東日本大震災から10年、宮城県石巻市でロケを敢行した『3653の旅』が2022年8月13日(土)より池袋シネマ・ロサにて、中編映画『彼女たちの話』と同時上映される。先行して『3653の旅』のメインビジュアルと場面写真が公開された。
『3653の旅』は東日本大震災から10年、埼玉と石巻で離れて暮らす幼馴染それぞれの過去との向き合い方、未来への一歩を描いた中編映画。監督は田辺・弁慶映画祭グランプリ受賞作品『愛のくだらない』が公開中の野本梢監督がメガホンをとった。
企画・プロデュースは、震災当時から復興事業に携わってきたリフォーム会社エイジア代表の稲村久美子。2019年に国内の映画祭にて4つのグランプリを含む8つの賞を受賞した短編映画『次は何に生まれましょうか』(主演:根矢涼香)以来の再タッグとなる。
出演は岩手県出身の中村更紗、『ボクらのホームパーティー』の卯ノ原圭吾、『優しさのすべて』でTAMA NEW WAVE女優賞ノミネートの二田絢乃など、昨年より出演作が急増している今注目の俳優たち。本作のメインビジュアルは出演の卯ノ原圭吾さんが撮影。震災当時多くの方が避難した日和山での一枚となる。
今現地で生きる人々を石巻市のみやぎ東日本大震災津波伝承館など多くの協力の元、描いた作品。
■ 映画『3653の旅』
〈ストーリー〉
東日本大震災から10年。故郷石巻を離れ、埼玉のリフォーム会社に勤めている玲の気がかりは、部屋にこもりがちな幼なじみ・凪。玲は、凪を埼玉へ連れ出すため、同僚の祐太と石巻を訪れる。祐太が指令通り凪との仲を深める中で、玲は今も行方のわからない母と過ごした日々を思い出していく。
玲と凪が抱く、それぞれの過去への向き合い方、それぞれの未来への向き合い方。そこに生じる二人の心の掛け違いが、あの日と今を引き寄せる。
▼監督、プロデューサー コメント
[監督・野本梢]
プロデューサーの稲村久美子さんと共に石巻市を訪れた際目にしたのは驚くほどに整った街並みと背の高い防波堤でした。被災地から離れた私たちが毎年この時期に津波の映像を見ながら当時を思い出している間に、現地の方たちは前に進むため、同じ悲劇を繰り返さないためにものすごいスピードで取り組んでいらっしゃいます。そんな現状と共に、気持ちが追いつかない人々の葛藤を描けたらと思いました。
[プロデューサー・稲村久美子]
東北地方太平洋沖地震による災害から11年が経ちます。物資を詰め込んだ車両で家を出て、初めて石巻の地を踏んでから沢山の方に出会った11年でした。
震災をよく知らない世代もいる一方で、未だ「復興とは」と、悩み考え続けている方たちは決して少なくありません。そこにあるのは、人の「思い」で有り又他者に対しての「想い」であるのでは無いでしょうか。映画をつくる時に、野本監督とやり取りしながらいつも気にしているのは、登場人物が今何を感じどうしたいのか?です。フィクションではありますが、彼や彼女たちは、生身の人間であり悲しんだり、笑ったり、泣いたり、迷い、時にはクヨクヨしながらも、私と同じく考え続けています。映画を観てくださった皆様に、作品を通してその思いが伝わればと願っております。
▼公開情報
『3653の旅』(2021年|日本|42分|カラー|DCP)©︎エイジアムービー
出演:中村更紗 二田絢乃 卯ノ原圭吾 鈴木達也 坂巻佑 多田浩志 稲村美桜子
主題歌:「鳥人」ナックルヘッド feat.心near
監督・脚本・撮影 野本梢|録音 横田彰文|助監督 金子愛奈|ヘアメイク浜香奈子/松村南奈|ドローン撮影 加藤正明|制作 稲村健一/遠藤晃/Isakazu|編集 知多良|音楽 ナックルヘッド|デザイン 本木友梨|企画・プロデュース 稲村久美子
製作:有限会社エイジア/エイジアムービー/石巻で映画を撮るプロジェクト
◆公式サイトhttps://asia-ina.com/movie/film/
〈同時上映〉 『彼女たちの話』(2022年|日本|50分を想定|カラー|DCP)©︎エイジアムービー
2022 年 8 月 13 日(土)〜26 日(金) 池袋シネマ・ロサにて2週間限定公開