2025年3月15日(土)、池袋HUMAXシネマズにて、映画『ゆい』の上映と上映イベントが行われた。上映イベントのあと、舞台挨拶を終えたばかりの主演・鈴木心緒さんと、その父親役・宮迫博之さんに舞台挨拶を終えた感想と、撮影時のエピソード、そしてメッセージをお話しいただきました。

■ 映画『ゆい』主演・鈴木心緒 父親役・宮迫博之インタビュー。上映イベントを終えて
▼映画『ゆい』上映イベント舞台挨拶を終えての感想
ー: 舞台挨拶お疲れ様でした。舞台挨拶を終えられての率直な感想をお聞かせいただけますでしょうか。
鈴木心緒さん:
まず会場の広さに圧倒されました。入った瞬間に「私、ここで今日こんなに多くの皆さんの前でお話するんだ」と思ったら、すごく緊張してしまって…。
でも、ちゃんと自分が考えてることだったりとか思ってることを、足を運んでくださった皆様にお伝えできたかなと思います。

宮迫博之さん:
若いのにすごくしっかりした受け答えだったなっていうのが(劇中の)お父さん的にまず思いましたね。
鈴木心緒さん:裏話なんですけど、実は今日話すことをスマホのメモにめちゃくちゃメモっていました(笑)

宮迫博之さん:
(笑) あの緊張感がある中でメモったことをちゃんと自分の言葉で言えるってのは、本当にすごい才能だと思います。
僕も、久しぶりの感じの環境で、若干緊張はしてましたけど、演者のファンの方もたくさん来てくれていましたし、映画を一緒に観ていたんですけれども、観てくれた方の感情も伝わってきて、すごく感動しました。
事前にデータとして受け取った作品をスマホの小さな画面でみて泣いてしまったんですけれども、今日、映画館の大きなスクリーンでみなさんと観て、さらに泣けるというか、感動する素晴らしい作品であることをあらためて実感しました。
リアルな伝えたいメッセージのようなものが、今日来てくれた方々に伝わったのではないかと思います。
▼ふたりの撮影時の思い出
ー: ありがとうございます。それでは次に、映画の撮影時のエピソードについてお伺いします。特に印象に残っているシーン、エピソードがございましたら教えてください。
宮迫博之さん: はじめに両親が娘の病名を告知されて、その後で、娘が点滴をしながら座っているシーンがすごく難しくて…。
ショックを受けた両親が普通の態度で娘に接することができるのか…という。
そこで自分自身のことを思い返したんです。自分がスキルス性胃がんになった時に、奥さんやまわりの人たちが、こんな気分だったんだろうなって、いろいろなことが思い出されました。
泣きながら来る人なんて一人もいなくて。その経験があったから、娘の前では辛い顔は見せない父親の気持ちがすごく理解できたし、役作りで特に苦労したということはなかったです。本当に、あの時の周りのみんなに助けられたなと思っています。
それに、心緒さんの辛そうなお芝居がすごく上手だったから、その場にいる自分もお芝居に苦労することはなかったです。すごく自然にできた気がします。
鈴木心緒さん: 私が病室で寝ていて、「お父さん、来てたんだ…」といったシーンがあると思うんですけど、親の立場だったら入院している辛そうな娘を見て、本当に苦しいと思うし、それでも気丈に振る舞うお父さんの姿は、私もすごく切ない気持ちになりました。
それでも笑わせようとしたり、元気づけてくれる言葉を伝えてくれる宮迫さんの姿が素敵で、ご一緒できてよかったなと思っています。

宮迫博之さん: 僕がスキルス性胃がんになった時に、いろんな芸人さんとか友達が面会に来てくれたんです。スキルス性胃がんって、見つかるのが遅いと亡くなる確率が高い病気だから、おそらく、会いに来てくれた段階では、もう手遅れなのかもしれないという思いで接してくれていたんだと思うんです。
みんながね、笑かしてくれようとするんですよ。
その姿をみているから、その時に観たときのことを劇中では自分でやらせてもらっているんです。
鈴木心緒さん:そういう背景があったんですね。
宮迫博之さん: 面会時に泣きながら来る人はいなかったからね。僕には芸人やその仲間が多いからね。やっぱり笑わせに来るんです。それをみているのもあって、あのシーンでのお芝居につながっています。
鈴木心緒さん: 切なくもあり、“うれしい”というと違うのかもしれませんが、すごく胸に来るものがありました。

宮迫博之さん: みんなには、自分のことを思ってくれている人のためにも頑張ろうって、生きようって思う力をもらえました。
▼映画『ゆい』を広めたい、大切なことを知ってほしい
宮迫博之さん: 今後の具体的な上映スケジュールは、まだ決まっていないのですが、この作品を広めるべきだし、本当に多くの方に観ていただきたいと思っています。僕をはじめ、演者の人たちはSNSをやってますし、そこで発信させてもらっていますし、みんなで力を合わせて広めていければと思っています。
広く知っていただければ、何かが動くかもしれないと信じています。特に、映画の最後にもメッセージがありますが、若者の献血者数が減ってしまっているというのは、日本という国としても危惧すべきことだと思うので、この映画を見てくれた若者が何かを感じて、献血だったり、ドナー登録だったり、本当に些細なことでもいいから、行動してくれる人が増えたら嬉しいです。
鈴木心緒さん: この映画が伝えたいことって、たいそうなことじゃなくても、自分にできることはすぐ近くにあるんだということだと思うんです。それこそ献血だったり、ドナー登録だったり、たくさんあると思うので。そういうところで、20代の私たち自身や若い世代が、献血とか骨髄移植の提供者の減少といった現状に対して、自覚を持って発信していけたらいいなと思っています。みんなで協力して、できることをやっていきたいです。

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映画『ゆい』
【出演者】
・くるる:鈴木 心緒
(女優/フジテレビ『オールナイトフジコ』レギュラー出演)
・くるるの母 京子:東山 麻美
・くるるの父 正彦:宮迫 博之
・看護師 香織:高梨 優佳
(俳優/映画「ラスト17デー」主演/元JELLY専属モデル)
・紗希:木村 彩音
(俳優/ 演技を中心に映画・縦型ドラマを中心に活躍)
・杏奈:枡田屋 汐里
(TikTokフォロワー3万人)
・院長先生: 山下 ケイジ
・くるるの担任::鈴木 大二郎
(Youtube登録者80万人)
・乃木先生::土井 康平
(TikTokフォロワー30万人)
・入院患者::町田 くるる
【監督】
・寺本 勇也
【プロデューサー/脚本】
・土井康平
公式SNS(X) https://x.com/yui__movie
