『東京ランドマーク』舞台挨拶付き特別上映会。友と共につくり、友のために。それは作品が魅力的だから。

『東京ランドマーク』舞台挨拶付き特別上映会。友と共につくり、友のために。それは作品が魅力的だから。

2024年5月2日(木)、新宿K’sシネマにて、『東京ランドマーク』の舞台挨拶付き特別上映会が開催された。上映前に舞台挨拶が行われ、藤原季節、義山真司、柾賢志、毎熊克哉、佐藤考哲、林知亜季監督が登壇。本企画の経緯や自分にとっての本作、劇場公開にあたっての活動を語り、サプライズイベントも行われた。本作は5月18日(土)より、新宿K’sシネマにて全国順次公開

後列左から)柾賢志、佐藤考哲、毎熊克哉、林知亜季監督
前列左から)義山真司、藤原季節、石原滉也

『東京ランドマーク』は、2008年に柾賢志、毎熊克哉、佐藤考哲、林知亜季の4人で結成した「Engawa Films Project」の第1回長編作品。「Engawa Films Project」は4人で企画から制作までを行い、実験的な映像活動を続ける映像制作ユニット。監督・脚本は主に林知亜季が担当し、本作でもメガホンをとっている。
 主演を務めるのは藤原季節。2018年に撮影された本作は、藤原にとって初主演映画となる。
代り映えのしない生活、少し先の将来に対する不安、間を埋めるための何気ない会話、変わりゆくものと変わらないもの、大切な友人や親との距離感―。映画は、東京で暮らす若者たちの繊細な心情と彼らが今生きる日常を静謐で透明感のある映像で描き、ある出来事をきっかけに、それまで自分でも気づかずに抱えていた閉塞感や不全感から徐々に解放され、次第に自分達が今まで見ていた世界に新たな色が成していくさまがゆっくりと映し出されていく。

■ 『東京ランドマーク』舞台挨拶付き特別上映会

▼ひとことあいさつ

藤原季節
今日はチケットがものすごい速さで売り切れたということでですね。ここにいる幸運な皆さんおめでとうございます!今日は本当にありがとうございます。お帰りなさい、皆さん!

『東京ランドマーク』という映画が完成しまして、ね。
みんなで全国に届けていきたいと思っているこの最初の日に、皆さんとこの夜を過ごせることを嬉しく思います。よろしくお願いします。

藤原季節

佐藤考哲
特別上映にも関わらずですねこんなに多くのお客さんに来ていただいて本当にありがとうございます。感謝してます。
これから新宿、これから関西、全国に、この『東京ランドマーク』って映画を広めていきたいので、ぜひよろしくお願いします。
今日はありがとうございます。

佐藤考哲

柾賢志
Engawa Films Project 柾賢志です。重複してしまいますが、本日は遅い時間に関わらずご来場いただき本当にありがとうございます。
この映画は僕らにとってすごく大切なものなんですけれども、去年、季節のおかげで藤原季節特集で世に出まして、また新たに今日このK’s cinemaから始まって、全国に届けていきたいと頑張っていきますので、僕らの力だけでは到底難しいこともあると思うので、皆さんのご協力といいますか、優しく見守っていただけると嬉しいです。今日は本当にありがとうございます。

柾賢志

毎熊克哉
こんばんは『東京ランドマーク』の製作をしたEngawa Films Project の毎熊克哉と申します。本日は遅い時間なのに、ありがとうございます。
この映画はですね。脚本の執筆時期から数えると、大体6年越しの上映になっています。ここに今立っているメンバーは、本当に付き合いが長くて、映画としてはとても個人的な距離感の映画になっています。

出演者でもない僕がなぜここに立っているかといいますと、僕はこの映画をですね、端から応援するというか、映画を広めていくという立場で関わらせていただいてます。
この映画を見たときに、何とも言えない、人の心にぐっとくる瞬間がたくさんこの映画に散りばめられていました。
これを本当に多くの人に観に見てもらうために、2024年の今日をはじめとして、これからたくさんみんなで活動していこうと思っています。
ぜひ応援をよろしくお願いします。ありがとうございます。

