4月20日(土)から、映画『大阪カジノ』が、新宿K’s cinemaにて公開中。連日、舞台挨拶が行われている。公開2日目には、石原貴洋監督、主演の木原勝利、橘さり、大宮将司が登壇。撮影時に登場する大阪のおっさん達の話を交え、何度も笑いが起こるトークを展開した。
■ 映画『大阪カジノ』上映後舞台挨拶
▼本作制作の経緯
石原貴洋監督
まず、なぜこの映画を作ったかっていうところから簡単にお話しますと、この映画のモデルとなった大阪在住の、言ったら元経営者、今でも経営者かもしれませんけれども、半分引退されてる方と出会いました。
大阪の経営者さんつったら結構いかついおっさんが多いんですけども、その方は非常に謙虚で質素な方でして、「こういう人もいるんだ」っていう。
すごい裏技を使ってのし上がってるとかそんなんじゃなくて、ただ地道に質素に努力を積み重ねてきて成功を勝ち取るっていう方の成功哲学をお持ちの方でして、それに感銘を受けました。
あくまで庶民派っていう発想をお持ちの方でしたので、それを自分で映画化してみたいなという。
そのモデルの方が映画化したいってなったんですけど、僕もしてみたいなっていう形になって、2年前の夏に撮影いたしました。
まず設定としては2000年ぐらいの設定で描いてまして、昨日も言われたんですけど、「何でガラケーばっかり出てくるんですか?」と、ガラケーの時代の設定でございます。
▼キャストへの質問。自分が演じる役について
石原貴洋監督
木原さんが主役で、橘さりさんがその奥さんということで、モデルの方がいるんですけど、まず木原さんからしてそのモデルの方の社長を演じるってどうでしたかね。
木原勝利
撮影をするとなったときに、その方と一度お会いすることがあったんです。
お会いさせていただいて、お話聞いて、どんな方かなと。
本当に大阪で伝説の経営者と呼ばれた、すごく売り上げを上げられていて。
パチンコの大阪の方のグループですごく業績上げられた方だとお話は聞いてたので、どんな人かなとビビリながら行ったら、本当に「あっ、この方ですか…」という普通の方で。
成り上がるときのお話を聞くと、裏技というか必殺技を使うのかと思ったら本当に、「いや、そこはな…と、謝って謝って謝り倒していくんや」と、「謙虚に謙虚に行くんや」と。「そうしたら向こうももう文句言われへん」と。「それでいったらええんや」って、ずっとそういうので本当にそれで成り上がっていったんだなと。
そういう話を聞いて、「これはやばいな」と、「これを映画にするんだ」と思ったときに「どうしようかな」と。
今回、観ていただきましたけども、何て言うか…実話となっていますけども、そのエッセンスが少しでも観て感じていただけたらなと思いながら、頑張って作らせていただきました。
石原貴洋監督
大宮さんが演じたのは、右腕役の垣内さんという実在の人物でして、実際こういうお顔のごつい方だったんですよ。こりゃぁ大宮さんだってなって、石原映画といえば大宮さんみたいなとこもあるんですけども、木原さんというスラットしたモデルのような方とごついレスラーみたいな組み合わせって、めちゃくちゃ面白いなと思ったんですよ。
細い+細いだとちょっとあかんじゃないですか、これはやっぱりコンビコンビネーションとしては絶妙だなと思って、そのパワフルな役をやっていただいたっていうのがね。
大宮さん、いかがでしょうか垣内さん役は。
大宮将司
そうですね、僕はまだお会いしたことないんですけど、垣内さんをご存知の方に会うと、会う人会う人、皆さんに「似てる似てる」って言われて。
昨日たまたまご本人のお写真を見せていただいたんですけど。
「なるほどな」と。「俺やな」みたいな。だからキャスティングというのは重々わかります。
木原勝利
だから大阪でいつでしたっけね、上映があったんすね。去年に。
それで行ったときにちょっとみんなでインタビューしたときのお店のとこに行ったんですよ。そこにはパチンコ屋さんの社員さんとか行かはるような行きつけのお店で、そこのちょっとお姉さんがいるような店で、皆さん知ってるわけですよ。そしたらみんなが「あっ、あっ!」みたいな。
そこの綺麗なバーのお姉さんがずっと見てるんすよね。
大宮将司
そうそう、これ今日何かあるかも…みたいなね。
木原勝利
気あるんちゃうかなって。
大宮将司
あまりにもじっと見てくるし、なんろうと思ったら、「垣内さんですか?」っていう。
木原勝利
そりゃ、あるわけないやんか。
大宮将司
俺へのアピールちゃうんかーって。
木原勝利
そうそう、それぐらい似てるっていうことですね。
大宮将司
そうですねはい。
石原貴洋監督
橘さりさんは、前回僕の『大阪闇金』という作品に出させてもらってそのときも、さりさんに出てもらって、今回も続投という形で。奥さん役はいかがでしたでしょうか?
