個性豊かなキャスト陣が織りなす青春群像劇!映画『ほなまた明日』初日舞台挨拶レポート

個性豊かなキャスト陣が織りなす青春群像劇!映画『ほなまた明日』初日舞台挨拶レポート

9月28日、新宿K’s cinemaにて満員御礼で迎えられた映画『ほなまた明日』の初日舞台挨拶に、主演の田中真琴(草馬ナオ 役)、松田崚汰(山田 役)、重松りさ(小夜 役)、秋田卓郎(多田 役)、そして、道本咲希監督が登壇した。

ワークショップ形式のオーディションで、写真と真摯に向き合った撮影の裏側を語る

本作は、『カメラを止めるな!』を生み出したENBUゼミナールのシネマプロジェクト第11弾作品。 キャスティングはワークショップを兼ねたオーディション形式で行われ、その後も4日間のリハーサルを行うなど、時間をかけて作品を構築していったという。 道本監督は、「ワークショップで俳優さんと有意義な時間を共にして、お芝居のことを一緒に考えることも大切で、それを通してのオーディションとしました。そして、メインとなったこの4人とは、追加のワークショップもたっぷりとやりました。」と説明し、作品への熱い想いを語った。

田中真琴は、演じるにあたりフィルム式の一眼レフカメラを持ち歩き、撮影を楽しむようにしたという。街を一人で歩き、写真を撮ることを続けるうちに、「撮影が始まったらきっと私はナオでいれるなっていう自覚が出てきました。」と語り、役と真摯に向き合う姿が見られた。 さらに、役作りの一環として秋田卓郎と共に街に出て、道行く人に声をかけ、写真を撮らせてもらうなど、リアルな体験を通して役を深めていったという。

写真を通して成長する登場人物たち。演じるキャスト自身の成長も

重松りさは、役柄と自身の境遇を重ね合わせ、共感しながら演じることができたという。 写真に対してコンプレックスがあったが、本作のスチールカメラマンである染谷かおり氏の撮影風景を見学する中で、人物の魅力を引き出すカメラマンの雰囲気作りを学ぶことで、コンプレックスを克服したと語った。

秋田卓郎は、現役大学生である親戚に話を聞き、自身の過去を振り返ることで役作りに取り組んだことを明かした。 また、今回の撮影を通して、普段見過ごしていた風景に目が行くようになったと語り、写真を通して自身の感性が磨かれたことを実感しているようだった。

松田崚汰は、写真家・熊谷聖司氏を参考に役作りを行い、実際に熊谷氏本人との面会も果たしたことを明かした。 熊谷氏の作品集を事前に見たり、写真展に足を運ぶなど、役への理解を深めたという。

キャスト自身が撮影した写真にも注目!パンフレットにはキャストの作品も

道本監督は、キャストたちにそれぞれ自身で撮った写真をファイリングし、作品集としてまとめるように指示したという。 これは、「撮ることの怖さとか、作品を作るって一体なんだ?、写真とは何だ?みたいなところを一緒に考えた。」ためだという。 これらの作品は本作のパンフレットにも収められており、道本監督は「みなさん、それぞれが演じた役が撮りそうな写真を撮ってくださっていて、それが本当に見事に4人全然違うんです。それがとても面白い。」と、観客にアピールした。

田中真琴は、秋田卓郎が撮影した写真について「私、笑っちゃったもん。こんなに肩の力が抜けた写真は、私は提出できない(笑)でもこういうのもいいなって。」と、その個性的な作品に笑顔を見せた。

夢に向かって努力するすべての人へ。背中を押してくれる青春映画

最後に田中真琴は、「ちょっと他ではなかなか観られない、リアルな作風で、登場人物全員のバックボーンがしっかり見える作品になっていますので、皆さんそれぞれが何か面白いなって思うところを見つけていただければ嬉しいです。」と観客へメッセージを送った。

道本監督は、「この4人の芝居がとても良くて、ちょっとした間にもそれぞれの人生が垣間見えたりするところもありますし、観る人が、それぞれの推しのキャラクターを見つけるのもこの作品の楽しみ方のひとつだと思います。」と作品の魅力を語った。

SNSでの評価に左右されやすい現代において、自分の信じる道を歩み続けることの大切さを描いた本作。夢に向かって努力するすべての人々の背中を押してくれる、そんな力強いメッセージが込められた作品となっている。

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