11月3日、渋谷ユーロライブにて、松本動監督の新作短編映画『初色』完成披露特別上映が開催。17名の出演者のうち16名が登壇した(1名は海外留学中)。
舞台上には3グループに分けて登壇。撮影時のエピソードや完成した作品を観た感想を語った。
『初色』について
通常映画は脚本が先にあってキャスティングが行われる。ところが本作は最初に出演者が決まってから、あて書きされた脚本をもとに制作された意欲作。17名のメンバーが先に決定されたからこそ生まれた映画となっている。
主演には話題のドラマ「彼女はキレイだった」で小芝風花の母親役を演じ、その存在感を知らしめた松田陽子をはじめ、新人でありながら、その鋭い目に野性味が溢れメインに抜擢された高間大暉。そして舞台で実績を積んだ演技派の小野由香もメインの1人を演じている。
その他14人の中にも松本動監督の常連役者陣や、確かな新人役者から実力者まで、個性豊かな顔ぶれの演者たちが競演。松本動監督の演出が冴え渡った短編映画となっている。
■映画『初色』キャストコメント(登壇グループ「先生と生徒たち」)
松田陽子/まつだようこ
柏木靖子(カシワギヤスコ)先生役をさせていただいた松田陽子と申します。私達キャストも今日初めて観ました。最後すごい鬼の形相でメチャメチャ怖い顔になっていました。
夏目かおる/なつめかおる
今野美鈴(コンノミスズ)役を演じさせていただきました夏目かおるです。
初めての撮影の中で初めての経験をすることがたくさんあったんですけど、共演者のたくさんの方が温かくいろいろ教えてくださることも多くて、自分の中でも印象に残っていることがたくさんあります。
空花/そらか
椿ちひろ(ツバキチヒロ)役の空花と申します。これぐらい長い秒数、映る作品っていうのは私自身初めてでした。この作品が役者にあて書きで台本を作った作品になっていて、私の役どころがスポーツ万能な女の子で、私はとても運動が苦手で、(松本監督には)逆にそういうふうに見えていたんだなと思いました。でも作品をみたら、すごく運動ができそうな子になっていたので良かったなと思いました。
高間大暉/たかまだいき
涌井毅(ワクイタケシ)役を演じさせていただいた高間大暉です。僕は今年の2月に松本監督の特集上映を観させていただいて、今ここに立っているというのが夢のような時間です。
僕も役をいただいたのが初めてで、右も左もわからないままの撮影だったんですけど、松本監督含めスタッフの皆様が、サポートしてくださって楽しい撮影になりました。
笠居祐花/かさいゆうか
田所友紀(タドコロユキ)役を演じました笠居祐花です。学級委員長を演じました。私、中高ずっと学級委員長だったんです。これを観た時に松本監督はすごいなと思いました。なので、演じやすかったと言うのがありました。こんな大きなスクリーンに自分の顔が映るのが初めてで、めちゃくちゃ緊張しました。ぎゅっと詰まった短編映画だなと思いました。
堀拓海/ほりたくみ
佐藤勝之(サトウカツユキ)役の堀拓海です。(自分の名前と役名を逆に言うネタを)2週間前から考えていたのですが無事にスベりました。誰かわからない人は、ひとりだけハーフパンツの奴、生足が出ていて、引きの画で見た瞬間に、綺麗な足だなって自分で思いました。今回の作品を通していい勉強になったなと本当に思いました。
作品を作るのにいろんな人が関わってくれてるんだなと思うと、頑張らないとなと思いました。
宮下南舟/みやしたなんしゅう
高橋亮平(タカハシリョウヘイ)役の宮下南舟です。
観ていたら、賑やかしくて、とてもうるさかったと思うんですけど、自分もうるさいなと思って観ていました。この作品に参加できてとても光栄に思っております。
八尾康生/やおこうせい
渡嘉敷実(トカシキミノル)役を演じさせていただきました八尾康生と申します。
僕の一番の見どころは、轟さんが絵を見た時に「ヘタクソ!」というシーンがあったと思うのですが、あの絵を書いたのが僕です。あれは設定ではなくてシンプルに下手なだけです。真剣に書いてあれなので、絵が下手なやつだと思っていただければと思います。
平岡ちか/ひらおかちか
※海外留学中のため、松本監督がコメント
奥貫麻美(オクヌキアサミ)役を演じた平岡ちかさんなんですが、カナダに留学されて向こうで、俳優活動を頑張ってるんですけど、でもそれが今日実は、平岡さんが…
平岡さんがやってきましたよ(笑)
先生が出席をとっているときの平岡さんのつぶらなひとみがきょろちゃんそっくりで、編集しながらゲラゲラ笑っていました。
