映画「兎姉妹」トークショー。脚本・主演を務めた高尾美有、遠藤大介監督、映画制作の苦労や作品に込めた思い

映画「兎姉妹」トークショー。脚本・主演を務めた高尾美有、遠藤大介監督、映画制作の苦労や作品に込めた思い

2024年8月27日、シモキタ-エキマエ-シネマ K2 にて、映画「兎姉妹」の上映後トークショーが開催された。脚本・主演を務めた高尾美有さんと遠藤大介監督、ゲストには里内伽奈さんを迎え、映画制作の苦労や作品に込めた思いを語った。

■ 映画『兎姉妹』

親の都合に振り回された姉妹の行末。 “姉妹”とは“家族”とは何なのかー

INTRODUCTION
パルマジャパン国際短編映画祭 観客賞受賞

親の都合に振り回された姉妹の行末。
“姉妹”とは“家族”とは何なのかー
を俳優・高尾美有の実体験を含めて子供目線から描く。

社会問題でもある親の虐待や、親同士の離婚などで
心に傷を負った子供が、
何に葛藤し誰を信じて、どう生きていくのかを表現したい―

駆け出しの監督と俳優が、
「自分たちで作品を作って発信しよう!観てもらおう!」
という想いのもと、本作を共同企画。
脚本についても、俳優・高尾美有が初挑戦した。

企画メンバーは、
本作が初監督となる遠藤大介
俳優・高尾美有(映画『消せない記憶』)
俳優・松嶌かおり(映画『台風家族』)
また、音楽は朝岡さやか(映画『茶飲友達』)が担当。

“映画を通して人の心に触れたい。
作り手の驕りだとしても、人の心に残る物を作りたい”

2人の若い女優が、身体を張ってその生きざまを曝け出してます。
この映画を通して、是非それを目撃してください。

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▼映画「兎姉妹」トークショー

◆フィクションとノンフィクションを織り交ぜて…

トークショーでは、映画の制作過程、特に脚本の改稿や編集作業の困難さが語られた。
高尾さんは、自身の体験を基に、フィクションとノンフィクションを織り交ぜた脚本を執筆した。撮影後も、監督の遠藤大介さんと共に、物語の展開や登場人物の心情をより効果的に表現するために、構成を大幅に変更するなど、編集作業に多くの時間を費やしたという。

◆印象的な宴会シーンの撮影秘話

トークの中では特に印象的な宴会シーンの撮影秘話も明かされた。
このシーンでは、温泉コンパニオンのリアルな姿を表現するため、役者たちは台本に書かれた簡単な設定のみで、即興で演技を行ったという。高尾さんは、妹と姉の対比を見せるためにも、人間の醜さや汚さを露骨に描きたいという思いから、より過激な演出を希望したが、遠藤監督は作品全体のバランスを考慮し、表現のレベルを調整したと明かした。

◆姉妹がバニーガールの衣装を着て街を歩くシーンについて

姉妹がバニーガールの衣装を着て街を歩くシーンは、観客に強烈な印象を与えた。 監督は、このシーンで、空間に放り出されたような姉妹の孤独感や異物感を表現したかったと語った。妹を車で迎えに来るシーンも撮影予定だったが、最終的にはカットされたという。

◆脚本・主演を務めた高尾さんの感想

高尾さんは次のように語った。「今回、俳優として、映画界に自分の居場所を作りたかったので製作をしました」、「企画から公開までの道のりを振り返り、“全部大変だった”」と率直な気持ちを吐露した。 脚本の書き直し、編集作業、映画祭への応募、資金調達、宣伝活動など、初めての経験ばかりで、その苦労は想像を絶するものだったという。
それでも、「我が子のように作品を育てていきたい」という一心で、作品を完成させ、観客に届けることができた喜びを語った。

◆本作の劇場公開にあたっての里内伽奈さんの言葉

ゲストとして登壇した里内さんは、今日の場に声がけいただけたことに感謝の言葉を述べたあと、「短編映画だけれども映画館で公開できる形が広がっていけばいいなって思っている」、「俳優が作った作品を皆さんに見ていただける機会って本当に素敵だと改めて思った」と自身も脚本を書き、作品をプロデュースする立場としての感想を語った。

◆遠藤監督からのメッセージ

遠藤監督は、「兎姉妹」は、20分の短い作品ながら、姉妹の関係性や、そこに至るまでの複雑な背景を描き出すことに挑戦した作品だと語った。

「ぎくしゃくした関係に見える姉妹にも、過去には多くのエピソードがあったはずであり、作品を見た後も、観客それぞれの想像力で、姉妹の未来や過去について思いを馳せてほしい」 と語りかけ、限られた時間の中で、多くの余韻を残す作品を目指したと語った。



■ 映画『兎姉妹』

STORY
温泉コンパニオンである須藤燈(29)の職場に現れた新人嬢は
6年前に行方不明になった妹の須藤優衣(27)だった。
突然の再会に驚愕する姉妹は、
接待の合間、各々の空白を埋めるような会話をする。
親に翻弄された姉妹に待っていた未来とは―

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▼キャスト
高尾美有 松嶌かおり
福田温子 長島悠子 ジャン・裕一 田口智也 光永聖 樹下陽示 立川亮介 永井雅之

▼スタッフ
監督 遠藤大介

脚本 高尾美有

プロデューサー
遠藤大介 高尾美有 松嶌かおり

アソシエイツプロデューサー/児玉健太郎
協力プロデューサー/宇津井武紀

撮影:角洋介 井野口功一
録音:字引康太
音楽:朝岡さやか
編集:遠藤大介 高尾美有 松嶌かおり
衣装:くつみ綾音
ヘアメイク:くつみ綾音
スチール:松井綾音
製作:遠藤大介

2024年8月23日(金)〜 8月29日 (木)シモキタ – エキマエ – シネマ K2 にて上映

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