衝撃のオファー、監督のこだわり『MAYONAKA』暁月ななみ、高城ツヨシインタビュー

衝撃のオファー、監督のこだわり『MAYONAKA』暁月ななみ、高城ツヨシインタビュー

5月21日(土)から池袋シネマ・ロサにて、映画『MAYONAKA』の上映が開始。主演の暁月ななみさんと高城ツヨシさんにお時間をいただき、監督からの衝撃のオファーや撮影時のこだわりについてお話を伺いました。

 本作の監督は生粋のニューヨーカー、ロバート・カプリア。彼は初長編作品の舞台に日本を
選び、ネオン輝く夜の新宿、歌舞伎町などでゲリラ撮影を敢行。異邦人の目から見た、もう
ひとつの新宿を舞台にしたダークドラマは、ニューヨークインディーズ、カサヴェテスなどの肌
触りを感じさせる。撮影に際して、俳優たちは実際の街に投げ出され、最小限のスタッフの元、
フィクションとドキュメンタリーの狭間を行き交いながら撮影に臨んだ。ダブル主演のクミ役
には、和楽器ヘビーメタルバンド「KAGURAMUSOU」のヴォーカリストとして活躍中の暁月な
なみ。同じくダブル主演のアキラ役は高林陽一監督、岡大地監督らの作品に出演、多くのキャリア
を持つ高城ツヨシ。ヘバディス映画によりフランス他ヨーロッパ各国での配給、公開が決定。ア
メリカでも KINEMA により順次公開予定。

MAYONAKA
高城ツヨシ、暁月ななみ

■ 映画『MAYONAKA』

居場所を失った少女、心を病んだ男。2人が迷い込む闇のラビリンス。
アメリカインディーズの気鋭の新人監督ロバート・カプリア。
もう一つの新宿、真夜中の冒険。

 歌手になることを夢見ていたクミ(暁月ななみ)。しかし今は夢も居場所も見失い、誕生日で
ある今夜、処女を失うか、自殺するか、と悩む。一方、アキラ(高橋ツヨシ)は日々に疲弊し社
会の歯車の中で心を病む。そんな 2 人が偶然、新宿で出会い、次第に心の距離を縮めるが・・・。
真夜中に待ってるのは生か、死か?
異邦人が描く新宿を舞台にした不条理なボーイ・ミーツ・ダークファンタジー 。

■ 映画『MAYONAKA』 暁月ななみ、高城ツヨシインタビュー

▼暁月ななみさん、高城ツヨシさんの共通点

-お二人のプロフィールを拝見して共通点を探してみました。
 暁月ななみさんは、沖縄出身。高城さんは大阪出身とのことですが、高城さんの特技の中に“沖縄少林寺流空手”があり、“沖縄”に共通点があると思いました。

高城ツヨシ
空手発祥の地について諸説あるのですが、沖縄が空手の発祥の地という説があります。空手は唐手であり、原点が沖縄にあるんです。共通点の話がありましたが、実は私の妻が沖縄出身なので、そんなところにも共通点がありますね。

暁月ななみ
沖縄つながりだったんですね。

-そんなところにも共通点があったんですね。

MAYONAKA

▼暁月ななみさんのプロフィールについて

-暁月さんのプロフィールについてうかがいます。
 2017年から歌手活動を開始したそうですが、それ以前に芸能活動はされていたのでしょうか?

暁月ななみ
以前は、学業が優先だったのでなかなか思うように芸能活動ができなかったのですが、メタル音楽を聞いた時、その衝撃が大きくこの道に進むと決め、活動領域を広げていきました。本格的に活動し始めた頃、新型コロナウイルスの流行が始まったので思うように活動できませんでしたが、この期間にヴォイストレーニングや舞踊のお稽古などに集中して取り組んできました。そして今の形にたどりつきました。

MAYONAKA

-2017年から歌手活動をされていたとのことですが、当時は沖縄で活動されていたんですか?

