2024年3月7日、文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト 2023」合評上映会が開催され、選ばれた4人の監督の短編映画が上映。作品ごとに監督とキャストが登壇し、舞台挨拶を行った。本記事では、『恋は真っ赤に燃えて』(西口洸監督)を取り上げる。
■ 短編映画『恋は真っ赤に燃えて』
友情の花が咲いたんやなぁ
ストーリー
田中イチローはアフリカ系アメリカ人と日本人とのミックスの高校1年生。クラスメイトのゆいに想いを寄せながら友人の治と悶々とした日々を送っている。そんな彼の前に現れた転校生マイケルはヨーロッパ系アメリカ人と日本人のミックス。文武両道、眉目秀麗なマイケルにゆいは心を奪われる。嫉妬に燃えるイチローはマイケルとの対決を決意するが、素朴なマイケルを前に、燃える闘志は空回り。クラスの端っこで生きてきたイチローと治と転校生マイケルはいつしか友情で結ばれていく。そんな中いよいよイチローはゆいに想いを伝える時を迎えるが。
▼上映後舞台挨拶
登壇者は西口洸監督と出演者のトロツキー・マックレンドン、髙橋翔、田中智也、板尾創路の5人で、司会は伊藤さとりが務めた。
出演者のイチロー役を演じたトロツキー・マックレンドンは、映画初出演ということで「ガチガチに緊張してるんですけど、本日はよろしくお願いします」と挨拶。
マイケル役を演じた髙橋翔も同じく映画初出演。「最初は緊張していて、撮影現場でもダメ出しを連発されると心配していたが、監督が優しく、気遣いもできる人で僕らの良さを自然と引き出してくれた。これが初めての映画でよかったと思うし、人生の宝物になった」と喜びを表現。
治役を演じた田中智也は、「久々に高校の制服を着て、学校で撮影をしたのですが、高校生活を思い出して、ちょっと若くなった気がしました。」と学生時代を懐かしんだ。
板尾創路は、「いま映画を観ていたけど、タコのシーンより俺の出演シーンの方が短いんとちゃうかな?」と、会場の笑いを誘った。
本作の物語をどのように思いついたかを質問された西口監督が、ものすごく低いテンションで、「こんな世の中やからみたいなことですよね…」とつぶやくと、板尾さんは、「監督、別に逮捕されたわけじゃないんだから、もうちょっとこう…(元気を出していきましょう)」とツッコミ、会場を笑わせた。
▼撮影のエピソード
髙橋さんは、「釣竿の(釣竿を振る)タイミングに監督がすごいこだわってらっしゃって、五、六回は絶対撮っていますよね。何回もこの一つの動作にこだわっていて、それで友情を表してたのかなって考えると、やっぱすごい深い作品だなと思いました。」と感想を述べた。
喧嘩のシーンについて質問されたトロツキーさんが小声でポツリポツリと「リハーサルを何回かやって、その中で一番よくできたシーンだった。ひとつひとつのシーンを全部こだわっていたので、ちょっとしたシーンでも何回も絶対に練習しました…」つぶやくと、それを見かねた板尾さんが「謝罪会見みたいだからさ、声もちっちゃいからマイクぐらいは口に近づけなくちゃ」と声をかけた。
▼西口監督が今後撮りたいもの
西口洸監督
やっぱりロバートゼメキス監督の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』みたいな、観た人全員が“面白い!”っていう、なんていうか究極のエンタメ的なものを作りたいなと。
『恋は真っ赤に燃えて』も僕なりのバック・トゥ・ザ・フューチャーを撮ったつもりなんですけど、ちょっとでも今後、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を撮り続けたいなと思います。
【関連記事】
ポスタービジュアルにうつっている弓道着姿のヒロイン・ゆいを演じるのは、中島瑠菜さん。
弓道を特技・趣味にしており、本作でも弓道姿を披露している。
下記の記事は、『日本一制服が似合う男女』を選ぶ「第10回日本制服アワード」授賞式での中島さんの姿。ここでは、「CM NOW賞」を受賞している。
作品タイトル:恋は真っ赤に燃えて
監督氏名:西口 洸(NISHIGUCHI Hikaru)
出演者: トロツキー・マックレンドン 髙橋 翔 中島瑠菜 田中智也 板尾創路
スタッフ: 監督・脚本:西口 洸
製作総指揮:松谷孝征(VIPO理事長)
製作:特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)
プロデューサー:佐藤圭一朗
キャスティング:下鳥真沙
音楽:川崎正貴
撮影:北川喜雄
照明:福田裕佐
録音:田中靖志
美術:松塚隆史
編集:宮島竜治
音響効果:齋藤昌利
衣裳:川本誠子
ヘアメイク:板垣実和
VFXスーパーバイザー:平野宏治
スチール:土屋久美子
助監督:張元香織
制作:駒宮永恵
作家推薦団体:大阪芸術大学 映像学科
制作プロダクション:Lat-Lon
上映年・フォーマット・上映時間・コピーライト:2024年/カラー/ヨーロピアンビスタ/29分/©2024 VIPO