1月10日(金)、アップリンク吉祥寺にて、映画「憧れdoll」の初日舞台挨拶が行われた。上映後のトークイベントには、本作の監督であり主人公を務めたみやび、W主演の秋田ようこ、大門嵩、浅森夕紀子、高木公佑、髙田百葉が登壇。満席の観客から温かい拍手で迎えられた。 司会はみやびが務め、和やかな雰囲気でイベントは進行した。
■ 映画「憧れdoll」
脚本も書いたことがない、
映画制作も編集も何もかも未経験の俳優みやびが
一念発起し、たった4名のスタッフと共に創り上げた
『憧れdoll』
HSP 傾向があり他者との心の境界線の薄い主人公が、
ひょんなことから歪んだ憧れの対象となってしまう本作
は各地の映画祭において異彩を放ち
「まるで監督の執念が蔓延っているようだ」と評された。
劣等感、歪んだ愛情、執着…
それら現代社会に沈殿する病のようなものを、
ふたりの女性視点で炙り出す問題作。
※ HSP(ハイリーセンシティブパーソン/通称:繊細さん):「生まれつき非常に感受性が強く敏感な気質を持った人」の意
▼STORY
花屋で働く茜(みやび)は報われない恋の傷心から抜け出せずにいた。
元彼との思い出の品たちをフリマアプリで処分し
気持ちも新たに前に進もうとする茜。
そんなある日、バイト先の花屋に尚美(秋田ようこ)が現れる。
何かと共通点の多い二人はすぐに意気投合し交流を深めていくが、
次第に尚美の言動に疑念を覚えていき…
ーー現代ならではの危険な出会い。
愛情とも友情とも違う「憧れ」という感情の成れの果てに
茜を待ち受ける運命とは?
HSP(通称 繊細さん)気質をもつみやびが、自身の日々の生活や
実体験を元に書き下ろした 儚く切ない“新感覚”サイコスリラー。
▼初日舞台挨拶 上映後トークイベント
「憧れdoll」は、第22回中之島映画祭グランプリ、第16回日本映像グランプリグランプリなど数々の賞を受賞し、各地の映画祭で高い評価を受けている作品。 監督のみやびにとっては、本作が映画初監督作品となる。 脚本も書いたことがなく、映画制作も編集も未経験の中、わずか4名のスタッフと共に映画を完成させた。
本作は、HSP傾向があり他者との心の境界線が薄い主人公が、歪んだ憧れの対象となってしまう物語。 みやび自身の経験やアイデンティティーを作品に活かしたいという思いから、独学で映画製作に挑んだ。
舞台挨拶では、キャスト陣が撮影の裏話を披露。特に印象的だったのは、秋田ようこが演じた青木尚美役について、監督であるみやびが、園田新監督の映画「DISTANCE」での秋田の演技に惚れ込み、熱烈なオファーをしたというエピソードだ。 当時、みやびは予算やスタッフも未定の状態だったが、どうしても秋田に尚美を演じてほしいという強い思いから、SNSで秋田をフォローし、毎日「いいね」を押していたという。 後日、正式に事務所を通してオファーを受けた秋田は、その熱意に心を打たれたと語った。
大門嵩は、自身が演じた小山淳平という役が白米好きという設定だったことが、出演を決めた決め手だったと明かした。 また、撮影中に印象に残っていることとして、何度も繰り返した焼肉ファイヤーについて挙げた。
浅森夕紀子は、吉祥寺を舞台にした本作への思い入れを語り、メインロケ地となった吉祥寺で上映できた喜びを語った。 また、撮影で印象的だったのは、自身が演じる百合子がサンダルで登場するシーン。 当時、12月という寒さの中、浅森はサンダルでの撮影に挑んだ。 監督は、その姿を見て足元のカットを多く撮影することを決めたという。
高木公佑は、普段は公務員や優しい父親役を演じることが多いが、本作ではゲスな高校教師役という、自身にとってチャレンジングな役どころに挑戦した。
髙田百葉は、本作が演技未経験での映画初出演だった。 監督の熱烈なオファーを受け、不安を抱えながらも撮影に臨んだが、キャストやスタッフのサポートのおかげで、無事に演じきることができたと感謝の気持ちを述べた。
撮影中の苦労話として、みやびは、撮影期間中に自身がコロナウイルスに感染してしまったことを明かした。 借りていた部屋のキャンセルもできない状況の中、スタッフと相談し、秋田が出演するシーンのみをリモートで撮影したという。 当時、みやびは自宅からパソコンで指示を出し、秋田はスタッフのみの現場で演技を続けた。 後日、みやびは秋田から、精神的に辛いシーンが続いたため、監督である自分が現場にいられなかったことを申し訳なく思っていると伝えられたという。
イベントの最後には、秋田からみやびへ、感謝の気持ちを綴った手紙が贈られた。
「憧れdoll」は、1月10日から16日まで、アップリンク吉祥寺にて1週間限定でロードショー公開される。
映画『憧れdoll』
Cast
みやび 秋田ようこ
大門嵩 渡部瑞貴 浅森夕紀子 穂紫朋子
髙田百葉 岡慶悟 ホビー 高木公佑 斎藤陸
増田結芽 南山莉來 高木美嘉 大山真絵子 太田真也
アベラヒデノブ 佐々木しほ 児島陽子 佐藤大地 ほか
Staff
助監督 緒方一智
撮影監督 角洋介
録音 渡邉玲/木原広滋
制作 山田岬
カラーグレーディング 角洋介
VFX ひらさわとも
スチール 藤咲千明/臼田亜佑美
ポスタービジュアル撮影 澤田もえ子
ラインプロデューサー 中根大輔
主題歌 「Figaro」fumi
監督・脚本・編集 みやび
2025年 1/10(金)〜1/16(木) 各日19:50〜(連日アフタートークあり)
アップリンク吉祥寺にて1週間限定ロードショー