2人の監督が故郷の街を舞台にした短編映画『春の結晶』(安川徳寛監督)&『にびさびの巣』(岡田深監督)。その同時上映企画「ふたりのまち」が、5月25日(土)から5月31日(金)まで、池袋シネマ・ロサにて、レイトショー上映中。上映初日となる25日(土)に舞台挨拶が行われ、竹内啓、ノブヲ、有希九美、岡田深監督(以上『にびさびの巣』)。さくら、松崎未夢、鎌田らい樹、安川徳寛監督(以上『春の結晶』)の監督、キャストが登壇。映画の制作背景や撮影エピソード思い出を語った。
■ 『春の結晶』&『にびさびの巣』 ~同時上映企画「ふたりのまち」~
▼ひとことあいさつ 『春の結晶』チーム
右)さくら(二宮紗希 役)
二宮紗希 役を演じました、さくらです。よろしくお願いします。
▼ひとことあいさつ 『にびさびの巣』チーム
▼トークコーナー
今回は同時上映企画として、「ふたりのまち」という副題がついている。『春の結晶』(安川徳寛監督)と『にびさびの巣』(岡田深監督)が、去年の長野県上田市で行われた上田城下町映画祭の上映作品に選ばれたことが、今回の上映企画開催のきっかけになっているという。
副題に「ふたりのまち」とつけられている通り、ふたりの監督がそれぞれの地元で撮影した作品であることが今回の作品の特徴となっている。
▼舞台はふたりの母校 ~『春の結晶』~
『春の結晶』の安川監督は、長野県長野市の出身。本作の主演の中澤実子さんも長野市の出身。ふたりの母校である長野県篠ノ井高等学校を舞台にした作品になっている。タイトルに“結晶”の文字があるが、これは脚本の執筆時からつけられており、劇中の雪のシーンは撮影時に偶然降ったもので、きれいではあったが撮影は大変だったという。
▼撮影時のエピソード
撮影時のエピソードとして、「寒かったけど、映像でみた雪がきれいだったので、雪が降ってよかった…かな」、「持っているいちばんあたたかいコートを(誤って)燃やしてしまう事件が起きた。」、「撮影時の長野がとても寒くて、みんなで体を寄せ合ってくっついて、それが(出演者同士が)仲良くなるきっかけになったのかも。」と言った話が披露された。
▼3人が石川県出身 ~『にびさびの巣』~
『にびさびの巣』では、岡田監督、竹内さん、ノブヲさんが石川県出身。石川県かほく市で撮影をおこなったという。撮影のために一泊二日で石川県を訪れた有希さんは、「訪れた家に入ると、土間や畳の部屋がみえ、好きな感じで、すぐにこの家の人になった気持ちで、すぐに気持ちはその家のおばあちゃんになれた」と撮影時を振り返った。
撮影地となった家は、岡田監督の祖父母の家で、築100年ほどの家で、その取り壊しをきっかけに映画を撮ったという。
撮影の思い出について質問されたノブヲさんは、「僕らは地元なので…実家のお父さんとお酒を飲んだのが思い出かな」と劇場の笑いを誘った。
竹内さんは、「僕の祖父母が住んでいて、幼少期からよく通っていた街なので、まさかそんな場所で映画撮影に参加させていただけるなんて思ってもいけませんでした」と感想を述べた。
▼両作品共通のテーマ
今回は2つとも“巣立ち”を描いている。『春の結晶』は高校を卒業して、これから巣立っていくところ。『にびさびの巣』は地元に帰ってきて、そこから新ためて巣立ち…というストーリになっている。
『春の結晶』のプリクラのシーンは、安川監督が書いたシナリオではなく、キャストからの提案で自然な姿を映すことになり、みんなの力で撮影されたものだという。
撮影にあたっては、「頑張って仲良くなろうとしたというよりは、自然と話が盛り上がっていて、話が止まらなくて、泊まっているホテルでも一生話せるというか、どれだけ話すんだっていうくらい話しが弾んだ結果が、映像全てに出ている」、「演技をしているという感覚はなかった」という感想が述べられた。
▼有希さんのキャスティング理由
有希さんのキャスティングのきっかけは、別の監督の岡田監督が参加した今から7,8年くらい前のパーティーで会い、長い年月を経た後でFacebookでオファーをしたという。キャスティングの理由は、当時みた笑顔が記憶に残っていたこと、また、シンガーとしても活動する有希さんに、歌う役として技術を持った人にお願いしたいことが理由だったと岡田監督は説明した。
▼物販、そして、能登半島地震のチャリティーポストカード
両作品には、パンフレットのほか、ステッカー。手作りの限定グッズなどが劇場で販売されている。
また、能登半島地震チャリティポストカード(300円)が製作されており、その売り上げは全額寄付されるという。