11月17日(日)、新宿ケイズシネマにて映画『太陽がしょっぱい』の舞台挨拶が開催された。主演の重松りささんをはじめ、梁瀬泰希さん、速水今日子さん、小浜桃奈さん、平美乃理さん、松尾潤さん、斉藤天鼓さん、安部一希さん、そして西川達郎監督が登壇し、満席の観客を前に作品への想いを語った。
■ 映画『太陽がしょっぱい』舞台挨拶[2024.11.17(日)]
▼作品概要と製作の背景
重松りささんは、本作が「自ら映画を撮りたい」という思いから企画が始まったことを明かした。企画プロデューサーの内田英治さん、プロデューサーの小美野さん、アークエンタテインメントの木原さん、楠さんの協力を得て、実現に至ったという。
西川達郎監督は、内田さんから重松さんを紹介されたことがきっかけで、本作の製作がスタートしたと語った。重松さんの実家がお寺であることと、監督自身が温めていた「整形」をテーマにした映画を撮りたいという思いが合致し、コメディ要素も交えながら物語が構築されていった。
▼キャスト陣が語る撮影エピソード
映画初出演となる平美乃理さんは、彦坂キララ役を演じた。撮影現場の穏やかな雰囲気と、地元・岡山県に似た豊橋の風景にリラックスして臨めたと語った。キララは明るくあっけらかんとした性格で、撮影中も笑顔で演じるように心がけたという。
西川監督は、平さんが緊張を感じさせない肝の座った様子で、役柄の持つ傲慢さを自然体で表現していたと評価した。
松尾潤さんは、キララのイケメン彼氏・夏目流星役を演じた。「イケメン」という役柄を演じる難しさについて語り、撮影中は常に「イケメン」であることを意識していたことを明かした。自身のイケメン度については「100点」と自信を見せた。
斉藤天鼓さんは、同級生・石川晴人役を演じた。役柄とは裏腹に、自身が汗っかきであることが悩みだったと告白。告白シーンでの汗だくの姿が印象的だったと重松さんからツッコミが入る場面もあった。
西川監督は、斉藤さんの演じた役柄が、ビジュアルやルッキズムとは無縁の世界を生きる存在として描かれていると説明した。斉藤さんは、劇中で披露したラップを2日前に受け取り、自身でリリックを書き足して尺を調整したというエピソードも明かした。
速水今日子さんは、たかぎ美容クリニックの医院長・高木彩華役を演じた。先生役を「うさんくさく」演じるよう監督から指示されたと語り、真面目な表情の裏に隠されたうさんくささが魅力的だったと監督から評価された。
小浜桃奈さんは、整形して可愛くなったかつての同級生・牧野花怜役を演じた。花怜という役を「整形して炎上しているインフルエンサー」と解釈し、自身と重なる部分を感じたと語った。特殊メイクで7時間も過ごした撮影エピソードを披露し、その後、美波のおばあちゃん役の女優さんに気づいてもらえなかったというエピソードで会場を沸かせた。
安部一希さんは、美波のバイト先の店長・杉浦学役を演じた。「整形している?」と聞くことの是非について問題提起し、監督は「整形肯定派」であると自身の考えを表明した。
重松さんの兄・河合清彦役を演じた梁瀬泰希さんは、役作りの難しさについて語り、撮影前の父親役の野村たかしさんとの交流エピソードを明かした。重松さんからは、梁瀬さんが真面目な性格で、役作りにも真剣に取り組んでいたというエピソードが紹介された。
フォトセッションの後、西川監督は本作が小さな自主制作映画であることに触れ、今後の映画の広がりに対する観客の応援に期待を寄せた。重松さんは、販売中のキーホルダー、ポスター、パンフレットについて紹介し、サイン会の実施を告知。
上映後、ケイズシネマのロビーには、物販への列が並び、サインを求めるファンがキャスト、監督との交流を楽しんだ。