重松りさ、自らはたらきかけ、主演映画『太陽がしょっぱい』を企画・実現。主演を務めてみての気づき

重松りさ、自らはたらきかけ、主演映画『太陽がしょっぱい』を企画・実現。主演を務めてみての気づき

11月16日(土)より、映画『太陽がしょっぱい』が、新宿 K’s cinema にて2週間限定上映される。主演を務めるのは、重松りさ。自ら主演作をつくりたいと企画し、相談を持ち掛け、助成金の申請も周囲の支援を受けながら書き上げたという。そんな重松さんにお時間をいただき、たっぷりとお話をうかがいました。

重松りさ

▼重松りささんの名前の由来

ー: 重松りささんのお名前の由来について、少し伺ってもよろしいでしょうか?

重松りさ ええ、私は三兄弟の真ん中で、姉が沙恵という名前なんです。二人とも名前に「沙」の字が入っているんですが、これは仏教で言う沙羅双樹という木を表す漢字で、実家がお寺なので、父がこの漢字をとても気に入っていて、私たち姉妹の名前に付けたそうです。また、恒河沙-ガンジス川の砂の数ほど-無限に多い、という言葉にも「沙」が入っており、阿弥陀さまの真理の智慧と慈悲から数えきれないほどの恵みをいただいて生きている、そんな人になってほしいという意味も込めているそうです。

ー: なるほど。「沙」という字には、水辺の砂という意味があり、悪いものを捨て去って良いものを選び取る、広大な海のように広い心を持った子、といった意味もあるそうです。お寺さんということで、何か思いが込められているのかなと思いまして。

重松りさ そういった意味もあるんですね。私もこの漢字は気に入っています。

▼重松りささんが役者をめざしたきっかけ・経緯

ー: 今回の映画『太陽がしょっぱい』は、重松さん自身の生い立ちが反映されている作品とのことですが、 まずは重松さんが役者・俳優を目指したきっかけや経緯についてお伺いできますか?

重松りさ はい。芸能界には小さい頃から興味がありました。ただ、家柄的に厳しくて、私が「芸能界に入りたい」なんて言うと、「何言ってんの?」という感じで、特に母は反対でしたね。 でも、小さい頃からクラシックバレエや空手、絵画、ピアノなど、たくさんの習い事をやらせてもらっていました。 勉強以外に自分を表現する楽しい方法をたくさん知ることができました。 大学進学で東京に出てきて、初めてミニシアターというものを知りました。そこから映画への関心が高まり、TSUTAYAでDVDを借りてたくさん家で観ました。それまで映画といえば、ハリーポッターのような大きな作品しか見たことがなかったのですが、ある日、安藤サクラさん主演の『百円の恋』(武正晴監督)を観たんです。容姿の美しさだけでなく、人間の生臭い部分を表現する役者さんに魅力を感じ、役者という仕事に興味を持ちました。

ー: なるほど。俳優を目指して演技を学ぼうと思ったのはいつ頃ですか?

重松りさ 大学3年生の夏頃、19歳か20歳の終わり頃ですね。その頃、ある専門学校で、毎回講師が来て教えてくれる俳優アカデミーに半年ほど通いました。 そこでは専門的な演技指導というよりは、最終的に事務所を決めることが目標のような感じでした。 その後、今も通っている実績のあるアクティングコーチがいらっしゃるところで本格的に演技を勉強しています。 でも、スタートに遡るとその専門学校になりますね。

▼俳優としてのデビュー、特技と姉

ー: 俳優としてのデビュー作は何ですか?

重松りさ 映画『海辺の途中』です。外山監督に初めてお会いしてワークショップを受けた時、「いいね」と褒めていただいて、「まだ出演経験はないんです」と伝えると、「よかったら出てみませんか」と声をかけていただき、出演が決まりました。それがデビューです。

▼習い事、特技について

ー: プロフィールに空手のことが書かれていましたが、クラシックバレエや絵画もやられていたそうですね。

重松りさ はい。小学生までは色々な習い事をしていたのですが、中学校は受験のために勉強に集中しなければいけなかったので、習い事はあまりできませんでした。でも、歌はずっと続けていて、合唱部にも入っていました。

▼ご兄弟について

ー: お姉さんは山形でアナウンス関係のお仕事をされているんですよね?

