3月16日(日)、映画『STEP OUT にーにーのニライカナイ』の公開を記念した舞台挨拶が新宿ピカデリーにて開催されました。イベントには、本作で映画初となるシングルマザー役を演じた仲間由紀恵さん、音楽プロデューサー・HIROKI役の橘ケンチ(EXILE)さん、そして堤幸彦監督が登壇し、満席の会場を盛り上げた。

舞台挨拶は、仲間由紀恵さん、橘ケンチさん、堤幸彦監督の3名が盛大な拍手の中迎えられました。
まず、仲間さんは、悪天候の中、朝早くから劇場に足を運んでくれた観客への感謝を述べました。14日からの全国公開を心待ちにしていた喜びを語り、「短い時間ではありますが、最後までよろしくお願いいたします」とあいさつ。

橘さんは、自身が演じた弘樹役について、1年以上前の思い出が蘇ると語り、このメンバーと話せる今日を楽しみにしていました。最後に「最後までよろしくお願いします」と締めくくった。

堤監督は、沖縄でのロケ、特に沖縄市のコザという風景をメインに撮影したことを明かし、このような作品になったことへの喜びを語りました。そして、「朝早くからご覧いただきまして本当にありがとうございます。最後まで楽しんでてください」と観客にメッセージを送った。

全国公開を迎えた心境について、司会者から質問が及ぶと、橘さんは、監督との久しぶりの仕事が楽しい現場であり、全編沖縄ロケで沖縄の魅力が詰まった作品だと語りました。沖縄関連の仕事が増えていることにも触れ、「沖縄がふんだんに詰まった作品だと思います」と述べました。堤監督は、「もうそれをずっと待ってたわけですから。嬉しいですね」と感慨深く語り、20代の頃から通っていた沖縄で、ごく自然な気持ちで作品を作れたのは初めての経験だと明かしました。そして、「本当にたくさんの人にあの1人で見ていただきたいなと思います」と熱い思いを語りました。

撮影現場の雰囲気について、仲間さんは、堤監督への信頼から全く不安はなく、現場はテンポよく進み、監督の指示も明確で、沖縄の空気を楽しみながら順調に進んだと振り返りました。差し入れの話題では、仲間さんが地元の好きなものをスタッフと共有したかったと語り、白バラのケーキやマチンツなどを差し入れたエピソードを披露しました。
長年、仲間さんと仕事をしてきた堤監督は、彼女の役者としての魅力を、「沖縄ご出身の持つあの魅力、それから地に足のついた感じ」と表現し、今回のシングルマザーという役柄に仲間さんが必要だったと語りました。一方、仲間さんは、初のシングルマザー役について、子育ての経験から大変さは想像できるものの、一人で二人の子供の人生に責任を持つプレッシャーを感じたと語りました。役作りでは、生活に疲れた感じを出すために髪を染めたり、ネイルが伸びたままの感じを意識したり、子供たちを育てる不器用な母親を意識して演じたことを明かしました。
全編沖縄ロケであり、ダンスが重要な要素となる本作について、橘さんは、自身以外が沖縄出身のキャストだったことに触れ、子供たちのダンスシーンを見て親心のようなものが芽生え、感動したと語りました。仲間さんは、スタッフの多くが地元沖縄の方だったことで安心感があり、沖縄のスタッフと話すことで自身の空気も沖縄に蘇り、役作りに役立ったと語りました。方言の違いによる苦労もあったことも明かしました。
映画タイトルにもなっている「ニライカナイ=理想郷」について、仲間さんは、子育てと仕事を両立できている今の状況が幸せな場所だと語りました。橘さんは、日々の活動拠点であるリハーサルスタジオが自身の原点であり、「ある意味映画『STEP OUT にーにーのニライカナイ』かなという気がしてます」と語り、映画の出発点が沖縄の小さなダンススタジオだったことに触れました。堤監督は、観客の顔を見ているこの状況がいつもやりたいことであり、到達したい場所だと述べました。
「STEP OUT=殻を破る、一歩踏み出す」というタイトルにちなみ、不安を乗り越えるために必要なことを問われると、堤監督は「TAKE IT EASY!」とフリップに書き、「あまり深く考えず、人生を何度でもやり直せるってのが僕が好きな今思う言葉です」と語った。

