映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』舞台挨拶レポート

映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』舞台挨拶レポート

第37回東京国際映画祭コンペティション部門に出品された映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』の舞台挨拶が、多くの観客を集めて華やかに開催された。舞台には主演の萩原利久、河合優実、伊東蒼、黒崎煌代、大九明子監督が登壇。温かい拍手に迎えられ登場した。

まず、萩原さんは「東京国際映画祭という素晴らしい舞台に立てることを光栄に思います」と喜びを語り、観客への感謝の気持ちを述べた。

萩原利久

黒崎さんも「完成した作品を皆さんに届けられることにワクワクしています。ぜひ楽しんでください」と挨拶し、作品への熱い思いを伝えた。

大九監督は、先日行われたワールドプレミア上映時には一人でQ&Aに臨んだことに触れ、「今日はキャストの皆さんとここに立てて嬉しいです」と笑顔を見せました。

司会者から、ジャルジャル福徳秀介さんの原作小説を映画化した理由を尋ねられた大九監督は、「登場人物が熱い想いを込めて語る長ゼリフのシーンに心を打たれ、映像化に挑戦したいと思いました」と答えた。上映前の舞台挨拶であったが、このシーンは観客にとって印象的な場面になるだろう。

萩原さんは、冴えない大学生・小西という役作りについて、「ステレオタイプなキャラクター像にとらわれず、小西の思考や行動を一つ一つ丁寧に考えていきました」と明かしました。小西の複雑な内面を理解しようと、共感できる部分とそうでない部分の両方に真摯に向き合ったとのこと。

萩原利久

役作りにおいては、事前に正解を決めるのではなく、様々な可能性を模索し、現場での共演者や環境との相互作用の中で小西という人物を構築していったという萩原さん。その言葉からは、役者としての真摯な姿勢が伝わってきた。

河合さんは、「お団子頭や彼女の姿勢、衣装合わせでの衣装やメイクなど、外見的な要素から役作りを始めました」と語りました。
さらに、「脚本や小説を読んでも、桜田はまず小西の視点から描かれている」ため、「最初は小西から見た桜田、もしくは観客から見た桜田」を意識して役作りを進めたとのこと。
そして、自分の外から見た彼女のイメージをヒントにして作っていった結果、桜田を演じる上での大きな最初のきっかけになったと語った。

河合優実




伊東蒼さんは、小西のバイト仲間「さっちゃん」の役作りについて語った。
伊東さんは、原作を読んだ際に「さっちゃん」の持つ温かさや優しさ、一緒にいると楽しくなる雰囲気に惹かれたと語り、「映画を見た皆さんにもそう思っていただけるような“さっちゃん”でありたい」と役への気持ちを語った。
また、撮影現場が大阪で、自身の地元に近かったことも役作りに役立ったと伊東さん。 「さっちゃん」が暮らす環境を想像しやすく、自分との共通点も多く感じられたため、リラックスして自然体で演じることができたとのこと。 その結果、「自分自身を映画の中で表現できた」という。


黒崎さんは、小西の唯一の友人である山根を演じる上で、原作の特徴的な関西弁のセリフに苦労したエピソードを披露しました。監督とのリハーサルを通して、まるでラップであるかのような独特のイントネーションを掴んでいったことを明かした。山根のコミカルなキャラクターは、映画に笑いを添える重要な要素となっている。

大九監督は、ベテラン俳優から若手俳優まで、幅広い世代の役者が集結した本作について、「私にとって特別な作品です」と語った。

萩原利久
河合優実

萩原利久

映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』

原作:福徳秀介『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』(小学館刊)

監督・脚本:大九明子

出演:萩原利久

   河合優実 伊東蒼 黒崎煌代

   安斎肇 浅香航大 松本穂香 / 古田新太

制作:吉本興業 NTT ドコモ・スタジオ&ライブ 日活 ザフール プロジェクトドーン

製作幹事:吉本興業 制作プロダクション:ザフール

配給:日活
©2025映画「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」製作委員会

2025年4月全国公開

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