2月10日(土)から、池袋シネマ・ロサにて映画『正しいアイコラの作り方』が公開されている。本作に剱鈴(つるぎりん)として出演している髙石あかりさんにインタビューのお時間をいただき、本作への出演が決まった時や撮影時のエピソードをうかがいました。
■映画『正しいアイコラの作り方』髙石あかり(剱鈴役)インタビュー
▼出演が決まった時の感想
-出演が決まった時の感想を聞かせていただけますか?
髙石あかり
剱鈴と谷川あさひがいて、台本を読んでいるときに剱鈴という役にとても惹かれました。
ものすごく純粋で、でもすごく自由な彼女を演じてみたいと思っていたので、剱役と言われたときは嬉しかったです。
その剣鈴を「どうやって広げていこうか…」といったものは、決まってからすぐ考えたと思います。
-かなり濃いキャラクターなので、どう演じるかっていうのは考え甲斐がありそうですね。
▼最初に脚本を読んだ時の感想。完成した映画を観た時の感想
-今回の脚本は、コメディ、ミステリー、青春、学園もの、ラブコメ等々が含まれていて、すごく面白い脚本だと思ったのですが、脚本を最初に読んだときの感想と、映画が完成した後実際に作品を観ての感想、この二つを聞かせていただけますか?
髙石あかり
台本を読ませてもらったときは膨大な量のナレーションを「どのように映画に組み込んでいくんだろう…」っていうことにすごくわくわくしました。セリフが漫画チックというか、小説っぽさだったりとか、現実とはちょっと違ったものが含まれていて、そこから言い方やどうそれをナチュラルに映画に落とし込めるかっていうことについて、自分はセリフを吐きながら台本を読んでいたとに思います。
やはりナレーションがすごく気になっていました。「これをどう映画に落とし込めるんだろう…」と思ったのですが、完成した映画を観たときに、今までにない、この坪根さんのナレーションの感じがすごく面白くて新しいなと思いました。
さきほどおっしゃられていた、ミステリーやコメディや恋愛要素もあって、本当に飽きずに2時間という長い映画・超大作にもなっていますけど、観ていただけたら嬉しいなと思いました。
あと、自分のその登場シーンに驚きました。
-ぜひ、そこを後ほど聞かせてください。ナレーションについては、神谷監督から聞いた話では、収録に3時間ぐらいかかったとうかがいました。
▼インパクトのある登場シーン
-では、髙石さんのコメントに書かれていた、インパクトのある登場シーンについてうかがってみたいと思います。
あのシーンを実際に観ると、かなり大変だったんじゃないかと思うのですが、あのシーンにどのように臨んだか、教えていただけますか?
髙石あかり
台本の方に最初に、“剱鈴としてではなく、女”って書いてあって、“先輩”っていうセリフが書いてあったんです。その後に“剱鈴という女が立っている”というところだけ書かれていたんです。
最初の“先輩”っていうのは画面上には映らなくて、スクリーン上には次のカットに切り替わったら剱鈴が立っている…っていうことになるんです。なので、どれだけその“先輩”っていう喋り方とのギャップをつけられるかが勝負だなと私は思っていました。
どれだけかわいく言えるかについては監督もすごく意識していて、本読みを全体でさせてもらったときに、「その“先輩”の言い方はもうちょっと可愛く、もうちょっと後輩感が欲しい。もうちょっとかわいらしく。アニメ感みたいなものを出してほしい」といったことが監督たちの要望としてありました。なので、ものすごく“先輩”にはこだわっていたように思います。
▼山形ならではの想い出
-この作品は山形で撮影されたということですが、山形ならではの印象に残っていることをお話いただければと思うのですが、いかがでしょうか。
髙石あかり
私は山形のおかげで今、ものすごく山が大好きになっているんです。山を見に行ったり、親と登山に行ったりしているのですが、そのきっかけをくれたのが山形なんです。撮影期間も長くて、秋にも行き、冬にも行ったので、いろいろな山形の景色を見ることができました。
一緒に行った花音ちゃんと銀山温泉(https://www.ginzanonsen.jp/)に行ったり、結構遊びに出かけて、山形は満喫したと思います。
-撮影は、10月から12月の各月に少しずつ分けて撮影されたそうですね。
髙石あかり
1週間ほど撮影に行って、またひと月後に戻ってくると、雪が降っていて違った景色をみることができました。そういう景色の変化を見られて良かったと思います。
-先ほど温泉の話がありましたが、他にもお気に入りの場所や食べ物はありますか。
髙石あかり
雪がまだ降っていない秋の時期にロープウェイがあるスキー場に行きました。あとはいろいろなところを歩いたり、ご夫婦で営まれているお蕎麦屋さんにも行きました。
▼共演者のお二人の話
-共演者のお2人の印象やお芝居をしての感想をおしえていただけますか?