暁月ななみ
いいえ、2017年はもう関東の方に出てきていました。学生と歌手活動の両立をしていました。

-ご出身の沖縄ではなく、すでに上京して活動されていたんですね。

▼高城ツヨシさんが芸能界を目指したきっかけ

-高城さんが、芸能界を目指したきっかけはなんですか?

高城ツヨシ
大学のときに漠然と海外に行きたかったんです。アメリカに行きたかったんですけど、直前に出会った人がイギリスがいいと言うので、「アメリカは逃げないし、まずはイギリスに行ってみようか」ってイギリスに行ってみました。
それまで芝居とかミュージカルは観たことがなかったんですけど、イギリスは、シェイクスピアの土地だからといわれて、シェイクスピア自体もあまり知らなかったんです。野球ばっかりやっていたので、シェイクスピアは難しかったんですけど、初めてミュージカルのスターライトエクスプレスというものがあって、電車の物語なんですがスピード感があって、とても面白かったんですよね。これは何か面白そうな世界だなと思って、興味を持ち始めたのが始まりです。
スタジオみたいなところで勉強して、そこは舞台の方が多かったんですけど、自分は映画が好きで、映画の方にどんどん傾倒して、高林陽一監督や大林宜彦監督といったちょっと変わったクセのある監督さんに好んで使っていただいて、今に至ります。

MAYONAKA

-海外に行きたかった理由・目的、やりたかったことは具体的にあったわけではないのですか?

高城ツヨシ
そうですね特別にはなくて、外の世界を見てみたかったんです。

▼路上ライブ中、監督から声がけ

-暁月さんは路上ライブ中に、監督から声をかけられて、映画の出演が決まったそうですが、その時の話を聞かせていただけますか?どんな状況でしたか?どのように声をかけられて、どう感じたでしょうか?

暁月ななみ
路上で度胸試しで歌ってみようということで、初めて新宿の南口で歌ってみた時のことでした。
目の前にずっと動画を撮り続けている外国人がいて、注意しようと思っていたんです。そうしたら路上ライブが終わってから、声をかけてくださって、「映画に出ないか?」って言われました。
そのときはまだ半信半疑で、「こんなことがあるのかな…」と思いつつ、マネージャーも一緒にいたので、話を聞いてもらったんです。そこで映画の出演の話だったということを後から聞きました。
それが結果的に「ぜひ出演したいです」となった経緯です。

-衝撃的な出会いですね。

▼高城ツヨシさんの出演のきっかけ

-高城さんは、どういった流れで本作への出演に至ったのでしょうか。

高城ツヨシ
監督とはネットで知り合いました。ある日突然、「日本にいるんだけど明日会えないか?」といわれたんです。
「明日は…」と思ったのですが、なかなか会うこともないだろうし、「この時間だったらお会いできます」と伝えて実際に会いに行ったら、「これちょっと読んでみて」と、いきなり本を出されました。
本を読んだらすごい嬉しそうな顔で僕をみていて、「映画に出てくれないか」という話になっていきました。元々映画を作る人だというのは知っていました。

-その時に渡された脚本は、今回の『MAYONAKA』だったんですか?

高城ツヨシ
そうです。2019年の秋くらいだったと思います。
準備は先に進められていたみたいなのですが、僕の役もななみちゃんの役も役者さんの交代があったようで、役者を探していたようでした。
僕たちは、決まったらすぐみたいな話でしたね。

暁月ななみ
そうでしたね。

-すごい行動力の監督ですね。もう撮る気満々で日本にやってきて、見つけたそばから即採用だったんですね。
 ロバート監督は日本語は話せるんですか?

暁月ななみ
監督ではなく、奥様が日本語を話していらっしゃいましたね。

▼監督に感じる文化の違い

-高城さんはイギリスに渡った時の経験があるので、ある程度は英語での会話も可能なんですよね。
 プロフィールを見ると、アメリカでの公演経験があったり、海外の演出家の方と組んでいらっしゃいますよね。
 アメリカ人と日本人の演出の違いで感じるものはありますか?

