4月13日(土)、新宿K’s cinema にて、映画『日日芸術』が公開初日を迎え、上映後トークイベントには、主演の富田望生、伊勢朋矢監督が登壇。撮影時のエピソードを披露した。
伊勢監督は、富田さんとの撮影の裏話や雑談を交えながら、映画の制作過程について語りました。「本当に富田望生さんじゃなかったら、こういう感触の映画には多分なってなかったんじゃないかなっていうふうに思っています。」と伊勢監督は述べ、富田さんの存在が映画に与えた影響を強調した。
伊勢朋矢監督
例えば最初の落ち葉を折る(折り葉アーティストの)渡邊くんと富田さんが会うところも、元々の富田さんの芝居のシーンを撮っているうちに、渡邊くんが待ちきれなくなって、声をかけてきて、それをそのまま撮っていたら、それが OK テイクにそのままなっていく…
といった、“どこがドキュメンタリーの部分で、どこからがドラマの部分か”が現場でもその境目がわからないぐらいになっていきました。
それは富田さんが上手いというか、そういったことに対応して、自然な演技で渡邊くんに自然に、人と人としてちゃんと付き合うというか、対応することが身に付いているから、そういうことができるのかなと思っています。
富田望生
撮影中、いろんな何か奇跡のような瞬間がたくさんありました。
渡邊さんにお会いしてからも、その後のアーティストの方にお会いする際も、初めましての瞬間にカメラを回したいということだったので、最初に伊勢さんが「今日はよろしくお願いします」というご挨拶を1人でしに行かれて、私と会うときは、本当に本当に初めまして…という状態でした。
富田望生
ものすごい感性をお持ちの皆さんなので、到底、自分がやろうと思ってももちろんできないですし、「このパワーって何なんだろう…」って、ずっと感じながら、お会いしていたんですけれども、それは作品からいただくパワーもそうだし、その人自身からいただく言葉にも、ものすごくパワーがありました。
自分が感じることもそうなのですが、どこか自分の中に、幼い頃、もっとこう何も考えずに、好きなものをみて、感じたように動いていた頃の自分の、眠っていた部分を起こしていただくというか、改めてつついてくれるというか、そんな時間になったなと私は思っています。
富田望生
今回、自分自身でありながら、どこか“自分自身の役”というものを演じる瞬間もあったりしました。演じていることって日々、すり減っていくことや、鈍くなっていくことがどうしてもあって、覚えることが、多かったり、教わることが多かったり、得るものが増えれば増えるほど、直感的な感覚がどうしても鈍ってしまうんです。そういったことがあるなと思っています。
ビビットな感情が湧き出るとか、自分に一瞬向き合うみたいなことってすごく減ってきたなと思っています。だから私は本当に宝物のような旅の時間になったんですよね。
富田望生
アーティストの皆様もそうだし、パスカルズもそうだし、本当に伊勢さんがこのような状態の見つめ方で常に現場に一緒にいてくださったので、テレビで、こちらを放送して、でも、やっぱり映画としてスクリーンで残したいっていう意味がすごくわかるなと思いました。
音楽もそうですし、このアートのきめ細やかなものをこのスクリーンで見られるってすごい幸せなことだなと思いました。映画化してくれてありがとうございます。
■ 作品概要
映画『日日芸術』
メガネをかけよ、旅へ出よう!
STORY
「なんなの、これ?」俳優・富田望生が謎の喫茶店に寄り道したことから始まる摩訶不思議な物語。
喫茶店の店主(齋藤陽道)は、セロハンテープでつくられた奇妙なメガネをかけている。
店主に促され、望生もメガネをかけてみると、なんと日常の景色がアートだらけの世界に大変身!
不思議なメガネに導かれるように、望生は独創的な作品をつくるアーティストたちと出会っていく。
落ち葉を折りこみ動物を創り出す青年、鳥を描き続ける青髪の女、毎日欠かさずコンビニで自分の顔をコピーする男…
個性豊かなアーティストたちの唯一無二の表現と生き様に刺激を受け、望生は自分の表現を模索しはじめる。
アートを巡る旅をカラフルに彩るのは、楽団「パスカルズ」。
本作のために書き下ろした楽曲を演奏するだけでなく、出演も!富田望生をよりファンタジックな世界に誘っていく。
どこまでがドラマで、どこからがドキュメンタリーなのか?
ドラマ×ドキュメンタリー×音楽×アール・ブリュット
唯一無二のアートに出会うロードムービー。
さぁ望生と一緒に、メガネをかけよ、旅へ出よう!
出演
富田望生/齋藤陽道
音楽・出演パスカルズ
監督・脚本伊勢朋矢
2024年製作/110分/G/日本
配給:Planetafilm
公式ホームページ https://planetafilm.co.jp/nichinichi/
2024. 4. 13 (土) – 4. 26 (金)@ 東京 新宿 K’s cinema