毎熊克哉 こんばんは『東京ランドマーク』の製作をしたEngawa Films Project の毎熊克哉と申します。本日は遅い時間なのに、ありがとうございます。 この映画はですね。脚本の執筆時期から数えると、大体6年越しの上映になっています。ここに今立っているメンバーは、本当に付き合いが長くて、映画としてはとても個人的な距離感の映画になっています。
毎熊克哉

義山真司
ゴールデンウィークの真っ只中にK’s cinemaに、もう遅い時間ですが『東京ランドマーク』のためにお時間を割いてくださって誠にありがとうございます。
今日もうお昼ごろから集まってて、いろんな話をさせていただいたりとかもあったんですけど、改めて6年たって、本当昔のこととか思い出しておのおのがすごいそれぞれの何か熱い炎みたいなものを持って始まったのがこの作品だったなと思っています。
すごくうまい具合に、同じ炎だから混ざり合えばいいのに、結構それで火花が飛んじゃったこともあったんですけど、それがどんどん一つのものになって落ち着いたのが、『東京ランドマーク』だなって、今日すごく実感しまして。
だから、こうやって徐々に『東京ランドマーク』が広がっていくことがもう今からわくわくで仕方ないです。
なので、このわくわくを一緒に体感しましょう。本日はありがとうございます。

義山真司

林知亜季監督
今日は本当に急な告知で、しかもすごい遅い時間にも関わらず、皆さん本当にありがとうございます。
自分が思ってる以上に多分、今ここに立ってくれてる人たちの方が自分より、この映画を好きになってくれてんじゃないかといった気持ちをすごく感じます。
今日まで過ごしてきていて、それをすごく感謝しています。皆さんにも「この上映が決まったよ」っていうのを伝えられるのがすごく嬉しかったので今日を迎えられたのがとても嬉しいです。

多分、毎熊くんが一番テンションがあがっていて、夜9時だし、GW中だし、お客さん(の数が)厳しいかなと思っていました。
チケットが発売されて、12時くらいに普通に俺は寝ていたんですけど、朝起きたら、12時17分くらいに、毎熊くんから、「チケットがもう完売していますよ!」みたいなメッセージが届いていて、それに誰も返信していなかったんです。

“毎熊くんが喜んでくれてよかった”、“初っ端に、チケットが十数分で完売した”っていうすごくいい宣伝文句みたいなものを皆さんに作ってもらえたと思っています。

それは、いっぱい利用しながら、広げていきたいなって思っています。
よろしくお願いします。

林知亜季監督

■ 義山真司さんへ 誕生日の祝福メッセージ

藤原季節
皆さんを巻き込む形で申し訳ないんですけども、ここで集まったのも何かのご縁ということでですね、今日は何を隠そう、義山真司の誕生日でございます。

藤原季節
おめでとう!
真司にお花を僕は今日朝買ってきて…「青が好きだろう?」

花屋の人に「青い花はないんだよ~」って言われたよ。

義山真司
皆さん本当にありがとうございます。

全員
♪Happy Birth Day to You♪

ケーキを買ってきた 石原滉也さん

藤原季節
滉也ありがとう、ケーキを買ってきてくれて。後で集合写真一緒に入ろうよ。

▼「よげんの書」

ここで、藤原季節から義山さんに向けて、「よげんの書」が読み上げられた。

“予言の書”ではなく、“よげんの書”のようだ

よげんの書

義山真司へ
真司くんお元気ですか。きっと君は今頃、慣れない場所で皆に祝福され、大汗をかいてることでしょう。
長い人生を生きていれば、こうやって祝福される夜があるということを、君に伝えられてよかった。
思えば君はいつも孤独だった。
僕は君の孤独に気づいていながら寄り添ってあげることはできなかった。
それでも君はいつも優しかった。
優しすぎてイライラするほど、君は僕に、人に優しかった。今度は君が優しさを受け取る番だ。
周りに目を向けると、林さんも毎熊さんも柾さんも考哲さんも
ランドマークの仲間も、そして劇場にいる全ての人々も、君を優しい瞳で見つめている。
ここに新しい僕たちのホームが誕生するはずです。
君はここに帰ってきたとき、「ただいま」とつぶやくでしょう。
するとみんなは「おかえり」と言ってくれます。
逆にみんなが「ただいま」と帰ってきたときは、僕らが「おかえり」と言ってあげましょう。
そんな映画を林さんが撮ってくれました。Engawaのみんなが作ってくれました。
このみんなで作り上げた一つの家を、全国のどこまでも一緒に運んでいこう。
この世界で泣いている根無し草たちに「おかえり」と言ってあげよう。
君の本当の優しさが芽を出したことをここに祝福します。
誕生日おめでとう。
この夜の記憶はいつまでも未来の君を支えてくれるでしょう。
藤原季節

