2022年12月9日(金)から新宿シネマカリテ他にて、映画『散歩時間~その日を待ちながら~』が全国順次公開される。今回、本作出演の佐々木悠華さんにお時間をいただき、ご自身のこと、出演された作品のことをお話しいただきました。
佐々木悠華さんは、1500通の応募の中から見事抜擢。メインキャスト・川村鈴役として、同級生に淡い想いを寄せるが言い出せずにいる女子生徒を好演している。
■佐々木悠華インタビュー
▼芸能活動を始めたきっかけは?
-芸能活動を始めた。きっかけとか、俳優を目指したきっかけを教えてください。お芝居を始めてまだ1年ぐらいだそうですね。
佐々木悠華
まず芸能界に入りたい・女優さんになりたいというのは、物心ついた時から決めていました。
何かきっかけがあったわけではないんですけど、「私は表現する人になるんだ」っていうのがずっと心の中にありました。
アイドルやモデルさんといった世界がある中で、最終的に女優さんになりたいなっていうのはずっとありました。
テレビも映画も大好きだったので、その時の映画やドラマを観た時に、「このキラキラした世界に行くんだ」って、ずっと思って生きてきました。
それが凄く生きがいでもあったし、女優さんになるという夢のために生きてきたなって思います。
-お芝居を始めて約1年だそうですが、お芝居の勉強自体は最近になってからなのでしょうか?
佐々木悠華
女優になりたいとずっと思っていたのですが、小さい頃は見た目・ビジュアルの面で、「可愛くならなきゃ!」とすごく思っていました。
私が好きな女優さんは可愛くて、綺麗な方々で憧れていたので、私も可愛くて綺麗になりたいなっていうのがずっとありました。
中学生までは、可愛くなるため・モテるために生きてきました。
当時は「どうやったらモテるのだろう…」と、ずっと考えて調べていました。
中学校の時に事務所に入ったんですけど、そこではお芝居はできなくて、高校を卒業してからお芝居のレッスンもやっと行けるようになったので、好きなことができている今が楽しいです。
-お話の途中で出てきた憧れの女優さんは?
佐々木悠華
好きな女優さんは小松菜奈さんです。唯一無二の独特な雰囲気がすごく好きです。小松菜奈さんの目のお芝居がすごく好きなんです。
繊細な目のお芝居をされる印象があって大好きです。
かっこいい女性に憧れる節があります。強い女性になりたいとずっと思って生きてきました。
▼走って、叫んでリフレッシュ
-ご自身の特技について聴いてみたいのですが、学生時代は陸上部だったんですか?
佐々木悠華
中学の時に陸上部でした。走ることがとても好きだったので陸上部に入ったんですけど、事務所に入ったタイミングで陸上部を辞めてしまったんです。
走ることは大好きで、今でも近くの土手を走ってリフレッシュしています。
オーディション前には必ず走って、自分が嫌になることがあると走りに行って、川に向かって「私ならできる!」ってめちゃくちゃ大きな声で叫ぶんです。
そうすると、こんなに恥ずかしいことができた自分に自信がついて、「オーディションも余裕だ!」っていう気分になれるんです。
-ランナーズハイ的な走っている最中の高揚感ではなく、走っている時に叫んでのリフレッシュなんですね。
その時のテンションによっても違うんですけど、めちゃくちゃ走る時もあれば、大声をだす時もあって、大声を出したときにはかなり人に見られます。人に見られた時は「あ、私ってうるさいんだ」って思ったりします。
歌は元々すごく苦手で、歌うことは好きなのですが、自覚のない音痴だったんです。
採点付きのカラオケにいっても60点台が普通で、音程やドラミファソラシドもわからないレベルだったのですが、なぜか軽音楽部に入っていました。
でも突き詰めたいタイプなので、朝から晩まで練習を続けていたら、音楽の魅力に気付かされて、今は音楽がないと生きていけないと思うようになりました。
-バンドではギターボーカルということなので、歌もギターも練習されたんですね。
佐々木悠華
当時はバンドと、アコースティックでの弾き語りを両方やっていました。
-好きなミュージシャンはいらっしゃいますか?
