6月15日、新宿K’s cinemaにて、映画『輝け星くず』の初日舞台挨拶が行われ、主演の山﨑果倫さん、森優作さん、西尾孔志監督、製作総指揮の金延宏明さんが登壇した。本作は、社会が失敗に容赦なく、再スタートを切ることが困難な今の世の中で、誰かに信じてもらうことが底辺脱出の大きな力となる様子を、時にコミカルに、時に感動的に描いた映画。
■ 映画『輝け星くず』
▼あらすじ
ある日突然、かや乃が逮捕される。恋人の光太郎は状況が飲み込めない。呆然とした日々を過ごしていると、かや乃の父・慎介から呼び出される。
「かや乃が勾留されてる海の向こうまで一緒に連れて行ってくれないか?」と慎介の頼みを引き受けた光太郎。だが慎介は、自称パニック障害の持ち主で電車はおろか、高速道路でさえ移動ができない。
初対面の恋人の父とギクシャクした心の距離を感じながらも、愛する人が囚われている地・四国へ向けて、海を渡る旅を決行する光太郎。だが旅の途中──慎介がこの世にいないことになっている人物であると発覚する。
社会を脱落した者たちが再び自分の道にチャレンジする姿を描いたヒューマン・コメディ。
▼初日舞台挨拶
初日舞台挨拶には、山﨑果倫さん(かや乃役) 森優作さん(光太郎役) 金延宏明さん(製作総指揮) 西尾孔志監督が登壇した。
主演の山﨑さんは、自身が演じたかや乃役について「脚本を読んだ時から、彼女の優しさと芯の強さに惹かれた」と語った。
森さんは「光太郎役を演じる中で、彼のかや乃に対する不器用な優しさに触れ、心が温かくなった」とそれぞれの役への思いを語った。
金延さんは「この映画は、当初は社会派の作品として企画されていたが、西尾監督と話し合いを重ねる中で、人との繋がりや温かさを描くヒューマンドラマへと変化していった。ぜひ多くの人に見ていただきたい」と作品への自信をのぞかせた。
▼山﨑さんと森さんのお互いの第一印象
山﨑果倫さんと森優作さんは初対面の印象を語り、山﨑果倫さんが緊張してよく喋ってしまったこと。森優作さんが温かく受け止めてくれたことを語った。
山﨑果倫
私はすごく緊張するタイプなのですが、癖として、緊張するとすっごいよく喋ってしまうんですね。それを初対面で森さんに結構浴びさせてしまいました。
森さんの印象はすごくそれを温かく受け止めてくださる方だなと。
でも結構反省しました。「喋りすぎちゃったなぁ」と思って、すっごい家で落ち込んだんですけど、めちゃめちゃ優しくて、そんなことあんまり気にしてない感じだったので、すごくホッとしながら役作りに向き合っていけました。
森優作
初対面のことは、めっちゃ覚えています。
衣装合わせだったんですけど、挨拶するじゃないですか。だいたい人ってこれぐらいの距離で、「初めまして、森と言います、よろしくお願いします」じゃないですか。
山崎さん。これぐらいの距離だったんですよ。
山﨑果倫
盛ってますよね?絶対。
森優作
いやいやいや、なんか“ガッ”て。
「距離、近~っ」て思って。
山﨑果倫
そう思っているだけじゃないですか?
森優作
いや、覚えてるし。
でもその周りの見えてなさが、すごくまっすぐだし、いいところだと思います。
山﨑果倫
え~…
対象物があると何でもすっごい近寄っちゃうんですよ。多分それはなかなか直せなくて…
西尾孔志監督
芝居の上でも、森さんと一緒にやるときに森さんは受けが上手いお芝居の方だと思うんですが、山﨑さんがグイグイ行くじゃないですか。そこがいいコンビだとすごく思います。途中、野獣系っていうか、相手を喰う勢いで行く感じが、本当にグイグイ系で、僕は良いキャスティングでバランスが良くなったなと思っています。
最後に、西尾監督は「自身の挫折や経験を踏まえ、それでも前に進んでいく人々の姿を描きたいと思った。この映画が、見てくださった方々の心に少しでも温かい光を灯すことができれば嬉しい」と締めくくった。
映画『輝け星くず』は、新宿K’s cinemaにて公開中