義山真司
ただいま

全員
おかえり~

義山真司
みなさん、おかえりなさい

全員
ただいま~

義山真司
ありがとうございます。こんな場で本当に嬉しいです。

『東京ランドマーク』がこれから本公開が始まるっていう中で、それすらも自分の誕生日と上映日がかぶったこともすごい幸せな1日だなと思いつつ、今日も声をかけていただいたお客さんとかもいらっしゃいました。

この『東京ランドマーク』のあたたかさというか、本当に「ただいま」と言いたくなる場所を与えてくださってありがとうございます。
今日はありがとうございました。


■ 出会いの話

佐藤考哲
出会いの話か…
Engawaがどうやって結成されたかっていう…そうだね。

制作チームって言いつつ、「Engawaって何?」って思っている人も、やっぱりたくさんいると思います。元々はみんな俳優で、林さんは今は監督をやっているんですけど、元々は俳優のワークショップという、稽古の場でやっているんですね。

そこで、「なんかいけ好かない奴らがいるな…」っていうところから、でも、なぜか終わった後に飲んで残ってるのはこの4人だったりして、話していく中で仲良くなっていきました。

「誰も(映画を)撮ってくれないんだったら、自分で撮ればいいじゃん」って言って、ワーって盛り上がったその1週間後に林さんがカメラ買っていて持ってきてくれて、パソコンも用意して、「撮れるよ」っていう状況の中で、「じゃあなんか撮りますかというところから始まったのが、Engawaではあるんですけど。

でも本当に遊びの延長線上だったんですよ。
僕らにとっては、映画を作るっていうことが遊びの一環みたいなところもあって、 その延長線上で来たんだけど…。

でもこのランドマークをやるにあたっては、ね。
その勢いで行きたいのもあるけど、でも、「いやいや、そうじゃないよ。うん」っていうところもあり、多分そのせめぎ合いでいろいろぶつかることもあったんですけど…。

だからです。だからこそなのかな。

走り出したその青春の勢いのまんまでは、きっとたどり着けなかった場所だったりすると思うんですね。それがK’s cinemaっていうところは。

それはもちろん、主演を務めた季節のおかげでもあると思うし、出演していないのに、一番裏で動き回っているのが毎熊だったりして。

(自分の)撮影もあるのに、本当に夜中までいろんなところに各種連絡しているところもあって…

毎熊克哉
そうですね。
基本的には4人だけだと、楽しいときもありますけど、結構もめるときも多かったりして。
ただ今回は自主配給という形でやらせてもらっていまして。
自主配給と言いながら、配給なんてやったことないんですよ。

でも、この映画を「Engawa Films Project」だっていうふうに言うからには、そこをちょっと僕は腹をくくる必要があるなと思っていて、それは多分おそらくみんなそうだとは思うんですけど。

「Engawa Films Project」って誰も知らないので、ある意味、あるところで「藤原季節が主演の映画をなぜそんなに手伝ってるんですか」って言われたんですよ。

「いや手伝ってるんじゃなくて自分の映画なんだけど」って思ったときに、やっぱりそこはもう一段階腹をくくる必要があるんだなって思って。

最近はみんなが知らないところで、一日何百件のタイムラインが LINE等、でいろんなところでやってますね。

藤原季節
毎熊さん、電話かけているんですよ。

毎熊克哉
メールとか、はい、そうですね。

藤原季節
毎熊さんって、お店とか予約するときに、「毎日の“毎”に動物の“熊”です」って言ってるのがめっちゃ俺好きで、それをいま全国の映画館にやってるんだと思うとちょっとほっこりします。

