「成人男性向け雑誌」が舞台!?映画『グッドバイ、バッドマガジンズ』主演・杏花&横山翔一監督インタビュー掲載

「成人男性向け雑誌」が舞台!?映画『グッドバイ、バッドマガジンズ』主演・杏花&横山翔一監督インタビュー掲載

2022年10月28日(金)から11月3日(木・祝)まで、テアトル新宿にて、映画『グッドバイ、バッドマガジンズ』が1週間限定公開。連日トークショーイベントが開催されている。物語の舞台は、成人男性向け雑誌という刺激的すぎる出版業界。その裏側を舞台に容赦のない世界を図太く生きていく一人の女性を描いた骨太奮闘物語となっている。今回、主演の杏花、横山翔一監督へのリモートインタビューを実施。そのコメントを掲載。

グッドバイ、バッドマガジンズ

物語の舞台は「成人男性向け雑誌」の編集部。オシャレな女性誌に携わることを夢見た詩織(演・杏花)だったが、配属されたのは全く逆の成人男性向け雑誌。いわゆるエロ本。一癖も二癖もある編集者やライター、営業担当たちに揉みくちゃにされながらも一人前の編集者に成長していくサクセストーリーかと思いきや…。という、実話を元に出版社の裏側を描く衝撃の物語となっている。


かつてコンビニで販売されていた成人男性向け雑誌は、圧倒的な売り上げを誇っていたが、性質柄、雑誌が作られる過程はあまり知られていない。本作では多数の成人男性向け雑誌関係者への取材を慣行、その知られざる性的メディアの裏側で従事する者の苦悩や問題点をベースに物語を構築。
電子出版の台頭による出版不況、東京五輪開催決定によるコンビニからの成人誌撤退、さらに追い打ちをかけるように起きた新型コロナウイルスなど、激動の時代を生きた彼らにスポットを当てた業界内幕エンターテイメント作品。

本作で描かれるのは会社や組織の理不尽な命令や決定に押し潰されていく人々、過酷な労働状況の中でなんとか自分らしさや個性を守ろうとする者など、これは成人雑誌の編集部だけに限った話ではなく、現実問題として私たちの身の回りで起きている出来事。
近年では新型コロナウイルスの影響で多くの人々が苦しみ、耐え忍んでいる今、一人の編集者が孤軍奮闘し、たくましく、図太くなっていく姿を通し、少しでも多くの人に希望を持ってもらいたいという願いが込められている。

■ 映画『グッドバイ、バッドマガジンズ』

▼ストーリー

崖っぷちの雑誌編集部。
夢を追って入社した詩織を待っていたのはカオスすぎる地獄

グッドバイ、バッドマガジンズ
詩織(演・杏花)

成人雑誌の雑誌編集部に新人編集者として入社した詩織、先輩の向井に編集のイロハを教わりながら成人誌を編集していくが、編集部内にはひとクセもふたクセもある社員たちが跋扈していた。
オシャレな女性の編集者を夢見て入社した詩織だったが、オシャレとは程遠い「エロ」にまつわる仕事やキャパオーバーの仕事の数々に疲弊していく。しかし、女性ライターのハルや女性編集者の澤木に出会い、刺激を受けたことで、成人雑誌や雑誌編集に対して興味を持ち始める。

知られざる出版業界の裏側。
複雑な人間関係が絡み合う生き残りサバイバル

グッドバイ、バッドマガジンズ

雑誌編集に面白さを見出していた詩織だったが、編集部内で様々なトラブルや事件が発生。激務を共に戦ってきた同僚の編集者たちが次々と辞めていってしまい、編集部内には暗雲が立ち込める…。

グッドバイ、バッドマガジンズ

グッドバイ、バッドマガジンズ

▼インタビュー

【主人公・詩織役 杏花さんインタビュー】

-主人公の詩織は出版社に入社しましたが、杏花さん自身が現在の芸能の仕事を目指したきっかけや理由など教えていただけますか。

杏花
私は小さい頃から母に舞台やミュージカルに連れて行ってもらう機会が多くて、家に帰ってから鏡の前で自分で演じてみることをしていました。ある時、母が雑誌の巻末にあるオーディション応募のページをもとに、現在所属しているスターダストプロモーションに応募してくれたのがきっかけになっています。

-杏花さんが演じた詩織は出版社に入社したものの希望部署への配属は叶いませんでした。もし杏花さんが希望する仕事ができなくなってしまった場合、どのように考え行動しますか。

杏花
私の場合、0か100かといった考えです。きっぱり辞めるか、もしくはそこでいかに楽しむかを考えます。自分をすごく追い込んで、「そこで一番を獲ってやるぞ!」という気持ちで立ち向かうかのどちらかだと思います。

-0か100かというのは、杏花さんの性格的なものでしょうか?

杏花
そうですね、割とそういう性格なのかもしれません。

-この作品を経たことで杏花さんが得たものや気づき、今後のお仕事に役立てられそうなものを教えてください。

杏花
(今までもこれからも)なかなか出会えない役柄だと思っています。やはり、一人の女性の2年間を描いていくことに自ら立ち会えたので、自分自身もこの作品を通して成長できたと思います。
今まで自分が引き出せていなかった部分の引き出しをたくさん開けてくれた作品でした。自分も一回り大きくなった・一皮むけたと思っています。

-多くなった引き出しを今後の仕事に役立てていきたいという感じでしょうか。

杏花
そうですね今後の仕事に役立てるというのももちろんですが、まずは私自身の考え方が広くなったと思っています。
今後自分が何を演じても、今までよりも見える世界は広くなっていると感じています。

