「可能性は無限大」映画『ファーストミッション』が経験やチャレンジする場になってくれたら

「可能性は無限大」映画『ファーストミッション』が経験やチャレンジする場になってくれたら

5月27日(金)、池袋HUMAXシネマズにて、映画『ファーストミッション』が追加上映として再開。6月2日(木)まで上映される。追加上映初日には、本作に関わる6人のスタッフ・演者が登壇。一問一答コーナーとして2つのお題に対してそれぞれが回答し、シアター内を盛り上げた。
登壇者は、企画・脚本・総合監督、また本作の主人公・兄として出演するハヤテ、主人公・妹役の小玉百夏、アクティング監督・脚本協力の中山剛平、本作プロデューサーの川口貴弘。そして、主人公・兄妹の敵役ビルスを演じる一般社団法人脳フェス実行委員会代表理事・小林純也が登壇、司会を務めた。

ファーストミッション

■ 映画『ファーストミッション』追加上映初日トークセッション

▼あいさつ、自己紹介

司会:小林純也(ビルス役。一般社団法人脳フェス実行委員会代表理事)
トークセッションの司会を務めさせていただきます、ビルス役の小林純也ですよろしくお願いします。
今日は、計6名のファーストミッションスタッフ・演者たちの皆さんとトークショーをお届けさせていただければと思っております。
まずは軽く自己紹介と役柄を話していただけるとありがたいんですけれども、ハヤテ監督からお願いします。

ファーストミッション
司会:小林純也

ハヤテ(廣瀬青 役。企画・脚本・総合監督
今回、企画・演出しましたとハヤテと申します。今回はありがとうございます。

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ハヤテ

小玉百夏(廣瀬佳 役)
姫ちゃん役の小玉百夏です。ありがとうございました。

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中山剛平監督(アクティング監督・脚本協力)
アクティング監督をしました中山です。ありがとうございました。

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中山剛平監督

大仏見富士(インディ 役)
インディ役の大仏見と申します。よろしくお願いします。

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大仏見富士

川口貴弘(バディ河田 役。本作プロデューサー)
バディ河田とプロデューサーの川口です。ありがとうございます。

ファーストミッション
川口貴弘

■一問一答コーナー「キャスト・スタッフの皆さんがここを見てほしいシーンと、その理由」

司会:小林純也
この映画を観た時の一問一答コーナーを開いて、その中で皆さんにファーストミッションのことを深く知ってもらおうと思います。
登壇者の皆さんにはスケッチブックとマジックを用意していただいてるので質問に答えていただくという形をとらせていただきます。
質問「皆さんがここを見てほしいよっていうシーンと、その理由は?」

▼「女子同士の戦い」

小玉百夏
「女子同士の戦い」です。嫌でも目に入ると思うんですけれども。

ファーストミッション

ハヤテ
確かに、クオリティが高いですよね。

小玉百夏
ちゃんとアクションをやってきた人ばかりですからね。特に女子たちは。

ハヤテ
伊澤彩織さんと百夏ちゃんのアクションシーンは、もう安定でしかなかったですからね。

小玉百夏
私は全然練習できなくて。

ハヤテ
あれは僕と三元雅芸さんというアクション俳優がお互いに、百夏ちゃんには僕がつけて、伊澤さんへは三元さんがつけるっていう感じで、仮想対決をしようといってつくったら超難しくなっちゃって、「これできるのか?」って言ったら、それを見事にこなしてくれたっていう。

司会:小林純也
「これできんのか?」ぐらいまで難しいのをつくっちゃったんだ。

ハヤテ
手だけをやるのは簡単なんですけど、「表現まで落とし込めるかな…」みたいな話をしてたんですよね。

小玉百夏
ハヤテさんの古式剛柔流空手の振り付けだったんですよね。あの動きはやったことがなかったです。初めてやりました。

ハヤテ
「難しい」って言ってましたもんね。よくやりましたね。「意味が細かい」って言ってましたもんね。

小玉百夏
はい、全部意味があるんで。

司会:小林純也
その“意味”っていうのは、わかりやすく伝えるとどんな感じになるんでしょうか?

