映画『渇愛の果て、』が、5月18日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開される。本作は、「家族・人間愛」をテーマにし、あて書きベースの脚本で舞台の公演を行なってきた「野生児童」主宰の有田あんが、友人の出生前診断(しゅっせいぜんしんだん)の経験をきっかけに、助産師、産婦人科医、出生前診断を受けた方・受けなかった方、障がい児を持つ家族に取材をし、実話を基に制作した、群像劇。特報、場面写真及び、出演の山岡竜弘、輝有子、小原徳子、瑞生桜子、小林春世、辻凪子のコメントを掲載。
シリアスな内容ながら、大阪出身の有田特有の軽快な会話劇を活かした作品で、有田が監督・脚本・主演を務め、長編映画監督デビュー作。助産師・看護師・障がい児の母との出会い、家族・友人の支えにより、山元家が少しずつ我が子と向き合う様子を繊細に描きつつ、子供に対する様々な立場の人の考えを描く。
■ 映画『渇愛の果て、』
知ることは優しさへの第一歩
▼ストーリー
山元眞希は、里美・桜・美紀の4人から成る高校以来の親友グループに、「将来は絶対に子供が欲しい!」と言い続け、“普通の幸せ”を夢見ていた。妊娠が発覚し、夫・良樹と共に順風満帆な妊婦生活を過ごしていた眞希だが、出産予定日が近づいていたある日、体調不良によって緊急入院をする。子供の安否を確認するために出生前診断を受けるが、結果は陰性。胸をなでおろした眞希であったが、いざ出産を迎えると、赤ちゃんは難病を患っていた。
我が子を受け入れる間もなく、次々へと医師から選択を求められ、疲弊していく眞希。唯一、妹の渚にだけ本音を語っていたが、親友には打ち明けられず、良樹と子供のことで悩む日々。
そんな中、親友たちは眞希の出産パーティーを計画するが、それぞれの子供や出産に対する考えがぶつかり…
▼キャスト陣
夫・良樹役には、『エッシャー通りの赤いポスト』の山岡竜弘。輝有子が助産師・清水香苗役を演じた他、主人公・眞希の親友グループは、母親としての先輩・里美役で小原徳子、未婚の女優・桜役で瑞生桜子、仕事を理由に妊娠を先延ばししているキャリアウーマン・美紀役で小林春世が出演。出生前診断の是非に悩んだ経験のある里美の夫・博役で大山大、美紀の外国人の夫・ミッケル役で伊藤亜美瑠、「役者だけに集中したい」と言う桜の彼氏・隆役で二條正士が出演し、男性側の悩みを体現する。また、眞希が唯一本音を吐露できる相手である、妹・渚役で辻凪子が熱演する。
眞希を支える看護師役で烏森まど、廣川千紘、伊島青、カウンセラー役で内田健介、カフェの店員役で藤原咲恵が出演する他、同じく難病を抱えた子を持つ母役でSDN48元メンバーで現在は作家の大木亜希子、夫・良樹の同僚役で松本亮、医師役で関幸治、主人公の母役でみょんふぁ、父役でオクイシュージが出演し、脇を固める。
20人〜30人に1人が何らかの先天異常を持って生まれる現代。答えは一つではなく、本作は、眞希と親友との友情や病院スタッフ側の心情などを通して、出生前診断・妊娠・出産・障がいに対する様々な考えや選択肢を提示する。
▼キャストコメント
<夫・良樹役:山岡竜弘>
演じました山元良樹は、妻の真希を支え、共にさまざまな局面を乗り越えたいと願いながらも、迷い、葛藤していく役どころです。
演じるにあたっては、良樹の選択に対して、自分の中では是非を問わず、あくまで良樹の”知らない”という目線を大切にしながら、あとは、本番に流れる相手役の方との空気に身をゆだねるように心がけました。
山元家が直面していく希望や挫折の数々は、さながら人生の縮図の様で、学ぶことも多かったのですが、その中に軽やかに差し込まれる有田監督の笑いのセンスや魅力的な登場人物たちの輝きも作品の見どころですので是非ご注目下さい。
劇場内で共有される温度の中でご鑑賞頂きたい作品です。皆さまのお越しを心よりお待ちしております。
<助産師・清水香苗役:輝有子>
誰もが何かしら誰にもいえない不安や悩みを持っているとおもいます。それを理解しようとすることは時に人間関係において面倒なことかもしれません。
助産師清水は大事な出産をお手伝いするのは勿論、お母さんになる妊婦さんにそっと寄り添えたら…。何かを分かち合えたら…。知らないことを知ること、解らないことを解ろうとする時におせっかいな彼女を大切に演じさせて頂きました。
Don’t think. Feel!
