映画『走れない人の走り方』応援イラスト、応援コメント到着。公開中に初期短編作品併映。

映画『走れない人の走り方』応援イラスト、応援コメント到着。公開中に初期短編作品併映。

4 月 26 日(金)よりテアトル新宿にて二週間限定上映される蘇鈺淳(スーユ
チュン)監督による長編デビュー作『走れない人の走り方』。
劇場公開を目前に控えたこの度、台湾出身の漫画家でイラストレーターの
高 妍(Gao Yan /ガオ・イェン)さんから応援イラスト、そして総勢 11 名の著
名人コメントが到着。さらに蘇鈺淳監督による短編映画「鏡」の併映も決定した。

本作は 2024 年 5 月 28 日からドイツで行われる第24回ニッポン・コネクションへの選出も決定している。

■ 映画『走れない人の走り方』

▼あらすじ

ロードムービーを撮りたい映画監督の小島桐子。限られた予算、決まらないキャストなど数々のトラブルにより理想と現実がズレていく中で、桐子が取った選択とは-。複数の視点から描かれる、映画と生きる様々な人々の物語。

▼イントロダクション

PFF アワード 2021 審査員特別賞(『豚とふたりのコインランドリー』)の蘇鈺淳(スーユチュン)監督による初長編作品『走れない人の走り方』。新人映画監督として葛藤する主人公・小島桐子役に、モデルとしての活動だけでなく『猫は逃げた』以降俳優としての活躍も目覚ましい山本奈衣瑠。

プロデューサー役に『辻占恋慕』などの早織、カメラマン役に磯田龍生、桐子の同居人役に BEBE、助監督役に服部竜三郎など多彩なキャストが脇を固めているほか、桐子の映画に出演する俳優役として五十嵐諒、荒木知佳、村上由規乃、桐子の父親役に谷仲恵輔、そして蘇監督の恩師でもある諏訪敦彦がチャーミングな役どころで出演を果たしました。

2023 年 3 月に実施されたユーロスペースでの修了展での上映が全回満席となるなど好評を博し、2024 年 3 月に開催の第 19 回大阪アジアン映画祭 インディ・フォーラム部門にも出品された本作。悩みながらも理想の映画を追い求め、奔走する主人公はもちろん、映画に関わるあらゆる登場人物たちの切実さとおかしみが切り取られた一編となっている。

▼応援イラスト

この度、本作を鑑賞した台湾出身の漫画家でイラストレーターの高 妍(Gao Yan /ガオ・イェン)さんから応援イラストが到着。村上春樹氏によるエッセイ『猫を棄てる 父親について語る時』(文藝春秋)の表紙と挿絵が話題となり、『緑の歌 – 収集群風 -』(KADOKAWA)が上下巻でコミック化されたほか、現在は月刊コミックビームにて新作「隙間」が連載中の高 妍さん。

今回のイラストには、劇中、理想のロードムービーを撮るために脚本と向き合う桐子の横顔が描かれ、高 妍さんからは「夢を追う人が、何かを眺めているときの横顔。それほど美しいものはないでしょう」とコメントも寄せられた。

▼応援コメント

そして、大川景子(映画編集者)さん、奥浜レイラ(映画・音楽パーソナリティ)さん、ジャガモンド斉藤(映画紹介人/お笑いコンビ)さん、ジン・ジアフア(映画監督)さん、松崎健夫(映画評論家)さん、森直人(映画評論家)さん、山口淳太(ヨーロッパ企画・映画監督)さんからのコメントが到着。
2 月 4 日に解禁した黒沢清監督、諏訪 諏訪敦彦監督、筒井武文さん含め総勢 11 名からの応援コメントが揃いました。

大川景子(映画編集者)
たまたますれ違った人にカメラがついて行ってしまい時々脱線する。いや、脱線じゃない。この映画ではすれ違った側の出来事も描かれ、中心にある物語と響き合う。そこには違う場所で同じ時間を生きている世界がある。「ほら、こっちも面白いよ」と愛嬌のある編集で手招きしている。ああ、巧くて嫉妬する。崇めるのではなく映画と一緒に戯れている力の抜け方が、本当にいい。