ハヤテ
最初は斬っているんだけど斬れないで。刺してくるからそれをかわして…みたいな、刺しを誘って次は何か接戦に持ち込んでといった「感情の変化をちゃんとつくってください」と伝えていました。
手と手が絡んでいるときから、離れる瞬間があるんですけど、あれは斬っているんですよ。そういうのを丁寧にやらないと、ただやっているだけになってしまうので。

司会:小林純也
この話を聞いたらもう1回観てみたくなりますね。

▼「5回股間」

インディ
僕は、「5回股間」ですね。その5回のシーンで、かすかに“キーン☆”と音がするんです。
それって実はインディー(インディ・ジョーンズ)でおなじみなんですけど、股間をやられてる(金的されている)んですよ。あの“キーン☆”と音がして股間をやられる人は、全部僕なんです。

ファーストミッション

小玉百夏
股間担当(笑)

インディ
あの“キーン☆”は全部、僕の股間が砕けていました。

▼「夕陽」

司会:小林純也
では次は監督、お願いします。

中山剛平監督
はい僕は、“夕陽”です。これは夕景のことなんですけれども、ラストシーン近くで、この映画は夕陽が象徴的に扱われているシーンがあると思うんですけれども。最後の引き画も相まって、あのカットに全てが集約されていくような、編集になっているというか、それがすごく僕は、あのシーンが来るとぐっときます。そういうものが差し込めて良かったなと思ってます。

ファーストミッション

司会:小林純也
続いては、川口さん、お願いします。

▼“ハヤテさん。すべての行動、まなざし、演技”

川口貴弘
僕はですね。“ハヤテさん。すべての行動、まなざし、演技”です。
僕、ハマっちゃったんですよ。ハヤテさんの演技に。僕もずっと演技をやっているんですけど、彼のめちゃくちゃな部分なんですが、演技で成立させるのってなかなか難しいんです。付き合うにつれて、あれが素だということに気付きました。

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小玉百夏
そう、本当に変態。

司会:小林純也
いい意味でね(笑)
これは最終日かな。ある監督が来てくださって、ハヤテさんの評価として、「ああいうめちゃくちゃな愛を持った人は必要だ。」とおっしゃっていました。

▼「兄の愛」

ハヤテ
僕が思う見どころも、“兄の愛”で、一緒でした。ある意味、変態性を見て欲しいっていう。

ファーストミッション

司会:小林純也
あれが変態性だってわかっているんだね。

ハヤテ
そうですね。でもあの変態が成立するのってみんなで作ってるからなんですよ。僕だけでやってしまうとただの変態なんですけど。映画全体としてそれが成立するように、みんなが同じ方向を向いているんで、観ていられるという。
ちなみにジュンジュンが一番印象に残っているところは?

▼「車いすあるある」

司会:小林純也
僕の一番印象に残った部分は、中嶋涼子さんが置いてかれるシーンです。それって、“車いすあるある”なんですよ。車いすを押してもらっていたけど、盛り上がった時にそのまま置いて行かれちゃうっていう。それがそのまま生かされてるのが嬉しかったです。それを提案してくれたのはカメラマンなんです。

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ハヤテ
それが神田創さんという、大河ドラマの『鎌倉殿の13人』を撮影している方で、『ファーストミッション』も撮ってくれているカメラマンなんです。
その人の提案で、「こういうショットを入れたい」っていうのがありました。あれだけ台本に書いてないんですよね。

司会:小林純也
それが涼子さんとの雑談で、神田さんが、そういうこと(置いてかれること)ない?」って言ったらしいんですね。それで涼子さんが「置いてかれちゃうことってよくあるんですよ」っていった流れがバラエティー要素として入ってるっていうのは、今までの映画であまりないと思うんですよね。そういう部分をバラエティに振っていくって。そこが『ファーストミッション』の垣根がない感じだなと思っています。