重松りさ: はい、さくらんぼテレビでアナウンサーをしています。もう、私の家族のことまで調べられているんですね(笑)。

ー: ええ、色々調べてみると面白いですね。もしかしたら、お姉さんの影響でアナウンスに興味を持ったとか?

重松りさ: そうですね。姉が放送部で本当に生き生きと活動していて、すごく憧れていました。私も同じ放送部に入って、一緒に歌ったり表現したりするのが大好きでした。仲は良い方だと思います。

ー: なるほど。兄弟構成は三人兄弟とのことですが、弟さんは?

重松りさ: そうなんです、弟は今お坊さんの修行をしています。

▼本作とご自身の生い立ちについて

ー: この作品をつくるにあたって、重松さんご自身の生い立ちってすごい影響していると思います。お寺さんの娘さんとなると、特にその生い立ちからして、いろいろなプレッシャーというか、時代的なものもあるのかもしれないですけど、自分の意思とは関係ないところが自分に影響してくるところも、この作品の中でどこか表現したい部分があるのかなと思いました。

重松りさ: そうですね。跡取りという意味では、うちは弟がいたので、自分はわりと自由でのほほんとしてたんですけど、やっぱり普通の家系とは違うしがらみはありましたね。周りに血縁関係のない大人がたくさんいたり、家にいても電話が鳴り止まなかったり。あとは地元でも割と大きいお寺だったので、どこか将来を期待されるプレッシャーもありました。だから大学もなるべくいいところに行かなきゃいけないというか、自分の目指しているものよりも、みんなが理想とするレールに乗らなきゃいけないんじゃないかという、変な優等生思考を育てたのは、そういう環境があったからかもしれません。だから今も、自分がもっと自由に羽目を外したいと思っても、なかなか真面目な自分が抜け切れないところは多分、その頃の影響ですね。

 そういう絶望とまではいかないけれど、将来に対して明るい希望を持てない若者とか、そういう人たちがこの作品を見ると、結構響くところがあるんじゃないかなと思って。せっかくだから自分の生い立ちを作品に入れたいなと思って、お寺を舞台にしました。結構、勇気がいることというか、自分をさらけ出さなきゃいけない部分があったので。

▼もうひとつのテーマ、「整形、ルッキズム」

ー: 今回、整形やルッキズムの話も出てきますが、この辺りはどういう経緯で作品に結びついたのでしょうか?ひょっとしたら、重松さんではなく、西川監督や内田プロデューサー(以下、内田P)から出てきたテーマなのかもしれませんが、重松さんの生い立ちと整形、ルッキズムなどを繋げた経緯があれば教えてください。

重松りさ: 詳しいことは、別途ご相談している鼎談でお話することになると思いますが、まず助成金を申請するために西川監督と内田Pとお話をした際に、「整形」をテーマにしたら面白いよねという話で盛り上がりました。そこで、今回私が高校生の役で出演することになり、テーマは2人が決めてくれた感じです。私自身も、周りの友達が整形するケースなども見てきたので、面白いテーマだと思いました。ただ、このテーマについて、私からお話しできることはあまり多くなくて申し訳ないです。

 でも、私が言えることとしては、今の世の中は周りの目がすごく厳しくて、自分に自信がない子が本当に多いと感じています。私自身も、自分の容姿や内面を人と比べるのは、今の時代じゃなかったらもっと少なかったかもしれません。本当に残酷な時代に生まれたなという自覚があって、「オンリーワンでいいじゃない」って大人は言ってくれるけど、なかなかそう思えない自分がいます。

▼自ら主演作をつくる働きかけ

ー: 今回、重松さんご自身から働きかけて、主演作を作られたとのことですが、詳しくお伺いしたいです。コロナ禍になって、俳優さん自身が「待っているだけじゃダメだ」と自ら動き出すケースが増えているように感じますが、重松さんが主演作を作りたいと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

重松りさ: そうですね、タイミングも大きかったと思います。助成金の申請のタイミングですね。ちょうど1ヶ月くらい前に友達からその助成金の情報をもらって、周りも動き出していたんです。私は事務所には入っているものの仕事がない状況で、理想と現実のギャップにすごく苦しんでいた時期でした。コロナを言い訳にしようと思えばできたのかもしれないですけど、 違うなって。自分が全然動いてないから仕事がないんだってことに気づき始めたタイミングだったんです。 やっぱり成功している人たちは、自分でどんどんアクションを起こして、見つかる努力をしている。だから自分も一歩踏み出して、自分で作品を作らなきゃいけないという気持ちが明確になってきた時期でした。本当は自腹で…とも思ったんですけど、それは難しくて。周りの大人の力も借りて、今回助成金を申請しました。もし助成金が通らなかったら、違う方法でお金を集めていたと思います。

ー: なるほど。申請はご自身でされたんですか?

