2012年に若松孝二監督が亡くなって、早や12年。十三回忌となる今年は毎年開催している命日上映会をパワーアップ!10月11日(金)から命日である10月17日(木)まで一週間、テアトル新宿にて日替わり上映会を実施。上映後には連日ゲストを招いてのトークショーも。さらに、シネマイクスピアリ(千葉)、シネマスコーレ(名古屋)、シアターセブン(大阪)でも上映会を行う。上映スケジュール、ゲストを一挙掲載。
■ 『若松孝二 十三回忌イベント』
「俺が死んでも映画は残る。映画に時効はない」
若松孝二の言葉をゲストが実践。
柄本佑が、泉房穂(前・明石市長)が、映画を、青春を縦横無尽に語り尽くす!
「俺が死んでも映画は残る。映画に時効はない」
若松孝二のこの言葉を実践するかのごとく、今年の上映作品は多岐にわたる。
1970年の『性賊 セックスジャック』から2004年の『17歳の風景 少年は何を見たのか』、2010年の『キャタピラー』(ベルリン国際映画祭で寺島しのぶが最優秀女優賞を受賞)までの若松作品に加え、若松プロに集った若者たちの青春群像劇『止められるか、俺たちを』(白石和彌監督)と『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』(井上淳一監督)、さらには『青春ジャック』に劇中映画として登場した『燃えろ青春の一年』、『青春ジャック』コンビの井上淳一監督と木全純治シネマスコーレ代表が監督とプロデューサーとしてタッグを組んだ『いきもののきろく』(原案・主演・永瀬正敏/主題歌・PANTA)の東京初上映など、例年の命日上映会を超えた広がりをみせる。
また、上映後のアフタートークに登壇するゲストも多彩だ。
『17歳の風景』には大河ドラマ『光る君へ』で話題の柄本佑が、大阪・シアターセブンの『青春ジャック』の上映後には泉房穂(前・明石市長)が登壇し、映画を、青春を縦横無尽に語り尽くす。
さらには、紛争予防・平和構築の研究者である伊勢崎賢治が『キャタピラー』をテキストに「国家と個人と戦争」を語り、『燃えろ青春の一年』の主演で80年代に「小劇場の聖子ちゃん」と呼ばれた美加理と『青春ジャック』でその美加理を演じた向里祐香がW登壇、他にも『止められるか、俺たちを』のタモト清嵐、『いきもののきろく』のミズモトカナコや、若松プロを支えた足立正生、ガイラ、白石和彌、大日方教史、辻智彦(撮影)の登壇、『青春ジャック』の宮田岳と中野ミホのミニライブが決定している。司会は連日、井上淳一がつとめる。
また、現在交渉中のゲストも決定次第、SNSで発表していく。
▼コメント
尾崎宗子(若松プロダクション代表)
父である若松孝二の口から、生前、「俺が死んでも映画は残る。映画に時効はない」と聞いた時、私は半信半疑でした。それが、12年前、突然父がいなくなり、若松プロを継ぐことになり、最初は一年だけと思って始めた命日上映会が二年になり、三年になり、五年になり、十年になって、はじめてその言葉が本当だったと実感しました。毎年毎年、父が残した作品を観て、父の思い出を共有してくださるお客さんたち。映画に時効はありませんでした。ありがたいことに、今年はテアトル新宿さん、シネマイクスピアリさん、シアターセブンさんで一週間の命日上映会を組んでいただき、また、シネマスコーレでは命日に旧作が上映されます。若松孝二の映画が今年もひとりでも多くの方に届くことを願っています。しかし、若松孝二に頼ってばかりもいられません。閉塞感で破裂しそうになっているこの世界に向けて、作品を生み出す磁場としての若松プロであり続けたいと願っています。
井上淳一(脚本家・映画監督)
僕が若松プロにいたのは19歳から25歳までの5年半に過ぎません。正直言えば、ここにこのままいても先はないと考え、離れることを決意しました。それでも僕は、若松プロ出身と口にする時、どこか誇らしげだったと思います。それは若松プロを通り過ぎた先輩後輩も同じだったのではないでしょうか。足立正生さんもガイラさんも髙間賢治さんも荒井晴彦さんも、みんな。その秘密に少しでも迫れたらと、二本の脚本を書き、その内一本は監督しましたが、やはり分かりません。今回の命日上映週間でその謎を解き明かせたら、というのはあまりにも宣伝惹句すぎるでしょうか。でも、そういう一週間になればいいと思っています。
最後に自分の監督作品の宣伝をさせてください。『青春ジャック』をご覧になった方はわかると思いますが、『燃えろ青春の一年』は劇中で出てきた河合塾の映画です。まさか河合塾の入塾式で上映するためだけの映画がテアトル新宿のスクリーンで観られるなんて、僕自身が感無量です。同時上映の『いきもののきろく』は木全純治シネマスコーレ代表の初プロデュース作品で東京初上映になります。この映画を作り、シネマスコーレで上映した10年前は47分の短篇を単独で劇場公開するすべがありませんでした。公開方法を探る内に無駄に時間が過ぎました。しかし、先日、『箱男』を観て、この時間は無駄ではなかったと確信しました。『いきもののきろく』は永瀬正敏さんの原案です。『箱男』を観て、気づきました。これは『箱男』を作れなかった時期の、永瀬さんの『箱男』ではなかったのか、と。その映画を『箱男』と前後して上映できるのは、映画の神様のなせる業ではないでしょうか。また、この映画の主題歌は、昨年亡くなったPANTAさんです。この映画には多くの追悼が詰まっています。是非、ご覧ください。
▼上映&トークショー詳細
テアトル新宿 (https://ttcg.jp/theatre_shinjuku/movie/1155700.html)
<上映期間> 10月11日(金)~17日(木)
<上映作品&トークショー>
■10月11日(金)17時50分
『キャタピラー』 ゲスト/伊勢崎賢治(紛争予防・平和構築の研究者)
■10月12日(土)17時50分
『17歳の風景 少年は何を見たのか』 ゲスト/柄本佑 白石和彌
■10月13日(日)17時50分
『止められるか、俺たちを』 ゲスト/タモト清嵐ほか
■10月14日(祝・月)17時50分
『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』 ゲスト/宮田岳ほか
■10月15日(火)17時50分
『いきもののきろく』『燃えろ青春の一年』 ゲスト/美加理・向里祐香・ミズモトカナコほか
■10月16日(水)17時50分
『性賊 セックスジャック』 ゲスト/足立正生・ガイラ・大日方教史ほか
■10月17日(木)21時00分
『若松孝二作品』メイキング ゲスト/大西信満・辻智彦ほか
※司会は13日を除きすべて井上淳一
※追加ゲストは決定次第SNSで発表
シネマイクスピアリ (https://www.ikspiari.com/cinema/)
<上映作品>『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』
<上映期間> 10月11日(金)~17日(木)
<イベント>
■10月14日(祝・月)11時00分 ゲスト/宮田岳&中野ミホ(ミニライブ)・井上淳一
■10月17日(木)14時00分 ゲスト/芋生悠・井上淳一
シネマスコーレ (http://www.cinemaskhole.co.jp/cinema/html/)
<上映作品>『処女ゲバゲバ』
<上映日> 10月17日(木)15時40分
シアターセブン (https://www.theater-seven.com/)
<上映作品>『止められるか、俺たちを』『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』
<上映期間> 10月12日(土)~18日(金)
<トークショー>
■10月13日(日)14時20分 ゲスト/泉房穂(前・明石市長)・大友麻子(若松プロ)
■若松孝二公式サイト http://wakamatsukoji.org/