■映画『初色』キャストコメント(登壇グループ「中堅組」)
小野由香/おのゆか
白鳥冬美(シラトリフユミ)役を演じました小野由香です。
初めて観て、自分の顔のダイナミックさに、普段仲良くしてくださっている方に、怖い思いをさせているのかなと思うぐらいのすごい顔でした。
森亜沙奈/もりあさな
川瀬知佳(カワセチカ)役を演じました森亜沙奈です。
冬美姉ちゃんと短い期間でめっちゃ仲良くなりたいと思って、撮影までの2週間位の中で、いっぱい会いました。あと台本を関西弁に直したりしました。一緒に舞台を観に行きましたね。
家でご飯を一緒に食べたり、プライベートでも仲良くいっぱい話を聴いていただいて、年上の先輩ができたっていうのが良い思い出でした。
古賀勇希/こがゆうき
詐欺師の男、タカシとか平野晃司(ヒラノコウジ)とかいろいろやりました古賀勇希です。
伝票を置く所とか、すごい悪いヤツだなって思いました。現場でもみんなに嫌われまくってこんなひどいことをしてすみませんでした。坊主になったんで許してください。
市原茉莉/いちはらまり
蝶野歩(チョウノアユミ)役を演じました市原茉莉です。結婚詐欺に引っかかる女その2みたいな。
今日初めて赤い糸のシーンを映像で観て「なにしとんじゃい!」って思いました。我々にもそういうことをしていたんだろうなって思いました。「おバカな女だな」と思いながら。
水村美咲/みずむらみさき
結婚詐欺師に騙されて殺しに行く女、出てくる順番はその3、騙される順序としてはその1みたいな勝田洋子(カツタヨウコ)役を演じました水村美咲です。
初めて脚本をいただいた時に「やっぱりな」と思ったんです。私、男に騙されて、恨み妬みみたいな役が多くて、そういうイメージをもたれやすいのかもしれません。今年、もう一個撮影しに行った映画でも、包丁を握っています。包丁を握る役といえば、水村と思ってください。
今回撮影までの2週間ぐらいで古賀さんに実際あのLINEをブロックしていただいて、本当に役としてメッセージを毎日送って電話もしていました。それを撮影が終わった帰り道に読み返してると、ぞっとしました。正論しか言ってなかったんです…。
■映画『初色』キャストコメント(登壇グループ「壮年組」)
永尾宗大/ながおそうだい
轟幸次郎(トドロキコウジロウ)役をやらせていただいた永尾宗大です。
8月に撮影だったので、もう髪も伸びました。監督にやらせてくださいと言って自ら坊主になりました。
柘植純一郎/つげじゅんいちろう
早乙女仁(サオトメジン)役をやらせていただきました。やたら声の高い柘植純一郎と申します。アイデアとして提案したシーンが映像に残っているのを観て嬉しかったです。
飯田まさと/いいだまさと
柏木伸也(カシワギシンヤ)役をやらせていただいた飯田まさとです。
松田さんは奥さん役なのに、一回しかなくて、僕の現場は、柘植さんと永尾くんの三人だけで、女性が1人もいない殺伐とした現場でした。
松田陽子
私、初めてあんなにボコボコにされたんです。夜通しアスファルトの上に何時間も寝かされて、しまいには大きな蟻が体を這っていて、ものすごい過酷でした。
撮影前の初対面のワークショップで、いきなり思いっきり顔を殴られたり、本番前の練習の時に思いっきり腕を握られて、青タンがめっちゃできて、役者って大変だなと思いました。
高間大暉
僕は人を刺す役がやりたかったのでやれてよかったです。
刺すシーンで、指で永尾さんをグイグイ押していたので、今日謝ろうと思っていました。
■映画『初色』作品情報
この物語は、いくつかの『初色≒初恋』を描いた群像劇。街に息衝く、ほんのちっぽけな者たちの、初恋十色が描かれる。
タイトル
『初色』
<2021年/FullHD & 4K/カラー/ステレオ/シネマスコープ/37分>
ストーリー
元小学校教師の靖子と、その教え子で靖子に憧れを抱いていた毅。そして、初めて男性と付き合うことになり幸せな日々を送る冬美。物語はこの3人を軸に、さまざまな『初色≒初恋』が描かれてゆくが、やがてその幸せな時に不穏な空気が流れはじめ、いつしか『初恋』はあらぬ方向へと急展開して行く。
キャスト・スタッフ
出演者:松田陽子、高間大暉、小野由香、柘植純一郎、空花、夏目かおる、飯田まさと、森亜沙奈、水村美咲、市原茉莉、古賀勇希、永尾宗大、笠居祐花、平岡ちか、堀拓海、宮下南舟、八尾康生
製作・脚本・監督:松本動、撮影:池田直矢、撮影応援:鈴木靖之、照明:舘野秀樹、録音:西岡正巳、音楽:桃井聖司
Ⓒ松本動