髙石あかり
花音さんに関しては、ものすごく仲良くなりました。同じ事務所でお互いに知ってはいたものの、そんなに仕事で関わったことがなくて、いつか花音ちゃんとお仕事やプライベートでも会ってみたいと思っていたときに、こうしてお仕事でご一緒することができました。
撮影の際は毎日一緒にいるので距離が縮まって、撮影や楽しいことや、役に対して難しくて悩んだりといった時間・濃い時間をともにいられたのは、坪根さんにも言えることですが、本当に良かったと思います。
お芝居の質が、花音ちゃんはすごく繊細なタッチで、私は結構パンチ力がある感じなのですが、その繊細ですごく爽やかなお芝居を盗みながら撮影に挑んだように思います。
それは坪根さんにも言えるのですが、坪根さんのナレーションを最初に本読みのときに聞いたときに、びっくりしてしまいました。
このナレーションに、表現力が加わったらこんなに素敵になるんだって思ったんです。
私が言うのもあれですが、すごく頼もしい座長でした。セリフ量とかもすごいのに弱音を一言も吐かないんです。
主人公なので毎日ずっと出ているので、私達がお休みのときも朝から夜まで撮影されていますし、台本というか作品を見ていただけたらわかると思うのですがセリフ量が半端じゃないんです。
それでも私達にずっと笑顔を向けてくださっていて、すごく素敵な方だなと思いました。
▼撮影時の想い出に残るエピソード
-撮影時のエピソード、思い出に残るようなお話がありましたら聞かせてください。
髙石あかり
山形の雪が本当にすごくて、映画の後半に坪根くんと、雪の上で凧揚げをして、そこでちょっと恋が発展するシーンがあるんですけど、そこのシーンで最初に引きの画を撮った後に、剱鈴の表情を狙った寄りの画のふたつがあるんです。
その寄りと引きの画の雪の降っている量が違いすぎて、「これはどうやって撮ったらいいんだ?」という状態になったことがありました。それが想い出です。
だから、映画を観たら、寄りが全然なくて、やっぱり寄りの画は使えなかったんだなと思いました。でも、すごく楽しかったです。
▼お客様へのメッセージ
-映画を観にいらっしゃるお客様へ向けてのメッセージをお願いします。
髙石あかり
私が演じさせてもらった剱鈴という役はすごく自由で、不器用です。でもその不器用さがすごく愛おしく感じたり、本当に素直に好きな人に対して一途なところだったりとか、それはから回っちゃっているんですけど、そういうところを少しでもいいなって思っていただけたら嬉しいです。
この作品は、キャラクター1人1人を愛おしく思える作品だと思うので、ぜひ何度も見ていただいて、キャラクターに愛着が湧いてくださったら嬉しいと思います。ぜひ劇場で観ていただけたら嬉しいです。
▼冒頭5分間映像
『正しいアイコラの作り方』
出演:坪根悠仁 花音 高石あかり
菅生直也 古林南
大石菊華 新良貴優士高橋和心 井上慶人
監督・編集:神谷正智 脚本:神谷正智・神谷正倫 原作:水月一人『正しいアイコラの作り方』
撮影: 山田 笑子 照明:蟻正恭子 録音: 織笠想・渡部雅人 音楽: 永井カイル (THANEON LILY)
制作:佐藤哲哉・神谷正智・神谷正倫
2024年/日本/126分/カラー/DCP
公式サイト https://sorekara.wixsite.com/tadakora
■公式 SNS アカウント
・X(旧 Twitter) @tadashiiaikora
・Instagram tadashiiaikora2024
2023年2月10日(土)より池袋シネマロサにて四週間限定公開、順次全国公開