重松りさ: はい。予算とか、バジェットとか、映画に使われるお金の割合とか、全然わからなかったので、そういう部分は大人に聞いたりもしましたけど、基本的には全部自分で文章を書いて提出しました。

ー: 助成金申請の時点で、西川監督とはすでに繋がっていたのでしょうか?

重松りさ: 西川監督は、内田監督が紹介してくださったんです。

ー: なるほど。内田監督の方が先に繋がりがあったんですね。「ええじゃないか とよはし映画祭」(以下、とよはし映画祭)でしょうか? 西川監督の映画『向こうの家』もとよはし映画祭で上映されて、グランプリを受賞したんですよね。

重松りさ: はい、そうです。

▼本作のテーマについて

ー: 今回の作品は、8日の鼎談でもお伺いしようと思っていたのですが、色々なテーマがあると感じています。例えば、未成年の生計、家族について、そして自分自身について、など。コメントしづらいかもしれませんが、未成年の生計について思うこと、家族について思うこと、自分自身について思うこと、という形で順にお伺いできればと思うのですが…。重松さんご自身、「未成年の整形」という部分に関して、思うことはありますか?

重松りさ: この映画のネタバレになってしまうかもしれませんが、整形に関して否定も肯定もしていません。テーマとして提示しているに留めているんです。私自身の意見としては、その人の選択が後々後悔しないものであれば、どちらでもいいんじゃないかなと思っています。ただ、今は“綺麗至上主義”というか、ある程度理想のテンプレートが決まってしまっている“美容整形”のようなものがあると感じています。

若い子はSNSで色々な情報を見て憧れるので、情報を得るスピードは速いのですが、その形ばかりを追いかけすぎてしまう部分があるように思います。表面的な部分に気を取られて、内面が成熟してきて、本当の自分と向き合うタイミングが来た時に後悔しないのかな、という懸念はありますね。

劇中で葉子さんが言っていたように、「自分が本当にやりたいと思っていることって、誰の価値観なんだろう?」という問いはすごく大切だと思います。私は自分の価値観がしっかりと構成されるまでは、周りの意見に流されず、よく考えて行動した方がいいんじゃないかな、と思っています。

特に整形は取り返しがつかないものなので。他の行動だったら、どんどん失敗してもいいと思うんですけど、整形はそういうわけにはいかない。リスクが大きいと思います。だから、この作品を作りながら、そして宣伝活動を通して、このテーマについてどう話すのが適切なのか、すごく慎重になっています。本当に慎重にならなきゃいけない部分だなと、改めて感じています。

とはいえ、重要なテーマであることも事実です。この作品をきっかけに、整形や美容に関する議論がもっと活発になれば、それはとても有意義なことだと思います。

ー: そうですね、家族について。色々な家族の形がありましたし、作品の中でも家族についてのトークバトルのようなシーンがあったと思います。家族について、重松さんはどんなことを感じますか?作品の中での家族でもいいですし、色々な家族の形でもいいです。

重松りさ:何か、そういう…家族をテーマにしたいな、と。

▼家族について

ー: 家族について。重松さんのご家族のお話もありましたし、作品の中でも色々な家族のトークバトルのようなシーンがあったと思いますが、家族についてどんなことを感じますか?作品の中での家族でもいいですし、色々な家族の形でもいいです。何か、そういう…家族をテーマに何か聞いてみたいと思います。
例えば、重松さんのご家族、重松家についてお伺いしてもいいですか?

