6月17日(金)より映画『鬼が笑う』がテアトル新宿他全国順次公開。公開初日を記念してテアトル新宿にて満席の中、初日舞台挨拶が行われ、半田周平、梅田誠弘、岡田義徳、赤間麻里子、大谷麻衣、木ノ本嶺浩といった豪華キャスト陣が登壇。劇中に本人役で出演したムーディ勝山が MC を担当し、フォトセッションの際には監督の弟で本作の脚本を務めた三野和比古。三野博幸プロデューサーも壇上に肩を並べた。
本作は現代日本の犯罪加害者の更生の難しさ、人口減少と労働力不足に悩む現代社会の外国人労働者をとりまく諸問題、貧困、家庭内暴力、差別、偏見…。そんないつまで経っても社会や世界から消えることのない負の連鎖と真正面から向き合い、寝ぼけたニッポンに鉄槌を下す、不幸度120%の劇薬エンターテインメントとして海外の映画祭でも絶賛された作品。
■ 映画『鬼が笑う』初日舞台挨拶レポート
MC:ムーディー勝山
さあそれでは皆様、一言ご挨拶をお願いいたします。まずは半田さんからお願いいたします。
半田周平(石川一馬 役)
はい。本日ようやく映画『鬼が笑う』が公開初日を迎えることができました。平日のお忙しい中、こうしてお集まりください。本当にありがとうございます。よろしくお願い致します。
梅田誠弘(劉煒 役)
はじめまして梅田誠弘と申します。こんなにたくさんのお客様で今日から公開できることをとても嬉しく思っております。よろしくお願いいたします。
岡田義徳(松本 役)
岡田義徳です。今日は本当にこの映画が公開できることが幸せだと思っています。本当にありがとうございます。今日は、よろしくお願いします。
赤間麻里子(石川由紀子 役)
はじめまして赤間麻里子です。
本日は数多くある映画の中から、この作品の初日に立ち会ってくださったことを心より感謝申し上げます。短い時間ですがよろしくお願いいたします。
大谷麻衣(大友まどか 役)
みなさんはじめまして、大谷麻衣と申します。
金曜日のこの週末の夜の時間をこの映画に割いていただいて本当にありがたく思っております。多くの人に支えられて、初日をを迎えられたと思っておりますので、皆さんどうぞ『鬼が笑う』をよろしくお願いいたします。
木ノ本嶺浩(桃園誠 役)
木ノ本嶺浩です。
皆さんがおっしゃったように、たくさん想いの詰まった『鬼が笑う』。こうして初日を迎えられて本当に幸せでございます。感無量でございます。よろしくお願いいたします。
三野龍一監督
鬼が笑うの監督を務めました。三野龍一と申します普段、僕が兄で監督の三野龍一と申しまして、弟がいるんですけど、弟が三野和比古(かずひこ)といいます。よろしくお願いします。
前回が処女作で、今回2作目なんですけど150万円握りしめて作ったときからすると、こういう景色が見たくてやってたんだなと思うと、本当幸せに思います。楽しい映画じゃないですけど、楽しんでいただけたらと思います。ありがとうございます。
MC:ムーディー勝山
そして、私、ムーディ勝山もムーディ勝山役として出演しております。いったいどんなシーンで登場なのかぜひ楽しみにご覧いただきたいと思います。それでは三野監督、俳優としての私の演技はいかがだったでしょうか?
三野龍一監督
ノーコメントで(笑)
MC:ムーディー勝山
ノーコメント!受け流されましたけれども!
三野龍一監督
それはウソなんですけど。ムーディーさんは、すごい芸人さんでお芝居がうまいっていう噂がすごくて。
MC:ムーディー勝山
どこでそんな噂が立っていたんですか?