佐々木悠華
弾き語りのアーテイストさんで、にしなさん( https://nishina247.jp/ )という方がいらっしゃるんですけど、すごく好きです。
ギター1本と自分の声だけなのに、すごく艶のある声と、厚みのある声・曲で、よく聴いています。
-弾き語りの際は、既存の曲だけでなく、オリジナルも持っているのでしょうか?
佐々木悠華
バンドだとオリジナルもやっていました。軽音楽部自体が、オリジナルをやっていこうという感じだったので、オリジナルを作っていました。
-ご自身で歌詞も書きましたか?
佐々木悠華
はい、書きました。自分で歌詞を書いて、曲・メロディーも作りました。
当時はなんでこんなに辛いことをやっているんだろうって思ったのですが、それが今は自分の表現にも繋がっていて、そこがとても良かったと思っています。
▼SNSの写真撮影と撮影場所
-instagramで川辺・水辺での撮影されている写真を掲載されていますが、撮影場所はどのように決めていますか?
佐々木悠華
撮影場所はカメラマンさんと話し合って決めています。
心がけているのは、「ナチュラルな表情を写真にしたい」というものがあります。
いろんなカメラマンさんに撮ってもらう中で、みなさんの色が違って素敵な方ばかりです。
その中でも今の素の自分とか、ありのままの自分を撮ってもらうことが、お芝居とはまた別の感覚で、写真は自分の表現だなと思っていて好きです。
■出演作『散歩時間~その日を待ちながら~』について
▼オーディションへ取り組む姿勢
-映画の出演にあたって、1500通の応募の中から選ばれたという点で、何らかの努力や工夫があったのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?
佐々木悠華
この映画の出演者の応募を募集している時期に、私が戸田さんのワークショップに行ったことがきっかけでした。そこで芝居をして、声を掛けていただいて出演させていただきました。
出演することに繋がるとは全く知らない状態だったので、決まった時はすごいびっくりもしましたし、嬉しかったです。
ただ、「私で大丈夫なのかな…」という不安もありました。お芝居を始めたばかりなので、今でも自分の芝居に自信があるわけではないので、「私でいいのかな…」と思っていました。
でも、台本を見させてもらった時に鈴ちゃんの役を見て、「これは私だ」って思って、「やりたいです」と返事をさせていただきました。
-ワークショップに参加する中で戸田監督に見出された感じなんですね。オーディションでの工夫や意気込みはどのようなかたちで臨みましたか?
佐々木悠華
普段のオーディションでは、楽しむことを心掛けています。
オーディションの場って、会うのが一回限りになる可能性が高いと思うんです。
「楽しみたいな」っていうのをずっと思っていて、だから緊張はあんまりしないんです。
その場を楽しみたいと思っているので、オーディションはいつも楽しいです。受かっても受からなくても、「自分に負けない」という気持ちでいられたらいいなと思っています。
-今回は、ワークショップオーディションというわけではなかったんですか?
佐々木悠華
ワークショップオーディションではないですね。
映画のオーディションでその役が決まらなくて、その同時期に行われていたワークショップに参加していてお声がけいただいた流れです。
▼脚本を読んでの感想
-脚本を「初めて読んだ時の感想」と「完成した作品を観た時の感想」を聴かせてください。
佐々木悠華
脚本を最初に見た時は、「鈴ちゃんって、私じゃん」と思いました。
すごく明るくてエネルギッシュなところ、今のこの瞬間を楽しむことに全力をかけている女の子という点が、昔の自分とよく似ているなって思いました。
私も中学校の頃は、学校に行くことがすごく楽しくて、毎日どれだけ楽しめるか、友達と笑えるかということしか考えていませんでした。
そういうところがすごく似ていて、「私が鈴ちゃんを演じたいな」って思いました。
-エネルギッシュな部分が、ご自身と似ていると感じたんですね。
佐々木悠華
私は曲がったことが嫌いなタイプなので、鈴ちゃんのまっすぐなところに似ているものを感じました。
行動や言葉が、中学生時代の私が話していた姿そのままで、そこも似ていると思いました。
中学校の頃好きな男の子がいたのですが、その子に対する接し方がとても似ていて、その時の感じを思い出したし、演じたいと思いました。
-その思い出した表情がでていますよね。
▼完成した作品を観ての感想
-佐々木さんが出演されたシーンは、他の多くの出演者とは別のお話として撮影されていると思いますが、他のお話の撮影の見学には行きましたか?
