2025年1月21日(火)、墨田区菊川にあるミニシアター「Stranger」にて、2月1日(土)より全国順次公開予定の映画『August My Heaven』の特別試写会が行われ、上映後に工藤梨穂監督が舞台挨拶に登壇した。
■ 映画『August My Heaven』
真夏の京都の地で撮影された本作は、“誰かを演じる”ことによって運命的に交錯する男女三人の巡 り合わせの旅を描く工藤梨穂監督のRoadstead オリジナル映画作品である。
若手のキャスト・スタッフが結集し、 ここに新たな青春映画が生まれた。
主演を務めるのは『オーファンズ・ブルース』以来、 工藤と再タッグを組む村上由規乃。 男二人の 旧友“いづみ”になりすます代理出席屋の女 城野譲役を演じる。 譲に思いを寄せる中華料理屋の 男・三枝南平役には『裸足で鳴らしてみせろ』 の諏訪珠理。 そして、長い失踪から突然帰還した南 平の親友 長谷薫役に 『PLASTIC』 の藤江琢磨が名を連ねた。
そのほか、長谷川七虹、 山崎龍吾、 西出明、 鈴木卓爾が脇を固めている。
さらにシンガーソングライターのsomaが音楽を担当。 工藤の前作 『裸足で鳴らしてみせろ』での 制作を経て、 再びsomaによって手掛けられた本作の映画音楽は繊細かつ大胆に彼らの出会いと旅 を彩る。
『オーガスト・マイ・ヘヴン』は、自らの肉体を持ちながら自分ではない何者かになる “演じる”と いう行為へ、そして関係性を演じる中で積み重ねられる“時間” という事実ヘアプローチをかけなが ら、人と人が共に在ることへのかけがえのなさを映し出した意欲作となっている。
▼試写会 上映後あいさつ
工藤監督は、本作が「人間3人が工作していく映画」という構想から始まったこと、そして「嘘を介して出会ったとしても、寄り添える関係性に発展できるかもしれないという出会いの可能性を描きたかった」と製作の背景を語った。 また、「素晴らしい俳優陣の魅力が伝わる作品になっていれば嬉しい」と、主演の村上由規乃、諏訪珠理、藤江琢磨らキャストへの称賛を惜しまなかった。
上映後には、観客からの質疑応答の時間が設けられた。印象的だったのは、映画の中で多用される縦と横のカメラワークに関する質問だ。ある観客は「スピード感を感じさせるような、ローラーで撮影したような印象を受けた」と感想を述べ、限られた予算の中でどのように撮影されたのかを尋ねた。 これに対し工藤監督は、「スピードの中にいる人たちの切ない時間の感覚を表現したかった」と語り、スケートボードを用いた撮影の苦労を明かした。特に「スケートボードに乗った俳優を捉えるのが大変で、撮影者と速度を合わせるのに苦労した」と振り返った。
本作は、“誰かを演じる”ことによって運命的に交錯する男女3人の奇妙な人間関係を描いたロードムービーだ。 主人公の城野譲は代理出席屋として生計を立てており、依頼人の友人などを演じて様々な場所に赴く。 ある日、譲は仕事で訪れた葬儀場で、夢で見たことのある男・長谷薫と出会う。 偶然にも薫は、譲が思いを寄せる中華料理屋の店員・三枝南平の5年間行方不明だった親友だった。 薫は南平に「恩師の葬儀で旧友の“いづみ”に再会した」と告げるが、そこに現れた“いづみ”は、譲が演じていた別人だったのだ。
「Roadstead」という新しいプラットフォームで製作された本作について、工藤監督は「作り手のことを思って企画を出してくれていると感じた」と、その意義を語った。 若手キャスト・スタッフが集結し、真夏の京都で撮影された本作は、演じること、そして共に過ごす時間を通して、人と人が共に在ることの尊さを描き出す意欲作となっている。
2月1日(土)からの全国公開に期待が高まる。
映画『August My Heaven』
CAST
・村上由規乃: 城野 譲 ・諏訪珠理 三枝南平 ・藤江琢磨 長谷薫 長谷川七虹: 佳那
山崎龍吾 理 西出明: 中華料理屋の客 ・鈴木卓爾: 中華料理屋の常連客
STAFF
エグセクティブプロデューサー:川村 岬、 山本正典
プロデューサー: 岡本英之、 山口 永、 工藤梨穂
アソシエイトプロデューサー:小林一尚、 笹木喜絵、 小池由香里、小島秀樹
ラインプロデューサー: 村田 潤
音楽: soma 撮影: 谷村咲貴 照明: 大崎 和 音響: 岩崎敢志 美術: 柳 芽似 スタイリスト:松井弥樹
編集: 佐古瑞季
助監督: 栗原 翔
撮影助手: 山岸俊哉
照明助手: 飯島達都
演出応援: 小森ちひろ
制作応援 内田 新
ビジュアルデザイン:山根佐保
ビジュアルスチール:熊谷直子
2月1日(土)より全国順次公開