三野龍一監督
まぁ、お芝居というよりか、ムーディーさん役として出てもらうことによって、物語が逆にリアリティがあるような作りになってますので。楽しみにしていただけたらと思います。
MC:ムーディー勝山
すごい作りといいますかTwitterなんかでもね予告が流れまして、見られた方おられますかね。とんでもない不穏な空気のある予告なんですけども、まさかのそのあと一番最後に僕が出てくるっていう予告で、僕が一番びっくりしましたけども本当に。結構再生回数も伸びて良かったですけどもね。ぜひそちらもお楽しみください。
▼完成した作品を観ての感想。監督とのコミュニケーションについて
MC:ムーディー勝山
そして、キャストの皆さんにお伺いしていきましょう。
本作をご覧になった感想と、撮影時は監督とどのようなコミュニケーションをとって役を作っていったのか、役作りについても聞かせてください。それでは、半田さんからお願いいたします。
半田周平
撮影時は三野兄弟のスタイルでもあるんですけれども、役者が持ち込んできたものを尊重してくれるというところで、もう前作『老人ファーム』から引き続いてなんですけれども、「役として思ったことであるならば、躊躇せずに何でもやってください」というふうに、役者陣の演技を受け止めてくれるので、もう全力で挑んだ作品です。
MC:ムーディー勝山
どうですかこの完成した作品を観て、ご感想は。
半田周平
そうですね。当たり前のことなんですけど、自分の演技に関しては、もう今すぐ撮り直したいです(苦笑)
MC:ムーディー勝山
そうなんですね。納得できない思いがあるということですね。
半田周平
はい。ただ作品全体を観た感想は、また前作の話になりますけれども、『老人ファーム』では伝えきれなかったところを、この映画『鬼が笑う』…
3年ぐらいかかったんですけれども。ひとつ、形にすることができたかなというふうに、思います。
MC:ムーディー勝山
それでは、梅田さん、お願いいたします。
梅田誠弘
自分は『老人ファーム』を観させていただいて、すごく独特な空気感の作品を作られる方だなと思いました。今回も完成したものを拝見したら、その空気はより強くなってるんじゃないかなって思いました。あとは、作品の内容としては、ここまで権力を振りかざす人間が集まるっていうのはなかなかない世界ではあると思うんですけども、そういうときに、
どうすれば、どういう選択があればいいのかなというのはずっと作品を観てから考えています。
MC:ムーディー勝山
役作りでは苦労した点はなかったですか?
梅田誠弘
役作りは、Twitterで出ているんですけども、中国の方の役ということで、その辺は、監督からは「どういう感じでもいいよ」って言われたんですけど、一応普段からその中国の方で日本語がカタコトになっている感じ・そういうのをやって、ちょっと慣れて作っていきました。
三野龍一監督
詳細はパンフレットに書いてますので、ぜひ見てください。
MC:ムーディー勝山
パンフレットには事細かに書いてあるので、是非そちらの方も手に取っていただきたいんですけども、それでは岡田さん、よろしくお願いします。
岡田義徳
完成したものを観た時は、いい意味で古い日本映画の匂いというか、そういうものがすごくたくさん詰まっていて、かつメッセージもちゃんとみんなに、観ている人に届くような作品だなっていう印象でした。
役作りに関しては、どうやればみんなが、自分のことを腹立ててもらえるかというか、イラッとするかっていうことを常に考えてやってました。
MC:ムーディー勝山
なるほど。僕はあのイラっとさせていただきました。見てたらすごい難しそうな役でもあるんですよね。
岡田義徳
そうですかね、楽しくやらせてもらいました。
MC:ムーディー勝山
そうですかはい、すごいそちらの方も楽しみでございますけども、赤間さんはいかがだったでしょうか?
赤間麻里子
はい。完成したものを観るのは、客観的になかなか観られないものなんですけど、私は半田さんが演じた一馬の母親なんですが、こういう母の立場で何も救ってあげられなかったといういたたまれない気持ちでした。
MC:ムーディー勝山
そういう母親としての思いもあるということなんですね。
赤間麻里子
そういうふうに最後まで見てました。私も息子がいて、この台本をいただいたときに、なにか腑に落ちなくて、監督に初めてお会いした衣装合わせで、「こんなことってありますかね?これって成立しますか?」って言ったら、監督は元々眼光が鋭い方なんですけれども、「あります」とおっしゃって、「僕も似たようなことはありました」っておっしゃった、その一言で勇気をいただいて、「こういうこともあるんだ」と思ってやらせていただきました。
割と私はワーワー言っているんですけれども、どうしたらこの息子がいろんな選択をしていく中で、この選択をしなきゃいけなかったかっていう元凶にならなきゃいけないので、「何とか諦めてください、私の愛を」みたいな感じで、やってました。「諦めていただけないでしょうか」という気持ちでした。あと、隣にすごく毎日叫ばれるご老人がいらっしゃるので…。
MC:ムーディー勝山
それは実際に?
赤間麻里子
はい。そこも取り入れながら演じました。
MC:ムーディー勝山
大谷さんはいかがでしょうか?