「毎熊です…毎熊です。毎日の“毎”に、動物の“熊”で“毎熊”です。」って。かわいいっすよね。

毎熊さんが見えないところで、そんなふうにやっていただいてるっていうのは、感謝しかないです。

毎熊克哉
でも本当にそれはこの映画が素敵だから。
そうは言っても、多分みんなそれぞれの関わり方あるかもしんないですけど、友達だからってそんなに頑張れないと思うんですよね。

藤原季節
友達だからっていうだけでは無理かもしれない。

毎熊克哉
友達だけでは無理で、やっぱり作品に魅力がないと、そんな自分の仕事の合間に何かやるとかって、みんなやっぱね、それぞれ仕事をしているわけで、「なんでそんなにみんなやるの?」っていうと、やっぱりこの作品が魅力的だから。

それはもう本当にもう、季節と真司とあと他にも、キャストの皆さんと作り上げたもののおかげかなと思っています。

■ 藤原季節林知亜季監督からメッセージ

藤原季節
この映画をこれから見ていただくので、まだ上映前だと思うんですけども。
この映画って僕ら2人の物語に桜子という、ある1人の女の子がポンッて飛び込んできて、僕たちの物語が始まってくる話なんですね。
その3人が過ごした時間っていうのはたった数日間でしかなくて、それぞれがバラバラになって…。

いや、これね大丈夫。ネタバレギリギリ避けてると思います。

その3人がバラバラになる日が来たとしても、あの数日間の記憶って多分残ってると思うんですよ。

3人の出会いで劇的に人生が変化したり、大きな成功をつかめたりっていうことがなくても、この先の長い人生をたった(数日間の)短い時間が支えてくれるっていうことってあるんじゃないかって僕は思うんですよ。

ゴールデンウィークの夜遅い時間に皆さんが映画館まで足を運んで映画を見て、この映画と出会って帰っていく。
明日からまた日常が始まっていくけど、ひょっとしたらこの時間の記憶がいつか皆さんの支えになるかもしれないって思っていて、そういう映画を林さんが。
そして、Engawaの人たちが作ってくれたんじゃないかなって僕は思っているので。

今日は本当に劇場に来てくださって、そしてこの映画をかけるって決断してくださった K’s cinemaさんにも。そして関わったスタッフさんにも本当に感謝いたします。
ありがとうございます。

林知亜季監督
“世間に訴えたいものがあって、これを撮りましたとか、10年ぐらい前からずっとこの映画を撮りたくて撮りました”ってよりかは、もっと何か…聞こえが悪いかもしれないですけど、衝動的なノリで、季節と真司と出会ったことで、この映画を作ったんですけど。

Engawaでこうやって4人でやるのも同じように、何か特に意味もなく始めたことが、ある日ふと意味を持ってくれるときってあるんだなっていうのを今すごく感じてます。

そういうのは大事だなって思ってます。ぜひお楽しみください。

▼予告編


■ 映画『東京ランドマーク』

【物語】
コンビニのアルバイトで生活をする稔(藤原季節)の家にいつものように遊びにきたタケ(義山真司)は、家出をした少女を稔が匿っていたことを知る。少女の名前は桜子(鈴木セイナ)。未成年である桜子を早く家に帰そうとするタケだが、桜子は帰るそぶりを見せない。稔が桜子を匿う理由はなんなのか。なぜ桜子は家出をしてのか。3人の不思議な関係が始まる。

監督・脚本:林知亜季
出演:藤原季節、義山真司、鈴木セイナ、
浅沼ファティ、石原滉也、巽よしこ、西尻幸嗣、柾賢志、幸田尚子、佐藤考哲、大西信満
配給:Engawa Films Project 
© Engawa Films Project 2024 
2023年|日本|カラー|アメリカンビスタ|

公式HP:https://sites.google.com/view/tokyolandmark/home

公式X: @Tokyo_Landmarkhttps://twitter.com/Tokyo_Landmark

2024年5月18日(土)より、新宿K’sシネマにて全国順次公開

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