映画『(Instrumental)』ゲストに草野翔吾監督登壇。同じモチーフにシンパシー

映画『(Instrumental)』ゲストに草野翔吾監督登壇。同じモチーフにシンパシー

8月6日(土)、映画『(instrumental)』(宮坂一輝監督)が池袋シネマ・ロサで再上映を開始。初日舞台挨拶には、宮坂一輝監督の先輩にあたる草野翔吾監督が登壇。大学時代の映画祭での本作の審査時のエピソードや感想を語った。

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左)草野翔吾監督、右)宮坂一輝監督

■ 映画『(Instrumental)』再上映初日。ゲスト草野翔吾監督

本作は時間軸を行き来しながら、一人の新米新聞記者・以有真知子(演・秋田ようこ)の青春と喪失を描き出した作品。日本有数の学生映画サークル・早稲田大学映画研究会と芸能事務所の株式会社アミューズがタッグを組んで制作され、自主/商業の垣根を超えて多彩なキャストが集結。秋田ようこ(『サイキッカーZ』)、新谷ゆづみ(『麻希のいる世界』)、八木優希(『アイネクライネナハトムジーク』)らが出演している。

今回の舞台挨拶には、映画『(Instrumental)』の宮坂一輝監督が司会を務め、ゲストに招いた草野翔吾監督への質問や感想をメインとしたトークを繰り広げた。

▼両監督は大学の先輩・後輩

登壇した両監督は、早稲田大学映画研究会の出身。先輩(草野)・後輩(宮坂)の関係。数年前に開催された早稲田大学内の映画祭「早稲田映画まつり」で、審査員としてよばれた草野監督が、宮坂監督の『(Instrumrntal)』を観て、審査をしたという背景がある。
本作をあらためてみた草野監督は、「学生らしからぬ題材を扱っていて、要素がふんだんに盛り込まれ、内(うち)に籠った感じではない題材にまっすぐに取り組んでいることに、すごいことをやっていると思った。」と当時を振り返った。

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草野翔吾監督


また、宮坂監督は、「早稲田映画まつりで審査をいただいた時に、かなり厳しい評価を受け、そこでの悔しい思いがあったので改めて話をうかがいたい」と、草野監督をゲストに招いた理由を明かした。

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宮坂一輝監督

その映画祭で、『(Instrumental)』が賞を取らなかったことを宮坂監督は「今世紀最大の謎」と表現した。草野監督は、「この作品がどう考えても他の作品に比べて気合も入っているし、お金もかかっているようだったが、賞を取らなかった」ことを説明。草野監督自身は、作品に対する感想をびっしりと書いたが、コロナ禍だったこともあり、宮坂監督と話す機会がなかったことを語った。
その時のことを振り返り、草野監督はその映画祭での一番の記憶として、帰り際に悔しそうな顔で自身を見つめる宮坂監督の姿の記憶を明かした。

▼両監督の作品に関する共通点「コインランドリー」

草野監督は、『(Instrumental)』に関する気になる点として、「コインランドリー」を挙げた。
草野監督の大学時代の作品に『Mogera Wogura』があり、そこでもキーになる場所がコインランドリーだったことを語った。
また、今回の上映で特別上映される『多世界』という作品のモチーフが『シュレーディンガーの猫』という作品で、草野監督が『Mogera Wogura』の次に撮った作品のモチーフが同じく『シュレーディンガーの猫』だったという共通点にシンパシーを感じたと明かした。

撮影の場として、コインランドリーを選んだ理由を質問された宮坂監督は、劇中に登場する世代の違う大人と中学生という二人が出会える可能性がある場所として選んだことと、レコードが回ったり、洗濯物が回ったり、時間が巻き戻るといった”まわる”という動作に映画全体が影響を受けている点を説明した。

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▼何度観てもわからない点

草野監督は本作を複数回観てもわからない点について、宮坂監督に質問した。
主人公の真知子が書いた記事が、上司によって掲載が保留になるが、結果として掲載されたか否かが疑問だったという。
その疑問に対して、宮坂監督は細かな描写も含めて回答。しかし、この質問は、過去にも両監督で交わされたものだったという。

宮坂監督は、『(Instrumental)』を1回観ても分からない箇所がある点に関して、自身の未熟さがあるという自己評価に加え、「”ここはこうです”という主張をあまりしないように心掛けている」と説明した。「映画を観る側の人たちに、与えられた情報だけでなく、自ら気づいてほしい。」という願いを語った。

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■ 映画『(Instrumental)』

【チケット情報】
一般:1,500円 大学生:1,300円 高校生以下:1,000円 シニア(60歳以上):1,100円
前売券:1,300円

・“ワセダ割” 一般当日券は『ここ以外のどこかへ』の半券提示で1,500円→1,400円
・リピーター割 一般当日券は『(Instrumental)』の半券提示で 1,500 円→1,300 円

【リンク】
公式サイト: https://instrumental625.wixsite.com/movie
Twitter: https://twitter.com/Instrumental_33
Instagram: https://www.instagram.com/instrumental_movie/

【クレジット】
秋田ようこ 黒澤凜士 八木優希 新谷ゆづみ
川島祐樹 二瀬萌 篠原寛作 冨田智 中川兼一 岩崎哲也 田村宗慈  
紫藤楽歩 いとうたかし 坂本憲子 天白奏音
小倉蒼 平本龍星 安清将晃 齊藤胡珀 佐藤琉愛 丹春乃
岡元慶太 小張友紀子 佐川勝由 坂口悠貴 柴崎泰知
ドラム指導=内田佳奈子
音声=伊藤朱良 田口慧震 本多健人 山西陽介
美術=石塚智恵 佐久間柚月
記録=秋山直輝 安剛賢 押場渚 蒲大輝 菅野文哉
撮影補助=田代智紀 冨岡利彩 野口友莉香 吉澤咲紀
車輌=甲斐亮吾 米澤和宏
スチール撮影=丸木大貴
フライヤーデザイン=飯田夕佳理
ヘアメイク=金山貴成 いたつ
クラウドファンディング協力(敬称略)=真合健介 中部一夫 伊丹ローズ 川中謙二郎
足立祐一 田村伶子 黒川和則
ロケ地協力=井上世蓮 緑川榮 緑川光江 緑川博久
明神湯 PHP研究所 Honey Trip サロンガイヤール 早稲田大学 株式会社いしでん 国立市フィルムコミッション
たちかわ創造舎 羽村市図書館 羽村市シティプロモーション推進課 たまロケーションサービス 南豊ヶ丘フィールド
制作協力=株式会社アミューズ
制作=早稲田大学映画研究会
音楽=岡本卓磨
監督・脚本・撮影・編集=宮坂一輝

2020年|日本|64分|カラー|16:9|DCP|ステレオ

2022 年 8/6(土) – 8/12(金) 池袋シネマ・ロサにて 1 週間限定再上映

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