前原滉主演の映画「ありきたりな言葉じゃなくて」が12月20日に公開され、翌21日に新宿シネマカリテで公開記念舞台挨拶が行われた。シネマカリテには主演の前原さんのほか、小西桜子さん、内田慈さん、渡邉崇監督が登壇し、満員の観客に向けて作品への想いを語った。

熱意が生んだ作品とハプニング
本作はテレビ朝日映像の映画プロジェクトによる初の長編オリジナル映画であり、映像業界で実際に起きた出来事を基にしている。夢を掴みかけた矢先に謎の女性に翻弄される主人公・藤田拓也を前原さんが、拓也が出会う謎の“彼女”・りえを小西さんが演じている。
渡邉監督は、脚本執筆の段階から前原さんと小西さんをイメージして執筆していたことを明かし、「2人の写真を前に置いて、会話しながら書いていました」と語った。このエピソードに会場からは笑いが起こったが、前原さんは「後から聞くとちょっと怖い」とコメントし、会場を沸かせた。

▼ハプニング!?
撮影での思い出深いシーンや印象に残っているエピソードを尋ねられると、前原さんは、タクシーが走っているカットに言及。「(タクシーの屋根の)上のランプが手作りなんです」と明かす。「なぜかというと、あれが映画の一番最後の撮影のカットだったんですけど、道中でランプを道に落として、なくしてしまったんですね。深夜でしたが、1時間くらい待ちの時間があって『これは何の時間なんだ?』と思っていたら、スタッフさんがコンビニで似たような色のいろんなものを買ってきて、目の前で(ランプを)つくるということをし始めて…。みんなで『これいけるかな?』とか話しながら、疲れて極限で変な状態になっていて…それがあのカットに全部込められています。すごく思い出深いです」と感慨深げに語った。
小西さんは、そのシーンの撮影時には既にクランクアップを迎えていたが、オールアップの瞬間を共有すべく現場で待機していたとのこと。「『(オールアップに)いたいな』と思って待ってたんですけど、電車がもうなくなるくらいの時間になって『帰ります…』と後ろ髪引かれながら帰ったんですけど…帰ってよかったです(笑)」と述懐。また、物語のカギを握る“りえ”という役について改めて「みなさんと一緒に、渡邉さん、前原さんとりえという役を形作っていったので、いっぱい頼らせてもらいました。内田さんとも脚本をどう思うか? という話をさせていただいたこともあって、本当にみんなで作らせていただきました」と充実した表情を見せた。

小西さんは、難しい役どころを演じるにあたり、前原さんや渡邉監督と話し合いを重ねながら役作りを進めていったことを明かした。内田さんも、作品に関わる上で「生半可な気持ちで取り組んではいけないテーマ」だと感じ、慎重に演じたことを語った。

キャスト陣が観客にメッセージ
舞台挨拶の最後には、キャスト陣から観客へメッセージが送られた。
- 渡邉監督は「スタッフもキャストも、みんなで協力して作った映画。難しいテーマを扱っているが、白黒はっきりしない曖昧な部分も、ひとつの正解なんじゃないかという思いで作った」と語り、作品が広まっていくことへの期待を込めた。
- 内田さんは「言葉にしづらいテーマの作品だが、皆さんの心に何か種のようなものが残ったら嬉しい」と語り、SNSでの感想を呼びかけた。

- 小西さんは「公開が始まったばかりなので、たくさん広めていただけたら嬉しい」と笑顔で語った。

- 前原さんは「これから皆さんの感想をSNSで書いていただけたら嬉しい。それが映画が広がることに繋がる」と観客に呼びかけ、舞台挨拶は幕を閉じた。

「ありきたりな言葉じゃなくて」は現在全国公開中。





映画『ありきたりな言葉じゃなくて』
あらすじ
32歳の藤田拓也(前原滉)は中華料理店を営む両親と暮らしながら、テレビの構成作家として働いている。念願のドラマ脚本家への道を探るなか、売れっ子脚本家・伊東京子(内田慈)の後押しを受け、ついにデビューが決定する。
夢を掴み、浮かれた気持ちでキャバクラを訪れた拓也は、そこで出会った“りえ”(小西桜子)と意気投合。ある晩、りえと遊んで泥酔した拓也が、翌朝目を覚ますと、そこはホテルのベッドの上。記憶がない拓也は、りえの姿が見当たらないことに焦って何度も連絡を取ろうとするが、なぜか繋がらない。
数日後、ようやくりえからメッセージが届き、待ち合わせ場所へと向かう。するとそこには、りえの”彼氏”だという男・猪山衛(奥野瑛太)が待っていた。強引にりえを襲ったという疑いをかけられ、高額の示談金を要求された拓也は困惑するが、脚本家デビューを控えてスキャンダルを恐れるあまり、要求を受け入れてしまう。 やがて、事態はテレビ局にも発覚し、拓也は脚本の担当から外されてしまう。京子や家族からの信頼も失い、絶望する拓也の前に、りえが再び姿を現す。果たして、あの夜の真相は?そして、りえが心に隠し持っていた本当の気持ちとは……?
出演:前原滉
小西桜子 内田慈 奥野瑛太 那須佐代子 小川菜摘 山下容莉枝 酒向芳
池田良 八木光太郎 沖田裕樹 敦 士 鈴政ゲン 加藤菜津 佐々木史帆 高木ひとみ◯ 谷山知宏 今泉マヤ 根岸拓哉
チャンス大城 土屋佑壱 浅野雅博 外波山文明 玉袋筋太郎
脚本・監督:渡邉崇
原案・脚本:栗田智也
製作・エグゼクティブプロデューサー:若林邦彦 企画:陣代適 統括プロデューサー:阪本明 粟井誠司 安田真一郎
プロデューサー:丸山佳夫 キャスティングプロデューサー:山口良子 脚本協力:三宅隆太
音楽:小川明夏 加藤久貴 撮影:長﨑太資 照明:後閑健太 録音:山口満大 助監督:吉田至次 畑山友幸
スタイリスト:網野正和 ヘアメイク:渡辺真由美 制作担当:岩下英雅 編集:鷹野朋子 カラリスト:長谷川将広
音響効果:佐藤祥子 配給統括:増田英明 宣伝プロデューサー:橋本宏美 スチール:柴崎まどか
制作プロダクション:テレビ朝日映像 配給:ラビットハウス 宣伝:ブラウニー
2024年/日本/カラー/アメリカンビスタ/DCP/5.1ch/105分/G
©2024テレビ朝日映像
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映画『ありきたりな言葉じゃなくて』12月20日(金)より全国公開