奥浜レイラ(映画・音楽パーソナリティ)
「映画を作ることについての映画」は数あれど、本作は大きく振りかぶらずに、作り手の生活や葛藤と強く結びついた生身の映画づくりを綴る。そこが新鮮で、愛おしくて、映画監督の主人公があの子やわたしに重なっていく。もし“走れない人”であったとしても、自分の言葉で話すことができたのなら、それがあなたの走り方になる。その姿勢を自ら示した蘇監督との嬉しい出会いに心が躍った。

高 妍 Gao Yan (漫画家・イラストレーター)
夢を追う人が、何かを眺めているときの横顔。
それほど美しいものはないでしょう。


黑沢清(映画監督)
こんな可愛い映画が芸大のシステムの中から生まれてくるとは思ってもいなかった。可愛いというのは、隅々まで気配りの行き届いた画面の中で、登場人物たちの善意が気持ちよく機能するドラマに見る側が一切の不自然や誇張を感じない状態を言う。ひとえに蘇の卓越した個性と欲望によって成し遂げられたのだろうが、美術と撮影の達成度も半端ではない。私には到底できそうにないが、ヒットする映画とはこういうもののことを言うのだと思う。だとしたら、蘇は今メジャーな商業映画にきわめて最も近いところにいる。楽しみだ。


ジャガモンド斉藤(映画紹介人/お笑いコンビ)
これほんと僕の勝手な狭い価値観で、申し訳ないんですが、「映画って最高!」とキラキラしながら公言してる人をあんまり信用し
ていないんですね。本作が、”映画制作を題材にした作品”と聞いて嫌な予感がしたけれど…ド頭でそれは覆りました!そして、
なんとまあ終わり方が…!我々を突き放すような幕引き。乾いてる!笑いました。好きです。

ジン・ジアフア(映画監督)
迷宮のような劇中劇とグリーンバックの演出によって、映画への強い感情移入に焦点を当てた物語への扉が開かれる。 私たちは、主人公である監督が人生と仕事の困難を以下にして乗り越えて映画を作るのか、そしてこの映画の真の監督が作品をどこに持っていこうとしているのかに関心を持つ。 ロードムービーの作り方をテーマにした本作で、観客は映画の内と外で連動する冒
険の形を探る。 終盤前の会話では、監督の形式に対する思慮深いアプローチが示され、その結果、映画史上最もユニークなロードムービーが誕生した。


諏訪敦彦(映画監督)
切実さと、軽さが奇妙に混ざり合った『撮りたいなぁ』というキリコの呟きが、不思議な説得力を持ってこのフィクションを支えている。ロード・ムービーを撮りたいという彼女の望みは、さまざまな困難に直面し、その葛藤が物語を進めもする。しかし、金がないとか、主役が決まらないなどという危機は、猫のみどりが行方不明になる以上の深刻なものではない。さまざまな人物が登場し、時にふとすれ違っただけの見知らぬ誰かにカメラはついていってしまう。誰にでも物語があり、映画の登場人物になりうるのである。みどりの演技も素晴らしいが、さながら人間図鑑のように登場する俳優たちがみな魅力的だ。蘇鈺淳が心を砕くのは、克服すべき困難を描くことではなく、すべての人物をただ肯定することではないだろうか。「私は一人ではない」そういう世界を映画の中で実現すること。それが必要なのは、現実の世界が悲しみや危うさに満ちているからではないか? やがて蘇自身までが画面に現れ、通りすがりの少年に「笑って」とカメラを向ける。「笑って」その世界への呼びかけこそがこの映画の魂に思える。


筒井武文(映画監督)
監督の蘇鈺淳は台湾出身であり、この世界の在り様に関係してもいるだろう。それを外部からの視線というのも、ちょっと違うのだが、少なくともこの日本の情景がどこかずれて見える。そこが、『走れない人の走り方』の魅力にもなっている。映画を作りたい女性監督桐子とそれを取り巻くスタッフたちの存在は、それなりに切実でもあるのだが、それだけなら、よくある⻘春映画の一編で済んでしまう。映画館とビデオレンタル店の対比。前者には観客がいるが、後者にはいない。ヒロインとしての監督の他に、二人の実際の監督が出てくる。一人は諏訪敦彦であり、もう一人は蘇鈺淳自身である。この二人が桐子監督とちょっとだけ接する、その距離感が絶妙なのだ。そして桐子の妄想の中に出てくるコインランドリーの奇天烈さ。PFF2021 で上映された蘇監督の前作『豚とふたりのコインランドリー』を思い出す人がいるかもしれない。