大谷麻衣
はい。私は、半田さん演じる一馬の妹の成長したまどかを演じさせていただいたんですが、まどかのシーンは、一馬が決断するにあたりとても重要なシーンを担っていたのかなと、自分のことながら思うことがあって、その割にはすごくシーンが少ないので、そこと、こう、ギュッと濃縮するにはどうしたらいいかなと思ったんです。
そこで幼少期時代のシーンを見学させてもらおうと思ってお願いをして見学させていただいたんです。そうしたらなんと半田さんもいらっしゃって、兄弟2人で幼少期時代を見るという、パラレルワールドにいるようなすごい不思議な感じでした。2人で何度も止めに入ろうとしてしまうという…。
MC:ムーディー勝山
そんな気持ちになるんですか。
大谷麻衣
すごく不思議な感覚で、また完成した作品を観た時に、やはりその役柄の意思はあるんですけど、私としてはやっぱり「お兄ちゃんがこうならないために私は何かできたんじゃないか」っていうのは、観ながらもすごく思って、観た時にそういうふうに思ったから、「やっぱり私、一馬おにいちゃんのこと大好きだったんだな」って、やはり愛があるので、出番は少ないんですけど、どこかには何かそういうところも感じ感じとってもらえたら、兄弟が報われるかなと思いますね。
MC:ムーディー勝山
パンフレットを見ても、家族の1枚の写真があったりするんですけどね。観終わった後にその写真なんかもぜひ見てほしいんですよね。
それでは木ノ本さんお願い致します。
木ノ本嶺浩
はい。観終わった感想というのは、僕はそこまでたくさん出演しているわけではないんですけれども、「ちゃんと生きてんのか?」っていうのを問いただされているような印象を持ちました。「日々、のらりくらいと生きてるな、自分」と思って、そこにこの映画に出てくる登場人物たちが、何を背負って日々もがいてるのかっていう、そのメッセージを強く受けとったというのが印象的でした。
僕の演じた役は赤間さん演じる由紀子さんに「幸せですか?」と声をかけて、ちょっとどんないふうに見えているかわからないんですけど。信仰というところはある種、救いになるところもあったりするのかなあと思うので、そこで監督が「笑顔で人の話を聞くということがどれだけ救われるかっていうのを考えてみてください」とおっしゃったのが僕はすごくあの参考になりましたし、半田さんと相対した時には、そのまま一馬でいらしたので、言葉のやりとりを交わすだけで成立していったんじゃないかなというふうに感じました。
▼本作制作のきっかけ
MC:ムーディー勝山
すごい見どころばかりなんですけど、三野監督にうかがいます。
出演者の皆様から様々な感想を聞かれましたが、三野監督がこの映画を作ろうと思ったきっかけ、思いをお聞かせください。
三野龍一監督
そうですね。観る前に思いをいうのはちょっと嫌だなと思うんですよ、監督として。ですが僕にとっても観てくれる人・世の中にとっても、必要なものだと思ったから作りました。以上です。
▼怒りを込めてわらってやりたいこと
MC:ムーディー勝山
短いながらも、すごい思いがこもっていましたけども、ここで半田さん梅田さん岡田さんにお伺いいたします。
「本作は、『鬼が笑う』というタイトルで、現代日本の様々な社会問題を捉えています。あなたが鬼になったとして、今の世の中に対して皮肉や怒りを込めて笑ってやりたいことは何でしょうか?」
こんな質問が台本に書いてあるので、私が言ったわけではございません。
難しいですよね。
半田周平
めちゃくちゃ難しい。聞いても質問の意味がよくわかってないんですよね。
MC:ムーディー勝山
僕が芸人としてこの台本をもらったら、「この作家だれ?」って言いますね。
半田周平
そうですね。ムーディーさんが考えたことじゃないっておっしゃっていただけたんで、答えやすいんですけど。
「うーん…」と思いました。
お答えするとするならば…。鬼になろうが、人間だろうが、たどれば人間が鬼になるわけであって、自分ではない。
世の中で言うと、他者ですよね。それを笑うという時点で、負けていると思うんです。「私は別ですよ」っていう気持ちがあるから、笑えると思うんですよね。
だから、何が言いたいかっていうと、「笑う前に、鬼だったら戦いましょうよ」というところです。
MC:ムーディー勝山
いいですね、最高のコメントだと思います。梅田さんはいかがでしょうか?
梅田誠弘
世の中に怒りを感じることって、あるにはあると思うんですけど、自分の場合、卓球が好きなんですけど…。
MC:ムーディー勝山
そうらしいですね。後輩のよしもと芸人BKB(バイク川崎バイク)っていうのがいるんですけど、あれと親交があるみたいですね卓球で。
梅田誠弘
卓球仲間です。強いですよ。
MC:ムーディー勝山
BKBと?意外やな~。そうなんですか。
梅田誠弘
はい。勝ったりはしますけど。
MC:ムーディー勝山
BKBには負ける?