橘さり
はい木原さんを支える妻をさせていただいたんですけれども、突然「600万使っていいか?」って言われたら、私だったらどうするかなって思ったんですけど。
私も「いいよ」って言いますね。
全員
おお、かっこいい
橘さり
だって、言ってくるんだから。
何か見込みがあるんだろうっていう。
石原貴洋監督
ちょっと奥さんの気質がありますね。
橘さり
「もう、あんたとだったらホームレスでもいいよ」っていう太っ腹でって思います。
石原貴洋監督
かっこいい!そんな奥さんは欲しいわ。
木原勝利
今日、石原貴洋監督の作品を初めてご覧いただいた方もいらっしゃると思うんですけど、過去作『大阪外道』とか『大阪邪道』とか『大阪バイオレンス』というような作品をいっぱい撮られていて、ヤクザ映画とか。
僕も過去ほぼ人間ではない、ちょっと半裸状態で劇中に登場して、頭の線が10本ぐらい切れた殺し屋の役とかやってたんですけども、今回初めて本当の普通の人間の役をいただけて。
石原貴洋監督
いやぁ何回も組んでるのに、僕、木原さんにセリフを与えたのが初めてなんですよ。
木原勝利
いやあるにはあったけど、それはあったけどまともなセリフというか。
劇中に出てくるのが本当にその役者さんだけじゃなくて、ほなんていうこの人本物ちゃうかなっていう人もいっぱい出てくるんですよ。
石原貴洋監督
今回も結構ギリギリのおっさん出てきましたね。
木原勝利
ぎりぎりのおっさんがね、何人か出てきてるんすよ。だから皆さん見てて、「なんかこの人ちゃうな…」とか思う人もいると思うんですよね、見てて。
役者じゃないなと思う人がちょっといてて。
その中でもホンマのちょっとギリギリの様なおっさんも、何人か出てくるんでよね。
石原貴洋監督
まぁ、セーフな。やっぱ僕が各区域から選んできたとびきりのね、西成のギリギリのおっさんとか、弁天町のギリギリのおっさんとか選んでるんで、その辺は大丈夫です。
大宮将司
西成のギリギリのおっさんはアウトでしょ(笑)
木原勝利
だからそのギリギリのおっさんが、やっぱ芝居が怖くて、僕が借金を返済に行くときに、印刷工場のところに来たときにわかりますかね、ちょっと声のガラガラのおっさん。ホンマの印刷工場の社長さんみたいですけど、めちゃくちゃ怖いじゃないですか。ようこんな人連れてきたなと思って。
石原貴洋監督
あれ?モザイクかけるの忘れたかな?(笑)
木原勝利
でもその人が撮影現場に来たら一生懸命セリフをこうやって覚えてるんすよ。
石原貴洋監督
緊張してるってことですよね。
木原勝利
めちゃくちゃ緊張してて、「今日はよろしくお願いします」って。
一生懸命セリフをおぼえていて、本番始まったら、「この人セリフ通り喋らへんし、めちゃくちゃ怖いな!」と思って。そうそう、台詞の通りには一切しゃべらなかったんですよ。何であれ一生懸命覚えたんやと思いながら。
でもよかったですね。
石原貴洋監督
いろんないかつい人が「出たいでたい」言ってくれて、でもそういう人ほどね真っ白になるんですよ。
「用意、スタート!」って言うたら、「あわわわ」って言って、
木原勝利
セリフ通りに喋らずね。
石原貴洋監督
普通のおっちゃんの方が割と肝が据わってたりするっていう。
なんなんでしょうね、あれは。
映画『大阪カジノ』
INTRODUCTION
映画界初の題材!裏社会やバイオレンス映画を得意とする石原監督が初めて挑む感動の実話!どんな逆境でも、どんなに最悪の状況でも絶対にあきらめない、ネバーギブアップの漢(おとこ)がいた。綿密な取材による脚本と、リアル重視のロケ体制により、異色のドラマが誕生。
STORY
杉村(木原勝利)は優秀な営業マンだったが、倒産寸前だった父親のパチンコ店を引き継ぐ決意をする。資金繰りの地獄の中、「俺はカジノ王になる」と豪語する杉村に呆れながらも愛情を注ぐ妻の優子(橘さり)と、杉村の右腕的存在となる垣内(大宮将司)のおかげで、パチンコ店は復活を遂げ大会社へと成長していく。常に先を見据えていた杉村は業界内の常識にとらわれず、新しい方針や戦略を打ち出しては波紋を呼んだ。人を稼ぐという独自の経営方針で攻めの営業を続ける杉村はついに30億融資という前代未聞の勝負に打って出る。
キャスト
木原勝利
大宮将司
橘さり
海道力也
藍海斗
川上茉緒
岡祈里
福山俊朗
パラゴンつよし
ひと:みちゃん
スタッフ
プロデューサー:篠山敬次
ラインプロデューサー:浅田真樹夫
アソシエイトプロデューサー:合アレン
脚本・編集・監督:石原貴洋
音楽:中森信福
助監督:磯部鉄平
制作主任:岸本景子
撮影:谷崎龍平
照明:松任谷恭子
録音・整音:平川鼓湖
美術:鹿島真澄
VFX:内田剛史
特殊メイク:野中比喩
アクション協力:魅殺陣屋
制作・配給:石原映画工場