重松りさ: うちは本当に風変わりな家族だと思います(笑)まず、父方の家系は女系家族なんです。親戚も女の人ばかりで、みんな個性的でマイペースなんです。一方、母方の実家は福岡県なんですが、みんな上品で控えめなタイプで、父方とは真逆なんです。

例えるなら月と太陽くらい違いますね。 だから、その両方が混ざって、ちょっと混沌としています(笑)母親も、最近はすごく明るいんですが、もともとはすごくおしとやかな人だったんです。無邪気な部分もありながら、おしとやかな人なので、結婚した当初は苦労したんじゃないかなと思います。

父と母、私と姉と弟の5人家族なんですが、全員で集まることは少ないですけど、すごく仲が良いと思います。家族には恵まれていると思います。 弟とはよく喧嘩していましたね。一緒に空手を習っていたので、お菓子の取り合いで殴り合いの喧嘩をしていました(笑)でも、今は私よりもお姉ちゃんよりもしっかりしていて、何かあったら相談するくらい頼りになる存在です。お兄ちゃんみたいな感じです。 末っ子なのに、長男ということもあって、プレッシャーも一番強いのかもしれません。家系を継ぐという部分では、彼は親孝行だと思います。もしかしたら他にやりたいことがあったかもしれない。でも、家族の期待に応えることが、彼自身の意思になっているのかもしれません。その辺りはよくわからないですけど。

▼今後の目標

ー: この作品を通じて得たものや、今後やってみたいことはありますか?

重松りさ: そうですね。まずは素敵な仲間との出会いですね。西川さん、内田さん、今回プロデューサーと撮影編集を担当してくださったロンドベルの小美野さんをはじめ、本当に素晴らしい方々と出会えました。この仕事は出会い が本当に大切だと改めて感じています。

ご縁に恵まれたことと、あとは自分のキャパの狭さに気づけたことも、ある意味得たことかもしれません。 実はすごく不器用で、今回の宣伝もほぼ一人で仕切って、他の方と協力しながらやっているんですが、全然追いつかないんです。

お芝居も、余裕がないと楽しめないんですよね。だから、これからも機会があれば、企画を作ってみんなで作品を作る、みたいなことをやっていきたいです。そのためにも、まずは目の前のお芝居に集中して、100%の力で取り組めるように、余裕を作っていきたいです。

ー: チラシ配りなども積極的にされていて、頑張り屋さんだなと感じます。

重松りさ: ありがとうございます。今は、頑張るしかありません。

▼主演を務めてみて

ー: 主演を務められて、何か感じたことはありますか?

重松りさ: 「空気を作る人」が主演なんだなと気づきました。現場に入った序盤に、周りの方から「もっと主演らしく振る舞って」と言われたんです。その時は「主演らしさ」って何だろう?と思っていました。でも、座組の俳優部の中ではリーダー的な存在というか、経験の有無に関わらず、常に現場にいる人間として、周りをよく見て、みんなが心地よく過ごせる雰囲気を作る、人間力が高い人が主演になるんだと気づきました。自分本位な人は、主演は務まらないと思います。

主演は座組を引っ張っていく存在ですね。周りの人の話をよく聞いて、引っ張り方は色々あると思いますが、少なくとも、自分よりも周りの人のことを考えている人が多いと感じます。

▼重松さんにとって、主演作とは

ー: 最初の話題に戻りますが、やはり主演作を作りたかったのですか?

重松りさ: そうですね。主演は自分の名刺代わりになるし、もっともっと芝居の幅も広げたいと思っていました。大きな作品で、たとえ一言のセリフだけでもいいから出演したいという気持ちはありました。でも、ただ待っているだけではなかなか見つからないだろうし、お芝居が上手ければそれでいいのか?という疑問もありました。だから、自分で「今の自分はこうです。あなたがたが好きに評価してください」と言える環境を作ろうと思ったんです。戦に出るなら、後ろで戦うよりも、自分が先陣を切って戦いたいと思いました。

ー: 実は先日、別の俳優の方にインタビューした際に、監督から「どの役をやりたいか」と聞かれた時に、主役ではなく、あえて別の役を希望したという話を伺いました。当然のことなのかもしれませんが、そのような考え方もあるのだなと、ハッとさせられました。やはり、役者さんにとって「やりたい役」というのは、シナリオやキャラクターの人物像によって生まれるものなのですね。重松さんのように、主役をやりたいという気持ちもあれば、特定の役を演じたいという気持ちもある。どちらも理解できますし、とても興味深いと感じます。

重松りさ: 面白いですね。私だったら、企画を立ち上げるなら、当然自分が主演だろうと考えてしまいます。少し欲張りなのかもしれませんが、それは人間として自然な感情というか、本能のようなものだと思います。もちろん、自分に合わない役だと感じたら、選ばない可能性もあります。そもそも、企画を進める段階で、自分がやりたい役を提案するタイミングはたくさんあるわけですから。

▼脚本について

ー: 脚本を書き進める上で、ご自身の生い立ちが入ってきたわけですけど、何か意見を出した部分とかありますか?

