3月10日、TOHOシネマズ日比谷で、映画『宮田バスターズ(株)-大長編-』が一日限定で上映。舞台挨拶には、坂田敦哉監督、主演の渡部直也、特別出演の宮崎美子、劇中で活躍するキャラクターのタンクくんが登壇。
本作は、TOHOシネマズが、いま、気になる映画人や映画、もっと注目されるべき作品を邦画、洋画問わずピックアップしてTOHOシネマズ 日比谷の大スクリーンで特別上映を行う「TOHOシネマズ ピックアップ・シネマ」プロジェクトVol.3」のピックアップ作品。
『宮田バスターズ(株)』は、宇宙生物駆除を業務とする中小企業を描いた規格外の学生自主映画。この作品のパイロット版に位置づく、短編版が、カナザワ映画祭2019で「期待の新人監督」に選出されるなど、全国13箇所の映画祭で話題となった。それから2年。短編版キャスト・スタッフが再集結し、クラウドファンディングを経て、長編映画『宮田バスターズ(株)-大長編-』へと再構築された。
■映画『宮田バスターズ(株)-大長編-』
STORY
「大変な時代になったもんだ。」
突如世界を襲った“宇宙生物の飛来”
人々の安全を守るべく、長きに渡り宇宙生物と戦い続けてきた駆除会社「宮田バスターズ(株)」
そんな彼らの均衡は“テクノロジーの進歩”により崩れ始める…。
■映画『宮田バスターズ(株)-大長編-』 舞台挨拶
▼ごあいさつ
坂田敦哉監督
『宮田バスターズ(株)-大長編-』という映画を作りました坂田敦哉です。よろしくお願いします。本日はありがとうございます。
渡部直也
宮田バスターズの宮田長役の渡辺でございます。まさか日比谷でお会いできるとは思いませんでした。今日はありがとうございます。
宮崎美子
なぜか出ております。旅館の女将です。よろしくお願いします。今日は本当にありがとうございます。
▼映画作りのきっかけとなった「ドラえもん」の隣で自身の作品が上映される奇跡
-「TOHOシネマズ ピックアップ・シネマ」プロジェクトVol.3」に選ばれ、「TOHOシネマズ日比谷」にたどりついた感想
はいかがですか?
坂田敦哉監督
いやぁ、嬉しいですね。僕はドラえもんを小学校の頃に見て、ドラえもんが映画を作る話を観て、映画を撮り始めたので、TOHOシネマズで今『ドラえもん』が隣で上映されている奇跡が起きているのが本当に信じられないです。
ドラえもんとまさか一日とはいえ、同時に上映されてすごい感動しております。
▼本作の着想・伝えたかったイメージ
-「池袋シネマ・ロサ」1館からスタートして、TOHOシネマズで上映することになって、今日もチケットが完売となっております。
この作品を作るにあたっての着想や伝えたかったイメージにはどんなものがありましたか?
坂田敦哉監督
この映画は伝えたいイメージが元々ありませんでした。僕がまだ18歳の時、初めて身内で作った映画で福岡の映画祭に行ったんですけど、そこで今回主演の渡部さんに出会いました。渡部さんは初めて出会った俳優さんでした。そこで本格的に映画を作りたいなと思ったのが、渡部さんを見たときに中小企業の社長っぽい感じがしたことでした。そこから映画が始まった感じでした。
渡部直也
初めて出会った俳優が他の人だったら違う映画だったってことですか。
坂田敦哉監督
そうですね、違っていたと思います。ストーリはそこから広がってきました。渡部さんが中小企業の社長で、その物語だったら面白くなりそうだから、SFと混ぜて宇宙生物を駆除する会社で…といった感じです。
渡部直也
行き当たりばったりだったよね。
坂田敦哉監督
そうではないです(苦笑)
▼映画の始まりは、一枚の画から
-この作品の始まりは、渡部さんを見てということでしたが、このストーリーにしたのも渡部さんからのイメージだったのでしょうか?
坂田敦哉監督
どうなんですかね。僕は脚本からいかないんです。一枚の画から想像を広げていく感じなので、まず、劇中のあるシーンがやりたかったんです。
渡部直也
そのやりたいシーンを繋いでいったってことですよね。いろんな場面・やりたい画があって、それを1個1個つないでいったと。
坂田敦哉監督
『宮田バスターズ』というのは、最後にタイトルとしてついた感じです。
▼渡部さん演じる宮田社長の名台詞
-名台詞があると思うのですが、ぜひ渡部直也さんにやっていただけますか?
渡部直也
「名台詞!?」、名台詞がありましたっけ、監督。
坂田敦哉監督
名台詞、いっぱいありますよ。渡部さんが思う名台詞はなんですか?
渡部直也
「切れちゃいましたぁ」ですかね…。身内ネタですいません。
-渡部さんが登場するところが、名台詞かなと思ったのですが。
それをぜひやっていただけますか?
