8月5日、シモキタ-エキマエ-シネマ K2で行われた映画『思い立っても凶日』のトークイベントに、主演の田村魁成さん、監督の野本梢さん、そしてゲストには俳優の松嵜翔平さんを迎え、和やかな雰囲気でトークが進められました。イベントでは、映画の感想を皮切りに、撮影時のエピソードや、出演者の高校時代の思い出などが語られました。
■ 映画『思い立っても凶日』トークイベント
松嵜さんは、劇中の「悪いキュンキュン」するシーンに共感し、過去の女性との喧嘩を思い出して「惨めな気持ちになった」とコメントしました。
また、松嵜さんは、特に印象に残っているシーンとして体育館でのサッカーの試合シーンを挙げ、「あの先生ってなんも決めねえんだな」とか、「それが、この映画の全部の問題を作っているんじゃないか」と語りました。指導力のない先生によって、キャプテンが困惑している様子や、試合が急に終わる描写も面白かったと語りました。
また、田村さんは、自身が演じた主人公・誠は「撮影中は主人公だと思って演じていたが、実際は(野本監督の)手のひらで踊らされていた」と語り、会場の笑いを誘いました。
さらに、高校時代にサッカー部のキャプテンを務めていたというエピソードを語った野本監督は、当時の苦い経験を明かしながらも、数年後に当時の部員たちから「あの時(あなた)がキャプテンでよかった」と言われたというエピソードを披露しました。
松嵜さんは、自身と主演の田村さんとを対比しました。松嵜さんは自身の高校時代を振り返り、「グレていたわけでもなく、勉強ができるとも限らず、何も物語がなかった」と語り、青春時代を「平凡で平和だった」と表現しました。 一方で、田村さんに対しては「いろんなことに巻き込まれている」と語り、劇中の役柄と重ね合わせるかのように「うらやましい」と感じたことを明かしました。
さらに、松嵜さんは「世の中の人はみんな(映画や漫画のように)渦中の人ではない」と語り、自身の経験を交えながら、ごく普通の高校生活を送っていた人が多いことを示唆しました。 その上で、田村さんのように波乱に満ちた青春時代を送る人物を「渦中の人」と表現し、興味深い人間性を感じている様子を見せていました。