松崎健夫(映画評論家)
私たちは映画で描かれている出来事を<映画の中の現実>と認識している。当たり前のように思えるが、映画が誕生した約 130年前は、そういった認識が観客の側に欠落していた時代だった。斯様な映画史のタイムラインを意識しながら、この映画は映画を観る者・映画を作る者・映画に出演する者を複合的に登場させ、<映画の中の現実>を重層的に描きながら、劇中の現実を
観客に錯誤させる<映画についての映画>となっている。



森直人(映画評論家)
「映画監督」とはいったい何なのか?
筆者にはおそらく一生分からない謎の問いだが、この小島桐子の不格好な冒険を目にして、初めてその存在を身近に感じられ
た。「走り方」は後からついてくる。これは筆者にも覚えがあるものだ。ベタなことを言うが、「何かやりたい。でも何をどうすればい
いのか分からない」、そんなすべての方々に観て欲しい。
守護天使のような諏訪敦彦監督の存在もひたすら素敵!


山口淳太(ヨーロッパ企画・映画監督)
役者の皆さんの魅力に満ち満ちている映画でした。
等身大とはこのことかと。とくに早織さん演じるプロデューサーがリアルすぎて、観ていて僕まで怒られている気がしてきました。

▼短編映画を併映

そして、テアトル新宿での公開期間中の 4 月 28(日)、4 月 30(火)〜5 月 2(木)には、2022 年に蘇監督が、佐々木詩音と山本奈衣瑠を主演に迎えた短編映画「鏡」(18 分)の併映も決定。鏡を禁止された施設を舞台に、佐々木詩音扮する施設の収容者と、山本演じる異端児ナオミが紡ぐ物語となり、テアトル新宿のほか、横浜シネマリン、出町座でも上映を予定している。

▼舞台挨拶情報

26 日(金)の公開初日には、蘇鈺淳監督、山本奈衣瑠、早織、BEBE、27 日(土)には山本をはじめとするキャスト陣がそれぞれ
舞台挨拶を行うほか、29 日(月)には、山本の主演映画『猫は逃げた』を手掛けた今泉力哉監督をゲストに迎える。

4/26(金)初日 上映後舞台挨拶
登壇者:山本奈衣瑠、早織、BEBE、蘇鈺淳監督

4/27(土)上映後 公開記念舞台挨拶
登壇者: 山本奈衣瑠、磯田龍生、五十嵐諒、荒木知佳、綾乃彩、谷仲恵輔、福山香温、窪瀬環、平吹正名(以上、出演)、蘇鈺淳監督

4/29(月)上映後 トークイベント
登壇者:今泉力哉(映画監督)、山本奈衣瑠、蘇鈺淳監督

4/28(日)、4/30(火)〜5/2(木)
短編『鏡』(監督:蘇鈺淳、出演:佐々木詩音、山本奈衣瑠)特別上映


映画『走れない人の走り方』

出演:山本奈衣瑠
早織 磯田龍生 BEBE 服部竜三郎
五十嵐諒 荒木知佳 村上由規乃 谷仲恵輔
綾乃彩 福山香温 齊藤由衣 窪瀬環 平吹正名 諏訪敦彦
監督:蘇鈺淳 脚本:上原哲也 石井夏実
プロデューサー:黄申知 大槻美夢 小池悠補
撮影:齊藤夏寛 照明:織田知樹 美術:茅蘅
サウンドデザイン:城野直樹 録音:浪瀬駿太
編集:張馨予 音楽:スカンク/SKANK 配給:イハフィルムズ
★第 19 回大阪アジアン映画祭 インディ・フォーラム部門 ©2023 東京藝術大学大学院映像研究科
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4 月 26 日(金)よりテアトル新宿にて2週間限定上映

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