8月26 日(金)、池袋HUMAX シネマズにて、映画『人』の公開初日舞台挨拶が行われた。本作主演となる吉村界人、キャストの田中美里、そして本作が商業映画デビューとなる山口龍大朗監督が登壇。本作制作のきっかけや、出演に対する思い、撮影時のエピソードなどを披露した。
本作は、「家族とは何か」「生きるとは何か」を問いかけるファンタジー作品。不慮の事故
によって死亡し、幽霊になってしまった青年・健一(吉村界人)と、幽霊が見える健一の母・彩子(田中美里)、そして既に他界し同じく幽霊となっている父・拓郎(津田寛治)が過ごす 3 日間を描いている。
■ 映画『人』初日舞台挨拶
冒頭、当日欠席となった津田寛治さんからのコメント・メッセージが読み上げられた。
【津田寛治さんからのコメント・メッセージ】
この映画のお話をいただいて、台本を読んだとき、海辺の寂しい感じがいいなと思ったのを覚えています。
出来上がった映画を見たら、親子の関係に見え隠れする人の生き死にが見事に海と溶け合っていて、僕が最初に感じた海へのもの悲しさと奥深さが映像としてそこにありました。
皆さんにもそんな海を感じていただけたらと思います。
▼本作制作のきっかけ
-山口監督はこれまで映画のプロデュースの領域でキャリアを積まれてきたかとうかがっています。なぜ今回ご自身で監督をされ、この作品を作ろうと思ったのか、そのきっかけを教えてください。
山口龍大朗監督
最初のきっかけは、私の友人の死がきっかけです。単純に悲しみに暮れるだけじゃなくて前向きになれる方法って何かないのかなっていうのが最初の企画のきっかけでした。
物語を作っていく上で自分の物語でもあったので、そういうのもあってこれを監督という立場でやらせてもらおうかと思いました。
▼キャストのみなさんが出演を決めたきっかけ
-お二人が出演を決めたきっかけを教えてください。
吉村界人
脚本が面白くて、僕も海と夏が好きで、監督の個人的な衝動が脚本に乗っていたり、それが気持ちを駆り立てていると思うので、そういう情熱に僕も参加したいと思いました。
田中美里
今回のお話をいただいて、敦賀さんがお書きになった脚本を読んだんですけど、すごく面白くてすぐに近くにいたマネージャーに。「これ絶対やりたいから、他の人に取られたくないな」って言って、そういうふうに伝えてくださいってお願いしました。
山口龍大朗監督
びっくりするくらいすぐにお返事をいただいたので…。
田中美里
マッハで(笑)
山口龍大朗監督
本当にびっくりしました。
当日だったと思うのですが、すぐに連絡をいただいたたので、そこもすごく嬉しかったです。
田中美里
やっぱり山口監督のご友人に対する思いを、お会いしたときにいろいろとお話させていただいたんですけれども、その時に、「うん、この役はやりたいな」って改めて思いました。
▼撮影時に印象に残ったエピソード
-撮影時に印象に残っているエピソードを教えてください。
吉村界人
掛け合いが田中さんとの掛け合いが面白かったです。
田中美里
楽しかったですね。すごい自然とやれていたような気が、私はしています。
吉村界人
僕もです。
田中美里
何気ないやりとりがすごい面白いので、ぜひ見どころかなと思います。
▼津田寛治さんとのエピソード
-津田寛治さんとのエピソードを教えてください。
山口龍大朗監督
印象的だったのは、撮影する前のメイキング映像を撮影している時に、「もう、2(続編)を作りたい」って言ってくれて、そこまで気持ちが入ってくれていたというのがすごい嬉しかったです。
「まだ”2”なんて考えてなかったのに」と思いながら、そんな気持ちがすごい嬉しかったです。
吉村界人
お芝居のアイディアがすごかったです。そのアイディアが面白かったです。
台本から読み取っての、「こうやったら面白いんじゃない?」というのが、僕は勉強になりました。
▼初上映にあたり、ご覧になるお客様へ注目して観て欲しいポイント