高城ツヨシ
かなり違うというかラフですね。あまり失敗を恐れないという。
日本人は間違うことを恐れますが、海外では、「間違ったらごめんごめん、ソーリーソーリー」で済ませて、「直すからいいじゃない」といった考え方をしているところがあります。
それよりも先に先に進もうとするところを僕は感じます。大体はアバウトなんですけど、自分がこだわっているところに関しては、執拗に妥協しないんです。「もういいじゃない?」と思うんですけど、そういうときはすごい執拗になる。それは他の海外作品の話を聞いていても、みんなそういうところがあるみたいです。
そこがすごく違うのかな。周りとバランスとって、「じゃあこのへんで」っていう感じがないのでそこは大きく違うところだと思います。

MAYONAKA

-感じたこだわりをひとつあげるとしたら?

暁月ななみ
ケーキを食べるシーンがあったんですけど。最初、ホールが2個用意されていて、ちょっと食べたら1回カットがかかって、またもう1個の方に移るというお話だったんですが、食べても食べてもカットがかからなくて、結局私は1ホール食べきるまでカットがかかなかったんです。
「こんなに食べる必要があったのかな?」と思うんですけど、でもやっぱりそのシーンでカメラを止めないというこだわりがあったのかなとその時に思いました。

高城ツヨシ
こだわりなのかどうかわからないのですが、カメラを止めないんです。ずっとカットがかからないので、延々と演じ続けなければいけませんでした。

暁月ななみ
ただ歩くシーンでも結構長く歩きましたね。

高城ツヨシ
映画の中で自分が喋っているシーンに対して、ほとんど何も与えられてなくて、「今からカメラを回すから、何か話して」と言われるんです。
何かしら絞り出して、話すしかないですよね。
ロバート監督はドキュメンタリー出身なので、どこかドラマを撮る人とはちょっと違うかもしれないです。そこで起こることを何か期待しているのかもしれないです。

-何か仕掛けをしないと何も起こらないことが多いですよね。

高城ツヨシ
そこがつらいところですね(苦笑)

▼脚本を読んだ時の感想、完成した作品を観ての感想

-脚本を初めて読んだときの感想と、完成した作品をご覧になっての感想、この二つをお聞かせください。

暁月ななみ
最初に台本を読んだときは、物語が繋がっていかない印象でした。
物語としては一つの作品なんですけど、一つ一つに区切られているような見え方がありました。結論はすごくしっかりしているんですけど、それまでがすごく謎に満ちたような迷路みたいな作品だと感じました。
出来上がった作品を観ると、描写や背景、その1個1個に感じる意味が、さらに濃く浮き上がってきて、ラストに向かうにつれて深みが増していくのを感じる作品でした。

MAYONAKA

高城ツヨシ
僕は最初に会ったときに脚本をいただいていて、それが面白かったんですよ。単純に何か本として面白かったです。
最初の段階では、劇中の冒頭に出てきた外国人の彼がもっと頻繁に出てきて、ストーリーテラーみたいな形で話を引っ張っていくような感じだったんです。
途中から「アキラをもっと出すから」と監督が言い出して、どんどんバランスが変わっていったんです。最終的には今回の2人のお話みたいな形にどんどん変わっていきました。
最初に彼が描こうとしていた世界とは変わったというか、世界感は変わっていないのかもしれないけど、流れが変わったのかもしれません。
本当は作品の内容的にもうちょっとわかりやすかったかもしれません。でも結果として、ある程度何かまとまったかなという気はしています。
あとは「ゲリラ撮影でやる」って言われて。もう、みるからに「俺、これどこで喋るの?」という部分がいっぱいあって、不安が渦巻いていました。「この人たち大丈夫かな?」って思いました。絶対歌舞伎町に行くつもりだろうなって思いましたし。

-いま、ゲリラ撮影の話がありましたが、新宿での撮影は特に怖いですよね。

高城ツヨシ
そうですね。さっきのこだわりというのも、やっぱり海外とか行くと、自分たちも「ここの通りに入ったら、危ないな」っていうのは肌で感じると思うのですが。撮影する側からすると、「そこに入って欲しい」という思いがあるんですよね。
なので、「入れ、入れ」って、僕とななみちゃんの2人しかいないところに、「ここはやめてくれよ」と思いました。「せめて、ここだけはやめてほしい」といった抵抗はしました。

-危険な目には遭いませんでしたか?

