6月18日に池袋シネマ・ロサにて、椎名零監督作品『ここ以外のどこかへ』の上映が決定。本作はコロナ禍を舞台とし、家族の在り方を一つの主題とした作品。
監督を務める椎名零は前作「グラデーション」が2021年6月池袋シネマ・ロサ「新人監督特集vol.7」にて劇場公開され、注目を集めている新鋭監督の一人。
この度、映画監督やイラストレーターからのコメントも到着した。
コロナ禍が浮き彫りにした家族の在り方を問う物語
本作の監督は、青年同士の恋とも友情ともつかない交流を描いた映画「グラデーション」(2020)で劇場デビューを果たした椎名零。人間関係の機微を丁寧に切り取る独自の感性が評価されている。
「家にいられない事情がある人々や家にいたくない気持ちを抱える人々に寄り添う映画を、ステイホームが奨励される今こそ作りたい」という監督の思いから制作され、親を持つ子、子を持つ親、家族を持つすべての人にとって他人事ではない、家族との向き合い方を問う作品に仕上がった。
ダブル主演を務めるのは、共に映画初主演である辻本りこと森本あお。二人の母親役として小夏いっこ、大石菊華が出演。対照的な二つの家族がリアリティをもって描き出されている。
2021年7月に企画始動、8月から9月にかけて撮影が行われ、完成から一年と経たずに劇場公開を迎えることとなった。製作費を募り実施したクラウドファンディングは達成率190%超で終了し、公開前から注目を集めている。
■ 映画『ここ以外のどこかへ』
〇あらすじ
コロナを理由に母親(大石菊華)に外出を禁じられ、何ヶ月も外に出ていないひかる(森本あお)。日々飲んだくれる母親(小夏いっこ)に悩まされ、家に居場所がないみおな(辻本りこ)。ある夜家を飛び出したひかるは偶然みおなに出会い、「家にいたくない」思いを抱える二人はあてどない”夜の散歩”に出かける。
▼ 映画監督、イラストレーターからのコメント(一部抜粋)
野本梢(映画監督『愛のくだらない』)
家や家族が誰にとっても安心できる処ではない。
おうち時間が誰にとっても自分を守るべくあるのものではない。
絆や繋がりもなく、でも明日からの自分のために殻を破ろうとする二人の衝動は、暗闇に光さす青春やシスターフッドへの賛歌ではない。今ここにある現実である
柴口勲(映画監督『隣人のゆくえ』)
切り取られた世界に芳香剤の匂いはなく、終始生活臭が漂った。だから豊かなリアリズムがあり、そこに詩があった。
「線を越えて行け、ここ以外のどこかであればそれでいいじゃないかと」つぶやいてしまった。その理由はわかっている。主演二人の芝居に引き込まれてしまったから。
黄身子(イラストレーター/漫画家)
ここにあるのは、逃亡ではなく向き合う勇気と、それを支える小さな奇跡だと思います。
お伽話ではなく、暗い時代なのかもしれない私たちのいまの日常のとなりにあるものとして、
明け方の空のグラデーションのように優しさを幾重にも重ねて伝えてくれる、
強くて優しいふたりの女の子に、たくさんのあなたに出会って欲しいです。
〇上映情報
上映劇場:池袋シネマ・ロサ
上映期間:2022年6月18日(土)~7月1日(金)
チケット:前売り券1,300円 当日一般1,500円
〇クレジット
出演:辻本りこ 森本あお 小夏いっこ 大石菊華 渡部直也 茶依 谷口昌英 寒川祥吾 渡邊麻梨奈 本多奈々子 小川兎海
監督・脚本・編集:椎名零|撮影・照明:逵真平|撮影助手:安井彬|撮影応援:谷口昌英 宮坂一輝|制作進行:冨福恭平 橋本颯太|制作:大野安由好 三浦泰隆|録音:梅田侑宜 橋本颯太|録音協力:松沢梢| 広報:大野安由好 堀越まい|衣裳:樋口菜摘|スチール:サイトウムネヒロ|カラリスト:よう|音楽:ren du|宣伝美術:藤巻菜々子
2021年/日本/55分/16:9
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2022/6/18(Sat.) ~ 2022/7/1(Fri.) 2週間限定レイトショー