-これからご覧いただくお客様へ、注目してほしいポイントを教えてください。
吉村界人
夏も終わりかけていますが、こういうな家族のお話って、何か当事者にしか結構わからないことも普通にあると思うので、
なんとも言えないんですけども、「こういう夏の3日間の家族もいたんだな…」みたいに思うと、なんていうんですかね…。
自分の家族だけの悲しみとか嬉しさとかそういうのもありかなと思えたりすると思うので、そういうの感じていただけたら嬉しいです。
田中美里
不思議な世界のようで、日常なようで、リアルな部分もあって、とても面白い作品だなと思っています。39分間の作品なので、短いとは思うんですけれども、私葉」短いということもあって何回も観たんですが、その都度、「こことここが繋がるな…」とか、「おっ!?」て自分でも発見することがたくさんあったので、もし、いいなと思われた方は、再度観に来てくれたら嬉しいなと思っています。そして広めていただけたら嬉しいです。
山口龍大朗監督
本作が”死”というものをテーマにしていて、誰しも多分訪れるものですし、誰しもが多分感じたことがあるようなことをテーマにしているんですけども、この作品の”死”っていうのが、すごく後ろ向きというよりは、前向きでポジティブな”死”っていうのをイメージして作っていました。必ず、観た後に、何か少し温かくなるというか、前向きな気持ちになれるようにと思って作っていたので、見どころというよりはそういう印象になればっていうことを、心を込めて作りましたので、そこを感じていただければいいなと思います。
▼映画を観にいらっしゃるお客様へのメッセージ
山口龍大朗監督
企画から2年ぐらいようやく劇場で皆様に見せる機会が設けられてすごく嬉しく思っています。本当にスタッフ・キャスト一同、全力で挑んだ素敵な作品になっていると思うので、皆様ぜひ観終わった後もいろんな人に広めていってくれたら嬉しいです。よろしくお願いします
田中美里
ちょうど撮影のときは寒かったかな…。
そのときにコロナでいろんな作品とかに、なかなか出られない時に、最初に撮影が始まったのが、この『人』でした。九十九里の海で、その自然にも明るい光にも癒されて、こうやっていろんな人と集まって一つの作品を作るってやっぱり素晴らしいなっていうことをかみしめながら本当に一つ一つのシーンを大切に撮りました。
なのでスタッフが働いてる姿も、どの位置にいたかとか、あとどんな話したとか、共演者もそうなんですけど、そういうのをすごくよく覚えている作品で、私にとって大切な作品になりました。ぜひ皆さんよろしくお願いいたします。
吉村界人
田中さんがおっしゃったことが、100点過ぎて、僕は何も言えないんですけれども、こういう作品で参加している人が、みんな幸せで楽しい瞬間って、コロナの影響で少なくなってきている中で、僕もすごい撮影が楽しくて、それが伝わればと思っています。もしよかったら、この作品を広げてください。どうぞよろしくお願いします。
■ 映画『人』 作品情報
吉村界人 田中美里
冨手麻妙 木ノ本嶺浩 五歩一豊
津田寛治
監督:山口龍大朗 脚本:敦賀零 撮影:神戸千木 照明:平林健太郎 録音・整音:大関奈緒 助監督:高橋こたつ
スタイリスト:小笠原吉恵 ヘアメイク:七絵 制作進行:徳永理仁 キャスティング:鈴木康愛 カラリスト:TOSHIKI 音楽:菅原一樹/鎌野愛
編集:曽根俊一 VFX:五十嵐章、桑原雅志 タイトル:カトオヨオイチ スチール:Ryoma Kawakami 予告編制作:榎園乃梨恵
制作プロダクション:株式会社エクション 配給:SAIGATE 2022/カラー/シネスコ/DCP/39分 ©映画「人」制作チーム
公式HP:https://eigahito.com 公式SNS:Twitter @hito_2022_eiga Instagram @hito_2022_eiga
8月26日(金) 池袋HUMAXシネマズほか全国順次公開