渡部直也
気合を入れて喋りましたのでね。
-皆さんはこの台詞が劇中でどのように出てくるか、ぜひ楽しみにしてください。
渡部直也
かっこいいバージョンで恐縮です。ご清聴いただいてすみません。
「お電話ありがとうございます!
宮田バスターズです!」
<拍手>
-もっとアクションをつけてという声がありますので。
渡部直也
イヤー!
坂田敦哉監督
そのシーンが名台詞ですね。
-このシーンがどのように出てくるかも皆さん楽しみにしていてください。
▼なぜ出演?
-こんな感じですごい盛り上がっていますが、宮崎美子さんはなぜこの映画に出演されたのでしょうか。
宮崎美子
私も渡部さんのご縁なんです。別の映画でご一緒でいただいて、今回お声をかけていただいたんですけど、声をかけていただいた時はさっぱりわかりませんでした。
「宇宙生物…?とか、中小企業とか、SF…」と言われても、その中で私が何ができるんだろうと思いました。
渡部直也
申し訳ございません!
宮崎美子
皆さんが学生さんのお仲間であって、監督はまだ…
坂田敦哉監督
当時まだ二十歳ですね。3年前くらいですかね。スタッフもみんな同級生でした。
宮崎美子
「そのお仲間が作ってる宇宙生物がすごいから!」って。
渡部直也
どういうオファーなんだっていう話ですよね。本当に僭越ながら、これは駄目もとでっていうふうにお願いしたらまさかのご快諾をいただいて、ありがとうございます。
宮崎美子
それがここに繋がっているんですよね。
渡部直也
ここまで連れてきていただいて…
宮崎美子
私は本当にね、宇宙生物がどんなものか見たくて、それで現場に行ったっていうところがあります。
タンクくんもここまでこんなふうに活躍することになるとはね。
渡部直也
最初にご覧になったとき、宮崎さん、ちょっと怪訝そうな顔になっていらっしゃいましたよね。
宮崎美子
誰だってそうなりますよ(笑)
渡部直也
見たことのないようなお顔をちょっとされていましたよね。
宮崎美子
でも観終わってだんだんと、じわじわっとかわいいという気になって来るんですよね。不思議な生き物と言っていいのかしら。
▼映画を観た感想
-映画を観ていかがでしたか?
宮崎美子
映画って、人の手で「一つ一つ組み立てていくんだ」っていう、映画作りの根本というか、こういうことだなっていうのを味わえました。
ちょっと粗っぽいところもありますよ。でも、映画ってそうなんですよね。
映画って、人の手が作る。それと、ちゃんとその中小企業のつらいとこ楽しいところとかそういう物語がちゃんとあって、大人の皆さんの鑑賞にも耐える出来になっているんです。
学生さんがこんなふうな物語を作れるなんてと私は思いました。
▼タンクくんの製作
-タンクくんはどのように作られたのですか?
坂田敦哉監督
タンクくんは…きぐるみの作り方で…
渡部直也
そういうことじゃなくて…
坂田敦哉監督
ぁ、DIYで!(汗)
-タンクくんがイメージはするものはあるのでしょうか?
坂田敦哉監督
あ、もうそれはドラえもんです。
宮崎美子
考えてみるとそうですね。
渡部直也
所々違いますけどね。
-これも映画を観る中で確認していただきたいのですが、ちょっと焦げちゃってるとかあると思うんですけど、それは本当に大丈夫だったんですか?
坂田敦哉監督
大丈夫でした。ただ、ちょっとつらかったかなとは思います。そういうシーンがあるんですよね。
-タンクくんは生き物…ということでいいんですよね?
坂田敦哉監督
そうですね。ここに関してちょっと曖昧にしている部分があって、生き物なのかロボットなのか何なのかっていうのはちょっともう…
-まばたきもしていますね。
渡部直也
今日はちょっとドライアイ気味で…
<会場爆笑>
今日は緊張してますしね。
-タンクくんがどのような活躍をしてくれるのか。映画の本編で楽しみに観ていただけたらなと思います。
▼ぬいぐるみをつくりたい!
-今後キャラクターグッズとして何かつくりたい思いはありますか?
坂田敦哉監督
個人的なんですけど、タンクくんのぬいぐるみは欲しいですね。
渡部直也
もしアイディアがあれば、Twitterとかに書いていただければ、鋭意製作する方向に持ってくんじゃないですか?
宮崎美子
中小企業の社長さんみたいですね。
渡部直也
3年ぐらいやっておりますのでそういう感じに(笑)
▼宮崎美子からみた坂田敦哉監督
-宮崎さんからみた坂田監督はいかがでしたか?