有田監督が引用したこの言葉の意味をお客様にもお持ち帰り頂けたらと思います。
<里美役:小原徳子>
私が演じた里美は、主人公・眞希の親友グループの中で唯一の母親であり、そういう意味では眞希の先輩となる立場でした。しかし、情報を共有することは出来ても、眞希の身に起こることを私が解決することも、トラブルを回避することも出来ません。私に出来たことは、自分がこういう時こんな風にされたら嬉しかった、ということを、経験してきた立場だからこそ想像して、手を差し伸べてあげるということです。眞希にとってはそれが、時にはお節介に感じるかもしれないし、辛くなった時そのお節介が心を楽にしてくれるかもしれない。
「出生前診断」という、妊娠を経験する人しか聞き慣れない題材だからこそ、その中で葛藤する主人公を揺れ動かす気持ちや行動は、スクリーンの向こう側の方に共感してもらいやすいよう、なるべくシンプルであろうと里美を演じました。
映画の中には様々な親子が出てくるのですが、それぞれの親子から見える愛の形の違いにも注目していただけると嬉しいです。
結婚、出産を経験する方もそうで無い方も、是非スクリーンで体感して、大切な人と向き合うキッカケになったら嬉しいです。
<桜役:瑞生桜子>
製作初期の頃、女性ばかり10人程が集まったオンラインミーティングで、妊娠出産について各々どう捉え考えているか?といった内容の討論会を何度か行った記憶があります。自分自身の口から溢れでた言葉に驚くこともあれば、自分とは異なる価値観や角度のお話に得心し影響を受けたり、自身の人生について深く考えるきっかけを与えてもらえた、大変有意義な時間でした。結果として、みんなで語り合ったあの時間が、この作品の空気を形成する大きな要因になったのだろうなと、今振り返ると感じています。
監督主演プロデュース全てを担った有田さんの覚悟と、この作品にかける強い想いが、画面を通して、しっかりと伝わってくる映画に仕上がっていると思います。
是非公開を楽しみにしてくださると嬉しいです。
<美紀役:小林春世>
私が演じた美紀は、仲良し4人組の中で「グローバルな視点を持った人」という役割だと思います。私自身も何度か海外で生活した経験があるため、「日本では当たり前だと思われていることが、他の国では多分そんなに当たり前ではない」と感じることが、よくあります。そのような自分の体験と照らし合わせて演じました。
この映画は、一部キャストがスタッフワークも行いながら撮影されました。彼女達の頑張りがなければ完成しなかったと言っても過言ではありません。そんな彼女達が俳優として輝いている姿に、何よりご注目いただきたいです。是非、劇場に足をお運びください。
<妹・武田渚役:辻凪子>
眞希の妹・渚としてあたたかい家族の一員になれたこと本当に幸せに思います。渚は眞希の家族でもあり、たったひとりの妹だから、一番気を遣わずに話せる存在。自分が悩んでいる時にいつも話を聞いてくれて、助けてくれたのは姉ちゃんだから。姉ちゃんが苦しい時は、何がなんでも力になりたいと思って、その場に居ました。
私もこの映画をきっかけに出生前診断のこと、子が産まれることについて、初めて知ることが沢山ありました。知れたから誰かの力になれるかもしれない。生きてりゃなんとかなるんだ。この映画に出逢えて良かったです。
▼特報
映画『渇愛の果て、』
出演:有田あん 山岡竜弘
輝有子 小原徳子 瑞生桜子 小林春世 大山大 伊藤亜美瑠 二條正士 辻凪子
烏森まど 廣川千紘 伊島青 内田健介 藤原咲恵
大木亜希子 松本亮 関幸治 みょんふぁ オクイシュージ
監督・脚本・プロデュース:有田あん
監修医:洞下由記 取材協力:高杉絵理(助産師サロン)
撮影:鈴木雅也 谷口和寛 岡達也 編集:日暮謙
録音:小川直也 喜友名且志、西山秀明 照明:大﨑和 大塚勇人
音楽:多田羅幸宏(ブリキオーケストラ) 歌唱協力:奈緒美フランセス(野生児童)
振付:浅野康之(TOYMEN)
ヘアメイク:佐々木弥生 衣装監修:後原利基
助監督:藤原咲恵 深瀬みき 工藤渉 制作:廣川千紘 鈴木こころ 小田長君枝
字幕翻訳:田村麻衣子 配給協力:神原健太朗
宣伝美術・WEB:金子裕美 宣伝ヘアメイク:椙山さと美 スチール:松尾祥磨
配給:野生児童
2023/日本/97分/カラー/アメリカン・ビスタ/ステレオ
©野生児童
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5月18日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開