重松りさ:脚本に関しては、完成するまでその生い立ちを入れたいというところ以外は言ってないんですけど。あとは、それが出来た時に本読みとかで意見を伝えました。
脚本は柱なので、それをどう肉付けしていくかっていうところでは、ちょっとお話はしたんですけど。皆さんすごい速いスピードで脚本書いてるから、私は正直、読んですごいって感じで、受け身になってました。
そこについては面白いなぁと思いながらみていて、西川さんともうひとり池亀三太さんという方が脚本を書かれていました。

ー: 西川イズム的なものが感じられて、すごくギャグのセンスとかいいなぁと思って。「うち、来る?」みたいなところとか。

重松りさ:あそこいいですよね。

ー: お父さんに頼み込む時の、お父さんに頼み込む時の、お父さんに頼み込む時の、正座・土下座の姿勢とか。

重松りさ:あれは私のアイディアなんです。

ー: そうなんですね。

重松りさ:なんか西川さんがシュールな動きが好きっていうのは、ちょっとだんだん分かっていって、2日目か3日目くらいで。「私もやりたい!」みたいな。石川晴人役の斉藤天鼓くんが、かなりファニーなお芝居をしていたので、「私もやりたい!」と思いました。

ー: そうなんでうね。共演者を見て、自分のやってみたいっていう気持ちもやっぱり出てくるんですね。

重松りさ:そうです。西川さんを笑わせたいじゃないけど。
西川さんって、すごく優しいクマちゃんみたいな人だから、「笑ったら可愛いなー」みたいな。

ー: からだは大きいけど、小熊みたいな感じですよね。

重松りさ:そう、小熊ですね。

ー: 西川監督も本作を“シュールコメディ”といった表現をしていて、そういった描き方に、「うん、わかるわかる」と思いながら観ていました。

▼脚本を最初に読んだ時の感想と、完成した作品を観ての感想

ー: 聞いてみたいのが、脚本を最初に読んだ時の感想と、撮影を終えて、編集終わって、完成した作品を見ての感想と、多分2つあるんじゃないかなと思っていて、その2つをちょっと聞いてみたいんですけども。

重松りさ:脚本を読んだとき、どうだったかな。そもそも、あ、そうだ、企画の段階で私が最初にコメディーをやりたいって言ったんですよ、そういえば。

ー: それは先にあったんですね。

重松りさ:そうです。だから、どういうふうに西川さんがそれを作ってくれるのかなっていうのがあったんですけど、もう私は読んだ段階で、美波っていうキャラクターを演じるのがすごい楽しみになって、まあ、本編見てもらった方はわかるんですけど。
一歩間違えると結構嫌な子に見えるというか、フテくされてるし、悪態つくし、友達の彼氏を殴っちゃうし、結構突飛な動きをするんですけど、根がすごく素直な子なんですよ。

なので、そのバランスを楽しんで演じたいなっていうところがあったのと、お寺について結構西川さんが詳しく調べてくれてたのが、すごく嬉しかったです。舞台になっているお寺さんは、ちょっと宗派が違うんですけど、実家とは。

▼完成した作品をみての感想は?

ー: 完成した作品見ての感想はいかがですか?

重松りさ:なんか正直もうなんか冷静に見れないところがあって、最初の試写とか「あそこちょっとやばかったよなー」とかちょっと脳裏にあるから大丈夫かなと思って観たんですけど、周りの役者さんに助けられているからどのシーンもめちゃくちゃ素敵に仕上がっていて安心しました。笑
特にお母さん役の赤間さん、本当に柔らかくて柔軟で私がどんな芝居をしても私が悩んでてもうまくお芝居できるように自然とアシストしてくれる。 やっぱり映像で見ると余計にわかりますね、お芝居がうまい人のすごさって。

あとはなんだろう、美波のいきなり走り出したりとかなんかちょっとやりすぎたかなって思ったんですけど、まあこれはこれで漫画っぽくていいかっていう感じ、ちょっと大げさな感じは、私のお芝居の中では初めてやった感じで、いわゆる映画っぽい映画が好きな方にはもしかしたらハマらないかな?と思うけど、カジュアルに楽しみたい方にはいいのかなって思います。

▼とよはしフィルムコミッション 鈴木恵子さんの存在

ー: エンドロールにお名前があった鈴木恵子さんについて、伺いたいのですが。とよはしフィルムコミッション(以下、とよはしFC)の方で亡くなられてしまったのでしょうか?