高城ツヨシ
遭ってはいないんですけど、監督は、もし危険な目に遭ったとしたら、それを撮ろうとするところがあったと思います。

暁月ななみ
私は警備員の方から結構言われましたね。

-やはり新宿での撮影は目立ちますよね。

MAYONAKA

高城ツヨシ
カメラが演者の近くにはいないですからね。みんなが酔っ払っている中、堂々とお芝居をしていますからね。

-監督や周りのスタッフは大勢いらっしゃったんですか?

高城ツヨシ
監督が自分でカメラを回していて、監督夫婦と出演者しかいないんです。

-本当に少人数で制作部や照明部もいないんですね。

暁月ななみ
「あまり目立ちたくない」と監督は言っていました。「ゲリラで撮りたいし、人数が多いと目立っちゃうので、もう最低限の人数でやりたい」っておっしゃっていました。

-あの映像はそういう形で出来上がっているんですね。
 暁月さんはスタビライザー付きのカメラ(スマホ)を持ちながら撮影されているシーンがありますが、あのカメラでも実際に撮影していたのでしょうか?

暁月ななみ
私が撮影した映像も作品の中で使われています。最初、使い方が難しくてなかなか慣れなかったんですけど、後半はもう使いこなしていました。

-撮影に関しても学べてよかったですね。撮影を通して得たものにはどんなものがありますか。

暁月ななみ
「こういうふうに映っているんだ」という、普段見る新宿とは違うのを自分が持つカメラの中と、また後で撮られているカメラの中の映像をみて、クミという役を演じながら、新宿をスクリーンを通して観るというのは、今までと違い、変わった新宿の景色に見えました。

-新宿を自分が持つカメラのファインダー越しに見ることってほぼないですものね。

暁月ななみ
あと、新宿の中でも普段行かないところに入っていったことが良い経験になりました。

▼クミは私の性格に似ているところがある

-暁月さんのコメントに、「クミは私の性格にも似たところがある」とありましたが、その点についてきかせてください。

暁月ななみ
私の考えですけど、クミは今までは、意外に真面目な人生を送ってきた子で、それで何か大人になる一歩を踏み出したい、自分の殻を破りたいという気持ちを抱えていた少女だと私は思っていました。
私も同じ様に、そういうまだ社会に出たばかりの新米なので、「何か自分のやりたいことに挑戦したい。怖いけど、一歩踏み出したい」という気持ちはクミと一致していて、クミと似ていたのかなと思いました。

MAYONAKA

-高城さんはいかがでしょうか。ご自身が演じたアキラと自分のここが似ているもしくは全然違うとかありますか?

高城ツヨシ
そうですね。自分はアキラと同じ行動はとらないと思うんですけど、そこに至るまでの、アキラという人は、監督から本以外は何も与えられていないし、演出らしい演出もなく、「やって」って言われて、結局、自分を出すしかないという状態でした。
劇中で話している逸話も実際の自分の話をしていたので、「自分が彼だったらこんな感じなんだろうな」っていうのが映っていると思います。演じるというよりは、自分を出して、映画を観てもらってつまんなかったら、それは自分がつまらないというぐらいの気持ちでやりました。
そういう意味では僕とアキラは同じかもしれないし、自分とすごく似ているというか、それ以上のものが出ていると思います。改めて役を作るっていう感じではなかったです。
シチュエーションだけ考えて、あとは野に放たれた感じですね。

MAYONAKA

-役作りをするとか、その役になるために何かを調べたりとかっていうよりはもう自分の中で考えるイメージだったんですね。

高城ツヨシ
そういう意味でいくと、役者とか映画作りとして考えたらテーマがテーマだけに、もっと最初からいろんなことを深く掘り下げて、持ち込んで撮影に臨むと、もっと同じ画でも違うのかなって気はします。
今回はロバート監督の作品なので、こういうスタイルで撮って、こういう形になったのかなっていうふうだと思います。それがいいのか悪いのかっていうのは、こちらが決めることではないので、お客様が観てどう感じるかなというのは楽しみでもあり、怖さでもあります。

-撮影時、監督からの、「OK」とか「もう一回」だとかは感じとれるものはありましたか?