■一問一答コーナー「一番これはヤバかったな」の話

司会:小林純也
そんなエピソード満載の『ファーストミッション』なんですけど、「一番これはヤバかった」っていうのをきいてみたいと思います。

ハヤテ
僕はヤバイことだらけだったからね。

司会:小林純也
じゃぁ、聞き役にまわる?でも俺はハヤテの思っているヤバかったっていうのも聞いてみたいね。

ハヤテ
僕は(撮影が)4日間になっちゃった件だね。前代未聞。ヤバかったですね。

司会:小林純也
本当は8日間で撮影だったんですよ。

ハヤテ
めちゃめちゃ丁寧に香盤を組んで、この撮影は8日間で出来るだろうと思ったら4日になったんだよね。

司会:小林純也
詰みましたよね。あの時の顔、引き攣ってましたよね。

ハヤテ
こう見えて計算するタイプなんですよ。計算できたことしかやらないタイプなんですけど、僕の中でもう無理っていう計算が立っちゃったんで、でもそれを超えて4日で撮れたことが良かったです。びっくりしました。終わったとおもっていたら奇跡がおきました。
ジュンジュンもね、本人的に奇跡をなかなか起こしてるよね。

司会:小林純也
僕、元々ね、片麻痺だったからっていうところもあるので。
片麻痺ってみなさんご存じですか?
片麻痺っていうのはですね、脳梗塞とか脳卒中っていう病気でからだの半身が動かなくなることを言うんです。僕は実際に脳卒中当事者なんです。彼とは16年間の付き合いがあって、もっと手足が動かなくて、足をぶん回してリハビリしてる施設からの付き合いなんです。
ビルスがずっと右足引きずってるのは、僕が普通に歩くと足を引きずるんですけれども、それが疲れきったことによって余計引きずってみえるんです。

ハヤテ
普通は歩けるんだけど、撮影が長くなると歩けなくなってしまうんですよね。劇中で「足を怪我させよう」とか「神輿に乗せてしまおう」とかは、彼のあて書きなんです。
元々彼はボクサーを目指しててね、片麻痺もかなり解消して、僕とスパーができるくらいに回復したんですけど。だけどその影があるから出られないといって、そこから医学療法士になったんですよね。そこから、「脳卒中フェスティバル」っていうイベントをやって、いろいろあって、コラボしたという。
そのチャレンジの一環として、脳卒中を患った方でも可能性は無限大ということで映画を作ろうっていうのがつながってくるんですよ。なかなかぶっ飛んでますよね。

司会:小林純也
確認だけど褒めてるよね?(笑)

▼「撮影直前に捻挫」

小玉百夏
「さつえい直前にねんざ」です。

ファーストミッション

ハヤテ
やばかったっすね~

小玉百夏
しかも、しょうもないのが、ブルー・トルネード・スピンか何かで捻挫したんですよね。こんなところで捻挫するんだと思いました。
逆に簡単な技だから、気抜いてたかもしれないです。
でもそのときの皆さんのもうサポートが半端じゃなかったです。

ハヤテ
プロがいますしね。

小玉百夏
みんながワーッと来て、ワーッて靴脱がして、バーッて包帯巻いてくれて。

司会:小林純也
最初、場が凍ったもんね。百夏さんが壊れちゃったらこれで終了ですからね。
続いては川口さん、よろしいですか。

▼「今までで一番過酷な現場」

川口貴弘
今までで一番過酷な現場。全体を通してなんですけど。
これまでずっと俳優をやってきて、この現場ほど過酷な現場はなくて、緊急事態宣言で4日になっちゃったっていうのもすごい影響してるんですけど、あの物量を撮るって相当じゃないですか。みんな3,4倍ぐらいの力を発揮していたと思うんです。
僕、普段便通がすごくいいんですけど、切れ痔になりまして。朝、便座で血がトボドボ出ていて、本当にショッキングでした。それぐらい過酷でしたが、もうどの現場行っても大丈夫かなと思いますね。