佐々木悠華
他のお話の撮影の見学には行っていないですね。
基本的には共演した山時聡真(香取光輝 役)さんとの撮影で、他の方々にお会いしたのは衣装合わせの時や本読みの時にお見かけした感じです。
お芝居のお話をしたのは山時さんだけですね。
-完成した作品を観ての感想をお聞きしたいと思います。脚本では読んでいたかもしれませんが、全編を映像として観て、いかがだったでしょうか。
佐々木悠華
「ああ、こういう感じになっているんだ」と、私もひとりの観客として観た部分がありました。自分のシーンは知っていたけれど、それ以外は全く知らなかったので、コロナ禍の時代を生きたそれぞれの人達を垣間見ている・覗いている気がして不思議な気持ちになりました。
▼コロナ禍に考えたこと・身に付けたこと
-コロナ禍の出来事を描いた作品ですが、佐々木さん自身が、コロナ禍で考えたこと、何か身に付けたものはありますか?
佐々木悠華
自分と向き合う時間がすごく増えたと思います。お芝居を始めてからコロナ禍になったというのもあって、コロナ禍を題材にした作品に出させてもらうことがすごく多いです。
その中で自分と向き合う時間が個人的にも増えて、心が成長したというか、色んな見方がこの1、2年でできるようになったと思っています。
すごく不安なこともありましたが、自分を見つめ直すいい機会だったのかなっていうのを強く思います。
-マスクをしながらの演技において、考えたことや心がけたことはありますか?
佐々木悠華
マスクをつけていると口元が見えないので、普通の表現ではカメラを通したときに届かなくなってしまうことを考えて、目はとても意識しました。
具体的なものではないのですが、感情をその感情のまま出すのではなくて、目に意識を持っていって、目が動くという感覚を意識していました。
▼撮影時のエピソード
-作品では、大きな出来事として流星群が登場していますが、夜や夜空に関するお話などありましたら、教えてください。
佐々木悠華
夜の空の話でいうと、私は小さい頃、マンションの屋上によじ登って夜空を見るのがとても好きでした。
遠くの夜景がキラキラしていて素敵で、そこに行きたい・遠くに行きたい、いつか私は行くんだとずっと思っていました。
辛いことがあった時には、その夜景を見る時間がとても好きでした。
夜の空は好きです。この撮影の時も夜のシーンの撮影が多かったのですが、夜空一面に星が見えて、月も綺麗でした。山時さんと一緒に望遠鏡を覗いて写真を撮ったらとても綺麗に月が写ったんです。それは素敵な思い出です。
▼今後の夢、目標
-今後やってみたいことや、将来の夢は?