梅田誠弘
負けたり勝ったりしてますけど。
その卓球で、未だに卓球人からしか怒りは出せないと思うんですけど、卓球の強い球をいまだに世間はスマッシュで全部まとめられる節が多いんです。それはすごい怒りを感じています。
MC:ムーディー勝山
え、あれはスマッシュじゃないんですか?
梅田誠弘
そうじゃないんです。世間でスマッシュって思われてる8割ぐらいはドライブなんですよ。
MC:ムーディー勝山
あれはドライブなんですね。
梅田誠弘
そう、認識をしていただきたいなと思っていて。怒りの形相でちょっとあざ笑いたいと思っています。
MC:ムーディー勝山
そんなところに怒りを持っていたとは。失礼致しました。これからドライブと改めますのでよろしくお願いします。
さて、岡田さん、いかがでしょうか?
岡田義徳
要りますか?僕の答え。
MC:ムーディー勝山
そうですよね。答えにくいですよね。
岡田義徳
そうですね。鬼になって笑うとしたら、今の自分を笑えばいいかなと思ったりしますよ。いろんなことをやってきて、いろいろ悪いこともやってきたと思うし、いろいろ駄目なこともやっていくと思うから。
それを笑って、「だからお前、もっとこれからも努力しなきゃいけないんだぞ」ということで鬼になって自分を笑っていればいいのかなと思ったりします。
綺麗にまとめましたよ(笑)
MC:ムーディー勝山
ありがとうございます。さすがベテランでございます。皆様拍手をお願いいたします。
▼フォトセッション
MC:ムーディー勝山
それでは、これよりフォトセッションへと移りたいと思います。
フォトセッションのみ参加という形で、監督の弟で、本作の脚本を務めた三野和比古さんと、本作プロデューサーの三野博幸さんにも、本日、会場にお越しいただいております。
どうぞ壇上の場にお上がりください。
▼半田さんからのメッセージ
MC:ムーディー勝山
最後にお時間も迫っておりますので
最後に登壇者を代表して半田さんより、これから映画をご覧になる皆様へ一言頂戴したいと思います。
半田周平
さっき言葉が足りなかったんですけども、タイトルが『鬼が笑う』という点です。
「鬼だったら笑わずに戦いましょうよ」と言ったんですけれども、戦った後だからこそ、鬼も笑えるんだと思います。
ちょっとだけ補足させてください。
個人的なんですけども、ずっと応援してきてくれた父親が昨年他界しました。
この『鬼が笑う』は、昨年、SKIP映画祭という、映画祭に初めてピックアップしていただけたんですけれども、コロナの影響でオンライン開催だったんですね。それが9月25日だったんですけども。その前日にちょっと1日足りなくて、父は他界してしまいました。すごく楽しみにしてくれていたんですけども、間に合いませんでした。
でも今日こうやって、皆さんにお集まりいただけましたし、これからたくさんの方が劇場に足を運んでくださると思います。その皆さんと父親にこの映画を捧げたいと思います。
本当にありがとうございます。僕個人のこの作品にかけた思いとしては、なるべくスクリーンに没入して、皆さん、いろんなものを背負っておられると思いますけれども、没入して物語の世界に入っていただきたいと思います。なので、この舞台挨拶もですね、全て忘れていただきたい。
僕はいま髭を生やしているんですけれども、それも劇中の一馬と僕という人間を全く別人だと思っていただくために、生やしてきました。
そういう思いもありますので、ちょっと一旦、背負ってきたものを置いておいて、この映画の中から、新しい価値感といいますか、人生における、こういう生きることや死ぬことや善だとか悪だとか、「こういう捉え方もあるな」というふうなものをいっぱいいっぱいピックアップしていただいて、人間ドラマを心に焼き付けていただけたらと思います。
どうぞ映画『鬼が笑う』をお楽しみください。そして三野兄弟と、映画『鬼が笑う』を応援してください。よろしくお願いいたします。
■ 映画『鬼が笑う』作品概要
『鬼が笑う』
出演:半田周平 梅田誠弘 赤間麻里子 坂田聡 大谷麻衣 中藤契 大里菜桜 木ノ本嶺浩 / 岡田義徳
監督:三野龍一 脚本:三野和比古 プロデューサー:三野博幸
配給:ラビットハウス / ALPHA Entertainment / MINO Bros. 映倫 PG12
公式サイト:http://onigawarau.minobros.net
公式 twitter: @onigawarau #映画鬼が笑う
公式 Instagram : @onigawarau_movie
©2021 ALPHA Entertainment LLP 「鬼が笑う」
6月17日(金)よりテアトル新宿ほか 全国順次ロードショー