第37回高崎映画祭授賞式が2024年3月24日、群馬県高崎市高崎芸術劇場で開催。最優秀作品賞『せかいのおきく』阪本順治監督や主演を務めた黒木華、共演の石橋蓮司が登壇。また、最優秀主演俳優賞に輝いた岡本玲(『茶飲友達』)や最優秀助演俳優賞を受賞した中村ゆり (『市子』)と森山未來(『ほかげ』)などの受賞者が出席。約1000人の観客を前に記念トロフィー や高崎名物”高崎だるま”を受け取り、喜びを語った。
■ 「新進監督グランプリ」磯部鉄平監督 『凪の憂鬱』 コメント
磯部鉄平監督
今日、大阪から僕、やってきたんですけど、家族に「行ってきます」って言ったら、「コンビニ行くみたいな服で何してんねん!」って言われて、急いでユニクロで生まれて初めてジャケットを買ってみました。
磯部と申します。よろしくお願いします。
僕は20代のとき調理師をやってまして、映画は普通に観るだけ、小学校のときからずっと映画が好きで、毎週毎日映画を観てたんですけど。どこか映画を作るみたいなのは、自分なんかにはできないみたいなことを思っていました。
でも30歳が近づいてきたときに、やっぱり死ぬまでに何かやりたいことをやろうと思って、ビジュアルアーツ専門学校という夜間部のところに入りまして、30歳ぐらいから映画の道に入ったっていう感じです。
そこからスタッフ3人、キャスト2人のように5人で、休みの日に自主映画をコツコツコツコツ撮って、1本取るたびに、映画がわかったような気になったり、完成したら、「全然できへん…」みたいなことをずっと繰り返して、ちょっとずつちょっとずつスタッフとかキャストが増えていきました。
「何とか映画で食えたらな…」と思ってやっている中で、辻凪子さんという女優さん・俳優さんと出会って、最初は本当に即興だったんです。この『凪の憂鬱』っていうのは3本。今までシリーズでやっているんですけど、最初は網走で即興みたいな感じで、ちょっと遊びでやろうみたいな感じから始まりました。
その2年後にもう一度やってみようと、29分の大学生編っていうのを作って、辻凪子さんの成長とともに、主人公の年齢もどんどん上がっていくということをやっています。
3作目にして長編で社会人編というので、遊びで作っていた『凪の憂鬱』がやっと劇場公開できて、それで映画を作り出したときから、「高崎映画祭っていいよな…」みたいなのをずっと夢見ていました。シネマテークたかさきで上映されることになって、「高崎は素敵な街や」と思ってまた帰ってきたいなと思っていたら、まさか『凪の憂鬱』で受賞しましたってことで、また来られてものすごく嬉しいし、なぜトップバッターなんだと。
こんな感じです。すいません、このぐらいでどうもありがとうございました。
高崎映画祭は、2024年3月31日(日)まで、高崎市内高崎芸術劇場、シネマテークたかさき、高崎電気館で開催される。高崎市内でロケが行われた『シン・仮面ライダー』ほか、公開を控えた『辰巳』(小路紘史監督)も上映。
また、『スイート・マイホーム』(3月30日(土)13:20〜上映)など邦画作品ゲスト登壇もあり、各作品で熱量高い上映が行われる。
上映作品など映画祭詳細は、高崎映画祭公式サイトまで→https://takasakifilmfes.jp/
第37回高崎映画祭 3月31日(日)まで開催中