-具体的には、どのように見える世界や感じ方が変わったのでしょうか。

杏花
社会に対する見方が広く見えるようになったと思います。社会人の役をあまり演じたことがなかったので、オフィスのシーンでのパソコンに向かっているときの姿勢や仕草、“職場で疲れ切った時に人はどうなっていくのか”という社畜と呼ばれる人の描き方など、その全てが新鮮でした。
この作品では、初めての経験がたくさんあったので、見える世界や自分が出来ることが広がったと思います。

-初めに脚本を読んだ感想と、完成した作品を観ての感想をお願いします。

杏花
最初に脚本をいただいた時は、そこで生きている人たち・それぞれのキャラクターが本当に複雑に描かれていて、とても魅力的だと思いました。私が演じた森詩織という一人女性の図太く力強く立ち向かっていく様子がこの作品の魅力だと思いました。
自分自身もこの作品がどんな仕上がりになるのかすごく楽しみにしていて、リアルであればあるほど面白いものになるんじゃないかなと思っていました。

実際に完成した作品を観たらすごく面白かったです。共演させていただいたキャストの方々の本当に個性的な方々ばかりで、現場でも毎日笑っていました。
そういう方々の面白さや登場人物自体の面白さがあることに加えて、先ほどもお話しした会社のリアルさなどが本当に面白いと思います。今、皆さんに観ていただきたい作品だと思います。

-脚本を読んだときと、完成した作品では編集等によって、かなり印象が違ったと思うのですが、その点に対しては杏花さんはどのように思いましたか?

杏花
監督の作り上げた世界観にただただ感動しています。
(脚本を読んだ時の印象とは)全然違うとはいえ、作品の軸は変わっていないので、こういう作品に仕上がったんだなってすごく感動しました。

-作品紹介や、作品の見どころ、ご自身が見てほしいポイントなど、お客様へ向けたメッセージをお願いします。

杏花
この映画は2020年の東京オリンピック開催をきっかけに、コンビニから姿を消した男性向け成人雑誌というものがあって、その出版社に入社してしまった女の子を私が演じています。
あの時に出版社では何が起きてたのかっていう出版業界のリアルとそこで藻掻く人たちがすごくリアルに描かれていて、他に類を見ないエンターテイメント作品になっていると思います。
より多くの方に観ていただけたらいいなっていう気持ちでいっぱいです。


【横山翔一監督インタビュー】

-本作制作のきっかけについてコメントをお願いします。
(出版業界の現状、東京五輪と成人雑誌、失われる風俗・文化、若年層の就職、職場環境、
 労働条件、夢、努力などに興味を持ちました。)

横山翔一監督
2019年、コンビニから成人雑誌が撤退するというニュースが巷を賑わせていた頃、自分の作ったものがこういった形で世の中から消えていくことに成人雑誌の作り手はどういう気持ちなんだろう、という思いを持ったことが制作のきっかけの一つになりました。
また、プロデユーサー宮嶋さんの体験談や、男性女性問わず成人誌の編集者の皆さんの体験談が本当に面白く、これは映画にできるという確信を持ちました。

-キャスティングについて、オーディション、出演にいたるまでの想いやエピソードを教えてください。

横山翔一監督
キャスティングに関しては今回、メインのうち三分の二の人間がオーディションだったかと思うのですが、個人的には今までではじめての人数でした。
主人公の森詩織のオーディションが最も印象に残っています。
二人組になってもらい役を交換する形式で行ったのですが、杏花さんはハルの役も上手に演じられたのが印象的で、ハルと詩織をどこかで重なるような関係として描く、というアイデアをもらいました。

-撮影中のエピソードについて
 撮影中に起きた、印象に残る出来事や、偶然起きた紹介したいエピソードなどがありましたらお聞かせください。

横山翔一監督
とにかく毎日がトラブルの連続だったのですが、雨が多くて苦労しました。
黒岩が渡奴を恫喝するシーンは、ちょうど台風が直撃した日で半分のシーンを撮りこぼしたのですが、窓を開ける芝居があり、その瞬間は雨が演出の助けになりました。

-お客様へのメッセージ
 作品紹介、作品の見どころ、ご自身の観てほしいポイント、お客様向けのメッセージをお願いします

横山翔一監督
「成人雑誌の編集者」というと、特殊な業界の特殊な人間を描いているように見えますが、この作品の全ての登場人物にはモデルがおり、ほぼ全ての事件は取材で語って頂いた本当に起こった出来事です。あなたの職場のあんな人、こんな人が必ずこの作品の中にはいます。

また、国家の大事業であるオリンピックの裏で、会社も世間も味方をせず、ただ消えていくしかなかった「コンビニエロ本」という存在は、社会や会社の統制の中で生きる我々一人一人と重なる部分があると思っています。
その中で、いかにして生きるか、自らの何を守り何を捨てるのか、あるいは見つけるのか、働く人々にとって、不思議と癒しが訪れる映画だと思うので、仕事や今の社会の雰囲気に疲れている皆様はぜひこの映画を見て癒されて頂きたいです。


■ 映画『グッドバイ、バッドマガジンズ』概要

<キャスト>
杏花 ヤマダユウスケ 架乃ゆら 西洋亮 山岸拓生 菊池豪 岩井七世

西尾友樹 タカハシシンノスケ 長野こうへい 善積元 山口大地 木村知貴 大迫茂生
ジューン・ラブジョイ あらい汎 草野康太 きみと歩実 上田操

春日井静奈 カトウシンスケ グレート義太夫

監督:横山翔一 脚本:山本健介
プロデューサー:宮嶋信光
制作:ふくよか舎 製作:ピークサイド 配給:日活

テアトル新宿 作品URL https://ttcg.jp/theatre_shinjuku/topics/2022/10221500_20428.html

2022年10月28日 テアトル新宿にて一週間限定公開

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