重松りさ:そうです。この現場が最後でしたね。

ー: 撮影中はお会いしたんですか?

重松りさ:初日から出迎えてくださって、お弁当とかも用意してくださったり、暑い中、体調もあんまりその時から良くなかったみたいなんですけど、現場に2時間とか来てくださって、「頑張ってるね」とか優しい言葉をかけてくれて。で、最後、私が最後にお別れするときに「私と会った人は必ず売れるから大丈夫」って言ってくれて。優しい方だなぁと思って。 そういう言葉をもらっているから、特別な感情がありますよね。そうです。すごく素敵な方でした。
とよはしFCは、作品の大小関係なく、熱量ある対応をしてくださる方ばかりで、いろいろな方がいらっしゃるんですけど、本当に素敵な方ばかりです。
豊橋のフィルムコミッションの方がいなかったら撮れてないと思います。

▼お客様へのメッセージ

ー: まとめというか、こういう作品って意外とお客様へのメッセージって難しいとは思うんですけど、見る方へのメッセージ、見どころみたいなところをお願いします。

重松りさ:そうですね。まずはこの記事を読んでくださってありがとうございます。そうですね。まあこれは。高校生の整形が大きなテーマにはあるんですけど、家族の価値観の問題だったり、将来に対しての不安に対してのお話だったり、いろいろな要素が入っている作品です。

その作品をシリアスになりすぎず、シュールコメディとして作っているので、本当に家族で一緒に観に来てもらいたいです。それで家族で、世代の違いからお話しし合って、団らんの時間を作ってもらえたらいいなと思います。

自分の、例えばこの美波のように、自分が変わりたいと思っても動けないことに一歩踏み出すっていう勇気を与えられるような作品だと思うので、ぜひ気になる方は来てください。2週間しかやらないので、タイミングを逃さないでください。 観られる期間が2週間しかないので、ぜひお願いします!


【劇場情報】

新宿 K’s cinema

上映期間11/16(土)~
上映時間11/16(土)~11/22(金) 16:20~
11/23(土)~11/30(金) 10:00~
当日料金一般:1,800円/大学・高校:1,500円/シニア:1,200円/障がい者・同伴者(1名まで):各1,000円
特別鑑賞券1,500円 11/15(金)まで販売 ※WEB予約ではご利用いただけません。
備考【上映時間変更】11/23(土)~ 10:00

大阪シアターセブン
上映期間:12/14(土)〜12/27(金)   2週間限定公開


映画『太陽がしょっぱい』

【ストーリー】
由緒正しきお寺の娘である河合美波は、愛知・豊橋の⽥舎で育った高校2年生。

友達の彼氏の話を聞いたり、暇つぶしにsns動画を見ては、のほほんとした⽥舎生活を過ごしていた。そんな折、中学生の同級生、花怜の動画を見つける。

なんと花怜はぱっちり二重まぶたに大変身していた。パッとしなかったあの花怜が、キラキラモテ女になってる事に驚く。

自分も整形をしたいと家族に打ち明けるが、大反対をくらう。そんな中、美波は決意する。

美波は整形に向けて行動を起こし始めるが、様々な価値観が交差するなか、美波は整形をするのか?

監督 西川達郎
出演
重松りさ/金野美穂/赤間麻里子/野村たかし/小田原さち/速水今日子/平美乃理/松尾潤/斉藤天鼓/梁瀬泰希/小浜桃奈/永田彩葡/安部一希/静谷篤

作品データ 2023年/日本/86分/2ch/シネスコ
配給 ARK Entertainmet,Inc.

公式SNS(X) https://x.com/taiyofilm1116

公式SNS(instagram) https://www.instagram.com/filmtaiyo1116

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