11月1日、第37回東京国際映画祭にて、映画『ルート29』の舞台挨拶が行われ、主演の綾瀬はるかさん、大沢一菜さん、そして森井勇佑監督が登壇。 会場は多くの観客で埋め尽くされ、3人が登場すると大きな拍手と歓声が沸き起った。
■ 映画『ルート29』
綾瀬はるか×『こちらあみ子』の森井勇佑監督
空っぽな心が満ちていく新たなロードムービーの傑作誕生
監督デビュー作『こちらあみ子』(22)で、第27回新藤兼人賞金賞をはじめ、数多くの賞を受賞し、多くの映画ファンを魅了した森井勇佑。2作目を待ち望まれていた森井監督が、2022年に出版された詩人・中尾太一の詩集「ルート29、解放」(書肆子午線刊)からインスピレーションを受け、姫路と鳥取をつなぐ1本の国道29号線を1ヵ月近く実際に旅しながら、独創的なオリジナル脚本を執筆。国民的な人気を誇る女優・綾瀬はるかを主演に迎え、優しさにあふれるリリカルなロードムービー『ルート29』を完成させた。
他者と必要以上のコミュニケーションをとることをしない女性・のり子は、鳥取の町で清掃員として働いている。ある日、仕事で訪れた病院で、入院患者の理映子から「姫路にいる私の娘をここに連れてきてほしい」と頼まれた彼女は、その依頼を受け入れ、単身で姫路へと向かう。理映子から渡された写真を頼りに、のり子が見つけることができた少女・ハルは、林の中で秘密基地を作って遊ぶような風変わりな女の子だった。初対面ののり子の顔を見て、「トンボ」というあだ名をつけるハル。さまざまな人たちと出会いながら、姫路から鳥取まで一本道の国道29号線を進んでいく2人の旅が始まった──。
▼映画『ルート29』第37回東京国際映画祭 舞台挨拶
森井監督は、前作『こちらあみ子』の制作後、プロデューサーとして次の企画を模索していた際に、中尾太一さんの「ルート29、解放」という詩集を渡されたことが映画化のきっかけとなったと明かした。 その詩集から映画のシチュエーションとしての可能性を感じ、すぐに映画化を決意したとのこと。 また、主演の綾瀬さんと大沢さんのキャスティングについては、 「2人の旅という設定の中で、2人のバランスを平等に描くことを意識した」 と語り、作品へのこだわりを覗かせた。
綾瀬さんは、東京国際映画祭への参加が今回初めてだったことを明かし、映画祭での上映に興奮した様子。 彼女は自身の演じるのり子という役柄について、 「自分の中に大きなルーチンを持っている女性」 であり、 「マイペースに見えながらも強い愛情を持っている」 と説明した。
大沢さんは、撮影が進むにつれて、綾瀬さんとの距離感が劇中のハルとのり子の関係性のように縮まっていったというエピソードを語った。 綾瀬さんは特に、撮影中に多くのカエルや昆虫に出会ったことが印象的だったと振り返った。
また、大沢さんは綾瀬さんを自宅に招いたエピソードを語った。綾瀬さんは「スケジュールを見て、いつがいいかなって考えました。一緒にババ抜きをしたり、本当に楽しかったです。」 と語り、プライベートでも交流を深めたことを明かした。
綾瀬さんは、森井監督との仕事について、世代が近いこともあり、感覚的に共感できる部分が多く、安心感があったとコメント。 一方、森井監督は綾瀬さんと大沢さんについて、 「誰にも属していないような独特の雰囲気があり、それが今回の役柄にも反映されている」 と評価した。
大沢さんは、綾瀬さんの共演を通して演技に対する意識が変わった点として、綾瀬さんの表現力をあげた。
映画『ルート29』
綾瀬はるか
大沢一菜
伊佐山ひろ子 高良健吾 原田琥之佑 大西力 松浦伸也/河井青葉 渡辺美佐子/市川実日子
監督・脚本:森井勇佑
原作:中尾太一「ルート29、解放」(書肆子午線刊)
主題歌:「Mirror」Bialystocks(IRORI Records / PONY CANYON)
企画:孫家邦 プロデューサー:近藤貴彦 波多野文郎
撮影:飯岡幸子 照明:秋山恵二郎 録音:髙須賀健吾 美術:大原清孝 音楽:Bialystocks
編集:早野亮 衣裳:纐纈春樹 ヘアメイク:豊川京子、千葉友子
VFXプロデューサー:赤羽智史 音響効果:勝亦さくら 助監督:羽生敏博
宣伝プロデューサー:尾関智美
製作:東京テアトル U -NEXT ホリプロ ハーベストフィルム リトルモア
製作プロダクション:ハーベストフィルム リトルモア
配給:東京テアトル リトルモア
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業) | 独立行政法人日本芸術文化振興会
2024/日本/カラー/ヨーロッパ・ビスタ/5.1ch/120分
©︎2024「ルート29」製作委員会
11月8日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開