2024年11月4日、第13回 茅ヶ崎映画祭 特別招待作品として、オムニバス映画『Mothers マザーズ』が上映され、上映後に舞台挨拶が行われた。登壇者は5つの短編のスタッフ、キャスト総勢19名。それぞれが作品に関してのエピソードや想いを語った。
■ 茅ヶ崎映画祭特別招待作品『Mothers マザーズ』舞台挨拶
本作は、5つの短編映画から構成されており、「母」という共通のテーマで、それぞれ異なる監督、脚本家、キャストによって描かれている。舞台挨拶には、各作品の監督、キャスト、そしてプロデューサーらが登壇し、作品への思いや撮影時のエピソードなどを語った。
▼1:『BUG』
武田恒 脚本・監督、小沢まゆさん(母親役)、上田雅喜さん(息子役)が登壇。武田監督は、「わからないものとどのように向き合うか」を主軸に描いた作品だと説明。小沢さんは、魂を削るような思いで演じた役柄について語り、上田さんは、小沢さんや監督のおかげで良い作品になったと感謝の言葉を述べた。
▼2:『夜想』
高橋郁子 脚本・監督、大島朋恵さん(女役)、加藤亮祐さん(男役)が登壇。監督は、日本で古来から伝わる怪談「飴買い幽霊」をモチーフに、朗読劇の手法を活かして実写映画に挑戦した作品だと説明。大島さんは、作品を通して様々な母親像に触れ、自身の家族への思いを馳せる時間になったと感想を述べた。加藤さんは、台湾の映画祭での経験から、この作品を海外の人にも見てほしいという思いを語った。
▼3:『いつか、母を捨てる』
脚本 進藤きい、木内麻由美監督、外山史織さん(娘・晶子役)、山野海さん(母親役)、岡見時秀(上々軍団さわやか五郎)さん(強盗役)が登壇。木内監督は、誰もが心に抱えているかもしれない親子の葛藤を誇張して描いた作品だと説明し、監督から自身の母親に作品鑑賞をすすめたところ「見ない」と言われたというエピソードを明かした。外山さんは、オーディションで200名の中から選ばれたプレッシャーと、撮影現場での支えについて語った。山野海さんは、「一見怖い作品だが、深い親子の愛情物語として演じた」と述べた 。さわやか五郎さんは、20年ぶりに木内監督の作品に出演した喜びを語り、強盗以外の役を演じてみたいという希望を述べた。
▼4:『だめだし』
脚本 たかはCさん、野田麗未監督、高橋明日香さん(母親役)、川越諒さんが登壇。野田監督は、父親の目線を通して家族の在り方を普遍的なテーマとして描いた作品だと説明。高橋明日香さんは、実の両親が鑑賞していることを明かし、喜びを語った 。川越諒さんは、映像作品はお客様に届くまでに時間がかかるものだと語り、一人でも多くの人に見てほしいという願いを述べた。
▼5:『ルカノパンタシア』
難波望 脚本・監督、嶋村友美さん(母・原田路佳役)、森山みつきさん(娘・海凪役)、藤井太一さん(父親役)が登壇。嶋村さんは、真冬の茅ヶ崎の海での撮影について語り、美しい映像が奇跡的に撮れた喜びを明かした。森山さんは、作品の魅力をSNSで発信してほしいと呼びかけた。藤井さんは、作品を観客と一緒に育てていきたいという思いを語った。
今後の展開
舞台挨拶では、『Mothers マザーズ』が2025年1月25日から新宿K’s cinemaで、2月7日から下北沢のエキマエ・シネマ K2で公開されることが発表された。 また、愛知県の刈谷日劇での公開も決定している。
製作者たちからは、自費で制作したこの映画を、これから育てていきたいという熱い思いが語られた。観客も、個性豊かな作品群にそれぞれ共感、舞台挨拶後半のフォトセッションでは多くの人がシャッターをきり、また、舞台挨拶後のロビーでは、作品の感想等を伝え、交流を深めていた。
関連情報
■WEB
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https://mothersfilm.studio.site
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https://twitter.com/TeamMothers