暁月ななみ
リトライはありました。演技のように上手く台詞を言わなくてもいいから、現実感のある語りや表情を求められました。
監督は、その時に起こるハプニングや失敗も含めて、ノンフィクションにしていきたいと思っていたのかもしれません。

-監督のイメージに合わないと、カットがかかって、リトライする感じなんですね。

高城ツヨシ
僕は何にもなかったです。あまりカットがかからず、もうずっと演じ続けていました。カラオケのシーンだと…

暁月ななみ
何回も同じシーンを撮るという感じでしたね。

高城ツヨシ
「角度を変えて」とか、そういうレベルのものでした。ロバート監督が撮影に失敗して止まることはありました(笑)

▼お客様へのメッセージ 

-ご自身のシーンで、ここを観てほしいといった点は具体的ありますか?

高城ツヨシ

僕的なこだわりなんですけど、アキラのクミに対する接し方の変化に注目してみてください。

-暁月さんは、このシーンを観てほしいとか、こだわっている点はありますか。

暁月ななみ
このシーンというか、全体を通してなんですけど、アキラと出会う前のクミの表情と、アキラと出会ってからからのクミの表情は、そこは微妙なニュアンスなんですけど、魂を落としたクミから生きていくとは何か、生きていくことに対して、アキラから吸収していくもの、アキラから感じ取るものに対しての、クミの表情にぜひ注目して観ていただきたいです。

-見どころや好きなシーン、お客様へのメッセージをお願いします。

暁月ななみ
眠らない街と言われている新宿で行き交う人々が得たくても得られないもの、失いたくても失えないものがあって、その中で1人の少女が失いたいものとは何かというところを注目して観ていただきたい。
失いたいけど失えない、得たいけど得られないものがある社会の中で、そう言う社会の一部分が垣間見れる作品となっていると思います。

高城ツヨシ
ロバート監督が最初にこの作品を撮ろうと思ったのは、日本が自殺率とうつ病を患った人の率がすごい高い点にあると言っていました。そのことが彼にとってすごい不思議だったと思うんです。
これだけ安全な街で何もかも完成されていて綺麗な街で、なぜそういうことが起きるのか、今回いろんな映画の公開に向けて準備する中でも、やっぱり彼が言うには、日本はすごい高いレベルで結果を求められてそれを完璧にこなさなければいけない。
海外の人って8割出来たらもう”OK!”みたいな状態なので、日本人のそこがすごく不思議な感じだったんじゃないかと思うんです。
だから、この映画も、こういう人がいて、こうなって2人が出会って、こうなりましたっていう映画ではないと思うんですよね。ただ単にその同じようなものを抱えているけど、また違った世代の男女が出会って、そこで寄り添うわけでもなく、わかり合うわけでもなく、ただ時間が過ぎていって最後を向かえていく。
そこで、観た人が何かを感じ取っていただけたらいいのかなと。その答えは千差万別で、こんな話はつまらないと思う人もいるかもしれないし、何かしら感じるものがあれば嬉しいです。

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■プロフィール

▼暁月ななみ(あかつきななみ)
沖縄県出身。2017 年ご当地アイドルメンバーとして徳間ジャパンコミュニケーションズより
メジャーデビュー後、1 年半の活動を経てアイドルを卒 業。2019年9月より女優・歌手として
活動を開始。同年、初出演映画「MAYONAKA」で主演に抜擢される。2020年10月、日本伝
統楽器とメタルを融合した和楽器ヘビーメタルバンド「KAGURAMUSOU」のヴォーカリスト
として加入。 映画「怪奇タクシー」にも出演。