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司会:小林純也
続いて、中山監督。

▼「素材がない」

中山剛平監督
僕は、「素材がない」。ポスプロの話なんですけど、撮影はなんとかやったんですけどっていうぐらい素材が足りなかったんですよ。ただ、今考えるともうこれでしかないんですけど、繋げてみると、「あ~…」ってなりました。
僕たち、ハヤテさんと一緒に集まって、素材の隅から隅まで何回もみて、使えるカットがないか探したんです。そうしたら成立して、面白い映画になったっていうのは、僕の一つの成功体験になりました。

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▼「小林純也、男泣き」

司会:小林純也
最後はインディさん。

インディ
私はですね、「小林純也、男泣き」
これはなにかっていうと、撮影初日に、「夕方でもう撮れない」ってなった時に、ちょうどみんなが集まっていたんです。「どうやら緊急事態宣言出るみたいだ」っていう。「とてもじゃないけど、撮影を続けられない。どうする?」ってなって輪になったんです。
出演者がみんな暗い顔で、「もうやりきるでしょ?」っていう気持ちがみんなにあったんですけど、みんな医療従事者に対して、気を遣っていたんですよね。
そんなときにふと横を見たら、小林さんが泣いていたんですよね。

ファーストミッション

ハヤテ
(小林さんをマネて)「こういう経験はないと思うんです。絶対に成功させたいと思っています。」

インディ
僕はこのとき、「みんなどんな顔するんだろう」と思って、長野じゅりあさんと絢寧さんをみたら…
「おっさんが泣いてる…」っていう顔をしていました。

■ハヤテ監督から、『ファーストミッション』の夢

司会:小林純也
さあ『ファーストミッション』ですけど、これからどうなっていくのか、ハヤテ監督から、『ファーストミッション』の夢を聞きたいなと思っています。

ハヤテ
『ファーストミッション』は“映画館を元気にしたい”という企画で、映画館に映像使用料は無料という形でやっています。
脳卒中の方々の団体に寄付という話になっています。なるべく広まって欲しいという意図は、そういった方たちが、「可能性は無限大」ってことを映像で観て欲しいっていうのが第一にあります。
そして、劇場に車いすの人が来たときに、なるべくケアして欲しいって話を映画館にしています。それもやってみないとわからないことも結構あって、今回、車いすも結構通れて、シアター内のセンターに座れたところもあります。
そういう経験とかチャレンジになる場になってほしいので、そんな形で世の中に広まってほしいなと思っています。これを観るにあたって比例して、今までできないと思ったことが、意外とやってみたらできたとか、劇場のアプローチはこうしたらできるとか、広まっていってくれるとその垣根も僕らが知らないだけなので、フォローし合って、映画館の方でも垣根が減ってくれたら嬉しいなと思っています。
それが私の夢です。今日はありがとうございます。

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作品情報

映画『ファーストミッション』

出演者
小玉百夏/ハヤテ/
津枝しんぺい/長野じゅりあ
小林純也/中嶋涼子/川口貴弘/関田安明/伊澤彩織/絢寧

スタッフ

総監督 HAYATE
脚本 HAYATE
アクティング監督 中山剛平
アクション監督 雲雀大輔
撮影 神田創
照明 丸山和志
録音 古茂田耕吉
美術・メイク・衣装 鈴木貴代
音楽 原夕輝
編集 中山剛平 神田創 雲雀大輔 HAYATE
企画 HAYATE 小林純也(脳卒中フェスティバル)

2022 年製作/82 分/日本/Ⓒ2022 疾風企画/ファーストミッション実行委員会
再生形式 DCP/映倫 123420

公式サイト: https://www.hayate510ms.jp/first-mission/
公式Twitter: https://twitter.com/firstmission_hn
公式instagram: https://www.instagram.com/firstmission_hn/

池袋HUMAXシネマにて追加上映、5/27(金)~6/2(木)

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