宮崎美子
監督というか、映画作りのお仲間のリーダーなんですよね。だからお芝居を細かくということではなかったのは確かですね。
だから逆に、「これってこんなふうにしたらどうでしょう?」っていうアイディアをすごく汲んでくださいました。
渡部直也
宮崎さんから、まさかのいろんなアイディアを出していただきまして。
宮崎美子
そういったことが、物を作る現場としてとても気持ち良かったというか、私も楽しめて、仲間に入れてもらったような気がして嬉しかったです。
-宮崎さんが出演されているシーンをこの後観ていただくんですが、突然、コマーシャルが出てくる点に関してはいかがでしたか。
宮崎美子
ちょっと粗っぽい点はあるんです。こんなに都合良くはCMが出てこないので、何とかすり合わせようとしたっていうところはありましたね。
▼全年齢対象のエンターテイメント作品
-この作品は誰に観てもらいたいですか?
坂田敦哉監督
この作品はお子さんから、ご老人まで楽しんでいただけるようなエンターテインメントを目指して作ったので、「ここの層に刺され!」とかそういう感じでは全くなく、幅広く全年齢対象のエンターテイメント作品です。
▼お客様へのメッセージ
-タンクくんにひとこといただくことは可能ですか?
坂田敦哉監督
タンクくんには、ボイス機能はないですね。
-それでは皆様に一言ずつメッセージをいただきたいと思います。
宮崎美子
先ほど監督もおっしゃいましたけれども、いろんな年齢の人、いろんな方に、いろんな見方で楽しんでいただける作品だと私は思います。あの粗っぽいところはたくさんあります。でもそんなのを飛び越えちゃう熱意が真っ直ぐ刺さってくる、そんな作品なので、とにかくあの楽しんでいただければと思います。どうぞよろしくお願いします。
渡部直也
本当にもう、宮崎さんがお話された通りでございます。本当に楽しんで今日ここに来るまでいろんな仲間たち”友”とやってきました。ここに来られなかったユミコ(ユミコテラダンス)さんとか、でん(でん一徳)さん、いろいろスタッフの子とか、みんなの思いがここにやっと日比谷までたどりついたかなという思いでございます。本当に温かい目で見ていただければということで、ちょっとバットマンみたいにはいきませんけれども、お手柔らかにお願いいたします。今日はありがとうございます。
坂田敦哉監督
本日は本当にありがとうございます。この映画がもう一つ注目していただきたいところがありまして、この映画はDIY映画と言われてるんですけども、この映画は自主制作映画では珍しく本当に巨大な20m四方ぐらいのセットをホームセンターにある材料だけで作っています。木から作ったので、その辺りもどこまでが手作りでどこからが実写として普通に撮っているのかを注目していただけたら嬉しいです。ほとんどを作ったんです。「この壁も?まさか滝も?」なんて…
渡部直也
滝はうるさすぎてみんながアフレコになっちゃったんですけどね。そういうのを考えずに作っちゃうから。
坂田敦哉監督
そんなこともありましたね、繰り返しになってしまいますけれども、まさかTOHO日比谷で『ドラえもん』と1日限りですけど、一緒に『宮田バスターズ』が流れることが、本当に感慨深いです。
ありがとうございます。
■「TOHOシネマズピックアップ・シネマ」
2021年末に発足した注目のプロジェクト。
記念すべき第1弾では、半年を超えるロングランヒットを記録している話題作『ベイビーわるきゅーれ』の阪元裕吾監督をフィーチャーし、同作と監督の前作『ある用務員』を上映。監督本人やキャストも登壇して、チケットは完売、大盛況のイベントとなった。
同プロジェクトの第2弾として、いしづかあつこ監督作品の特別上映が開催。当日は、監督が登壇しての舞台挨拶とともに、2作品「グッバイ、ドン・グリーズ!」、「ノーゲーム・ノーライフ ゼロ」をTOHOシネマズ 日比谷で特別上映した。
■映画『宮田バスターズ(株)-大長編-』
キャスト
渡部直也 大須みづほ 佐田淳 ユミコテラダンス 山本愛生
栗原駿 水野祐樹 吉見茉莉奈 瀬良大智 佐波太郎 茶谷優太 職業怪人カメレオール
特別出演 宮崎美子
スタッフ・クレジット
監督・脚本・撮影・編集・特殊造形:坂田敦哉
美術監督:畑村龍哉 号令:島原大知 助監督:奥井琢登 照明:小澤将衝/伊藤大晴
録音:吉原七海/谷口莉子 車両:近藤大貴 造形:北條弘登 ヘアメイク:冨田ユンジョン
接着:栗原駿 スチール:タカデアズサ 音楽:藤田雅奈 整音:松山千紘 現場応援:樋口翔一
宣伝:株式会社とこしえ 製作:映像制作団体友
2020年|72分|カラー|ステレオ|DCP|16:9
公式HP https://miyata-gogo.com/
クラウドファンディングページ(支援受付終了) https://camp-fire.jp/projects/view/183324
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