[コメント]
クミは、私の性格にも似たところがある少女であったため、自然の姿で演じた部分もありました。
この作品が描く様々な人たちが行き交う大都会の”闇”は、ドキュメンタリーなのか?フィクション
なのか?そんな視点でクミやアキラの心境について注目しながら観ていただきたいです。

高城ツヨシ(たかしろつよし)
大阪出身 1966 年生まれ。映画を中心に活動。2007年ぴあフィルムフェスティバル準グランプリ
を受賞した岡太地監督の三作品に出演。その後、ATG 作品「金閣寺」などで知られる高林陽一
監督の晩年の三作品に主演。「涯てへの旅」では2008年モナコ国際映画祭にてベストナレーショ
ン賞など三賞を受賞。その他に、「殺意の道程」バカリズム脚本・住田崇監督、「この空の花~長岡
花火物語」大林宜彦監督、「はやぶさ 遥かなる帰還」瀧本智行監督、「一粒の麦 荻野吟子の生
涯」山田火砂子など多数。

[コメント]
夜の新宿の街中で、監督と最低限のスタッフとともに言語の違いを超えて、心で会話しながら撮
影に臨んだ日々を思い出します。この映画の中には、日頃、私たちが当たり前のように見ていた
新宿や日本とは違う、他国の人から見た日本、新宿の風景や問題点が映しこまれています。それ
は私たちがその様な現実があることを知りつつも、あえて目を向けて来なかった事かもしれませ
ん。是非、映画「MAYONAKA」を観て何かを感じ取って頂ければ幸いです。

▼ロバート・カプリア監督
1970 年生まれ。アメリカ・ニューヨークで生まれ育ち、幼い頃から兄とともにスーパー8 カメラを
使い映画を作り始める。 ニューヨーク大学フィルムスクール在籍中に撮ったドキュメンタリー作品
「Head of the House」で、マーティン・スコセッシ監督からの賞を含む、3 つの最優秀ドキュメ
ンタリー賞を受賞。数年後、スコセッシ監督がブロンクスにある古い高校にスコセッシメディアセン
ターを設立するにあたり、その運営を任される。国連においても、世界中で撮影されたドキュメン
タリーの作成を担当。2010年、アニメーションとビデオの両方を作成する Actuality Films を
立ち上げ、ザ・ビーチ・ボーイズ、グレイトフルデッドやグラミー受賞者などのミュージックビデオを手がける。映画「MAYONAKA」は初長編監督作品となる。

[コメント]
日本は自殺率とうつ病率が高いという事を知りました。これは物事の基準が高く、それをクリアす
る事が難しいためだと私は思います。
この映画の中では、そのような二人が登場します。電車のようにすれ違う二人の魂の比喩として
駅をモチーフに使いました。彼らの人生は彼らが望んでいるものではなく、彼らは二人とも同じよ
うな絶望の旅に出ています。途中で彼らは同じ道を共有し、人間の繋がりを作り始め、彼らの旅
は少なくとも、しばらくの間は、孤独から解放されます。
私にとって日本は、とても不思議な国であり、最初、日本で良い映画を作るのはとても難しいこと
だと思いました。黒沢、今村、篠田、吉田監督など日本の偉大な監督の作品を見て研究を重ねま
した。このことは私に、映画の中におとぎ話やドストイエフスキーの要素を取り入れるという自分の
本能、考えに従うことを後押ししてくれました。実際の撮影においてはドキュメンタリーの方法を使
って撮影を行いました。


■ 映画『MAYONAKA』

【キャスト】
暁月ななみ 高城ツヨシ
白畑真逸 内藤正記 川尻アンジェロ実 アントニオ・アンジェロフ

【スタッフ、クレジット】
製作 ACTUALITY FILMS / ロバート・カプリア 音楽/森川浩恵 音響/森英司/ 劇中曲
KAZUAKI 脚本・監督・撮影・編集 / ロバート・カプリア/1 時間 17 分/アメリカ/2022
配給:last.train.films

公式Twitter: https://twitter.com/mayonaka2022

5月21日(土)より池袋シネマ・ロサ ほか全国公開

MAYONAKA

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