佐々木悠華
本当にいろんな作品や役に挑戦したいです。最近、サイコホラーの映画にはまっているので、いつか、サスペンス系の役や作品に出られたらいいなって思っています。
自分とは全く別の世界で、そこで演じることはすごく難しいと思うのですが、いつか演じて違う自分になりたいと思っています。
■お客様へのメッセージ
-映画を観にいらっしゃるお客様へのメッセージをお願いします。
佐々木悠華
コロナ禍を題材にした作品ではありますが、日常の人と人との関わりの大切さや、観終わった後に心が温かくなる作品だと思っています。
コロナ禍で嫌なこともあったかもしれないけど、それだけではなく、いつかあの頃も意味のある時間だったということが観てくださる人に伝わればいいな、自分を自分でその時間を肯定してあげられたらいいなと思います。
(取材・金田一元)
佐々木 悠華(ささき・ゆか)
2002 年 12 月 5 日生まれ 東京都出身 戸田彬弘監督とワークショップで出会い、今作品のメインキャストに抜擢。どこか懐かしい少 女のような笑顔と、芯のある演技で今後が楽しみな女優。主な出演作品に、カロリーメイト web movie | 「入学から、この世界だった僕たちへ。」メインキャスト、TVCM「JAL×コカコーラ 新たな旅立ち篇」、TVCM「スーツのはるやま」(松本花奈監督)メインキャス ト、MV「優しい人、赤い糸」(上野優華)主演、など。
川村鈴(15):光輝に淡い想いを寄せるが言い出せずにいる同級生。さまざまな制限を受けた夏休みはつまらなかったと言う。 |
■映画『散歩時間~その日を待ちながら~』作品概要
【STORY】
舞台は 2020 年 11 月 17 日。婚約をしたものの、コロナの影響で結婚式をすることができなかった 20 代の亮介(前原滉)とゆかり(大友花恋)。引っ越しの整理もままならない二人だ が、都会から離れた町に住む真紀子(柳ゆり菜)の自宅で友人たちがお祝いパーティーを開いてくれることになり、稲田(中島歩)や圭吾(篠田諒)、そして真紀子の知り合いのインフルエ ンサーちひろ(めがね)らが集まる。しかし、自分の意見に合わせるばかりで、本音を話さない 夫に不安を募らせていたゆかりは、彼の隠し事を知ってしまい、祝いの席に不穏な空気が漂ってしまう。
同じ空の下、様々な人物がやり切れない想いを抱えて毎日を過ごしている。急増するデリバ リー案件に答えながら演劇ワークショップが中止になる日々を送る 30 代の若手俳優の片岡(アベラヒデ ノブ)、帰省できず里帰り出産のわが子を抱くこともできない 40 代のタクシードライバーの淡路(高橋努)、そして、学校イベントのほとんどが中止となり、長年の恋心さえも伝えられずにいる中学 3 年生の光輝(山時聡真)と鈴(佐々木悠華)。
この日は、しし座流星群がピークを迎える日── 恋人や親友、我が子との間でさえも曖昧に なっていく他者との繋がりに、それぞれが葛藤を抱えながらも、たしかな一歩を踏み出そうと する彼らの空に、流れ星が降り注ぐ。
「未来のことはわかんないからさ、とりあえず良いことが起こることにしとこう。」
【キャスト・スタッフ】
前原 滉 大友花恋
柳ゆり菜 中島 歩 篠田 諒 めがね 山時聡真 佐々木悠華 アベラヒデノブ
ヤセル ジャマル でぃばば フェルナンデス直行 つじかりん 大迫茂生 根矢涼香 辻 凪子
野村啓介 安倍 乙 菊地姫奈 晴野なち 大浦千佳 竹下かおり 藤田健彦 伊藤ナツキ 早織 池田良 田山由起 のこ
高橋努
原案・監督・編集:戸田彬弘
脚本:ガク カワサキ
音楽:茂野雅道 プロデューサー:深澤 知 アソシエイトプロデューサー:高橋 淳 渡辺真人
撮影:春木康輔 照明:大久保礼司 録音:岸川達也 美術:中村哲太郎
スタイリスト:小宮山芽以 ヘアメイク:安藤メイ 助監督:新山康幸 制作担当:深澤 知
スチール:柴崎まどか VFX:田中貴志
制作プロダクション:チーズ film 助成:ARTS for the future!
配給・宣伝:ラビットハウス
製作:チーズ film / TOHEARTS Inc. / 高橋 淳 / 深澤 知
2022 / 日本 / カラー / アメリカンビスタ / 5.1ch / 95 分
©︎2022「散歩時間〜その日を待ちながら〜」製作委員会
公式ホームページ https://sanpojikan.com/
公式Twitter https://twitter.com/sanpojikanMovie
2022 年 12 月 9 日 (金) 新宿シネマカリテ 他 全国順次公開