2024年8月5日、シモキタ-エキマエ-シネマ K2にて、映画『渇愛の果て、』のトークイベントが開催された。主演の有田あん、共演の辻凪子、そしてゲストに劇団「東京にこにこちゃん」主宰の萩田頌豊与を迎え、作品に込められたメッセージや制作の裏側について語り合った。
■ 映画『渇愛の果て、』上映後トーク
イベントは、まず有田さんによる登壇者の紹介と、辻さん、萩田さんの自己紹介から始まった。 その後、話題は作品における「言葉の選び方」の重要性へと移る。
萩田さんは、登場人物たちがどのような状況で、どのような言葉を選ぶのか、その葛藤が丁寧に描かれている点を高く評価した。
それを受けて有田さんは、本作が自身の友人の実体験に基づいていることを明かした。妊娠中に困難に直面した友人を支える中で、当事者以外の人々の意識や、男性側の戸惑いなど、様々な問題に直面したという。
そして、そうした経験から、妊娠や出産は女性だけの問題ではなく、社会全体で考えていくべき課題であるというメッセージを込めたと語った。また、本作制作にあたり、医療現場のリアリティを追求するため、医師や看護師の実際の言葉を脚本に取り入れたこと、そして、作品を通して、観客が「言葉にできない感情」と向き合い、それを肯定できるようになることを願っていると語った。
イベント後半では、辻さんが出演するテレビ東京のドラマ「晩酌の流儀3」や、NHK-FMのラジオドラマ「青春アドベンチャー」あたふたオペラ第3弾「きんつば姫とリゴレ糖」の情報が紹介された。 さらに、10月2日からは、東京にこにこちゃんによる新作公演が下北沢の駅前劇場で上演されることも告知された。
最後に有田は、作品を観た人によって感想が異なること、そして、この作品が観客にとって、大切な人を思い出すきっかけになることを期待していると述べた。 トークイベントは、出演者と観客が作品に込めた思いを共有する温かい雰囲気で締めくくられた。