden inc.・大門佑輔 宣伝デザイン:あおときinc. 櫻井孝佑
制作プロダクション:ハナ映像社 配給・宣伝協力:夢何生
企画・製作:ハイエンド合同会社 監督・脚本:片山享
2022年/日本/122分/アメリカンビスタ/カラー/5.1ch/DCP
公式サイト: https://www.highendzworks.com/michikusa
12月9日からシモキタ – エキマエ – シネマ『K2』にてロードショー