仲間さんは「ご飯」と書き、「周りの人たちにもう少し広い視野を持って周りを見てみれば助けてくれる人達ってやっぱりいて、その人たちの存在を感じることができれば自分だけじゃないって思える。そのためにはやっぱりご飯を食べて元気を出す」と、自身の経験を踏まえて語りました。

橘さんは「一歩ずつ前進」と書き、「不安な時ってこう一気にこう取り返したくなったりとか大逆転狙ったりしたくなるような気持ちは僕もすごくよくわかるんですけど、それでこう一歩ずつ全身、またそれを継続して続けていくことでいつかまた大きなね、幸運が降ってきたりとかそういうことの、僕も連続だったので、こういうことかなと思います」と、日々の積み重ねの大切さを語りました。

最後に、堤監督は、エンターテイメントの中に自身の沖縄への思いも込めたこと、多くのスタッフとキャストと共に作り上げた作品であること、そして多くの人に広めてほしいと呼びかけました。橘さんは、自身のダンス経験と共感できる部分が多く、夢を追う人たちや家族の絆を描いた感動的な映画だとアピールしました。仲間さんは、沖縄出身として沖縄を舞台にした映画に出演する夢が叶ったことへの感謝を述べ、「この映画を見て、自分らしいニライカナイ、自分のこれからの夢、これからの将来も是非、明るく前向きに考えていただけるそんなきっかけになる映画だと思います」とメッセージを送りました。
舞台挨拶の最後には、マスコミ向けのフォトセッションが行われ、和やかな雰囲気の中、イベントは幕を閉じました。映画『STEP OUT にーにーのニライカナイ』は、新宿ピカデリー他にて全国公開中。


映画『STEP OUT にーにーのニライカナイ』
<STORY>
母親の朱音(仲間由紀恵)と妹の舞(又吉伶音)と3人で暮らす照屋踊(てるや・よう/Soul)。踊が3歳の時に父親 は家を出たため、母親は昼と夜の仕事を掛け持ちし、不在がちな母親に代わって口数が少ない妹の世話をする 日々を送っていた。ある日、ダンススクールで出会ったリサ(伊波れいり)に憧れ、ダンスを習い始めることに。 やがて踊は躍動感のあるダンスで才能を開花し、リサとペアを組むまでに。そん
な中、朱音の家を訪ねてきた男 が、家から出るところを目撃してしまった踊。その男は、ダンスオーディションを沖縄で開催し、合格したメンバーを東京でデビューさせるとテレビで発表した沖縄出身の音楽プロデューサーの HIROKI(橘ケンチ)だった…。 リサに誘われ、ダンスオーディションにペアで出場することになり、練習に励む踊。 リサの家でダンスの練習をし、共に過ごす時間が増えていく中で、東京へ行って活躍することを夢見るリサに影 響を受けるように。そんな中、踊がリサ達とキャンプに出掛けたある日、舞が行方不明になったと母親から連絡 を受け、地元に戻り舞を捜すと、舞は以前、道で倒れているところを助けたシーサー職人のおじいさんの家にお り、踊の不在を悲しがっていたことを聞かされる。 憧れのリサと共にダンサーになる夢を追いかけ、沖縄を離れるのか、それとも沖縄での暮らしを大事にしながら 家族と一緒にいるのか。踊が自分と向き合って選んだニライカナイ=理想郷とは…。
<クレジット>
出演:仲間由紀恵
Soul 又吉伶音 伊波れいり 松田るか 津波竜斗 内田樹 盧礼欧 玉城敦子 城間やよい
津嘉山正種 橘ケンチ(EXILE)
監督:堤幸彦 共同監督:平一紘 脚本:谷口純一郎 ダンス振付:YUKI(Sound Cream Steppers)
配給:ギャガ 配給協力:大手広告
製作委員会:フェローズ VAP YOUR FACE CLINIC 大手広告大阪本社 BS-TBS 沖縄テレビ放送
制作プロダクション:PROJECT9 制作協力:オフィスクレッシェンド
公式ホームページ:https://gaga.ne.jp/stepout/
コピーライト:©「STEP OUT」製作委員会
3月14日(金)新宿ピカデリー他にて全国公開
