映画『野球どアホウ未亡人』TAMA CINEMA FORUM 上映後トークイベント

映画『野球どアホウ未亡人』TAMA CINEMA FORUM 上映後トークイベント

2023年11月19日(土)、永山ベルブホールにて、映画『野球どアホウ未亡人』が、TAMA CINEMA FORUMの選出作品として上映。上映後にはトークイベントが開催された。登壇者は、主演・夏子を演じた森山みつきのほか、重野を演じた藤田健彦、夏子の義理の妹・春代を演じた井筒しま、音楽を担当した中澤洸紀が登壇。小野峻志監督が司会を務め、映画の制作秘話や出演者のエピソードなどを語った。

■ 映画『野球どアホウ未亡人』TAMA CINEMA FORUM 上映後トークイベント

小野監督は、この日にスーツで登壇。「すごくサイズが小さくて…」と冒頭から笑いを誘った。小野監督はこの映画を作ったきっかけについて、「純粋にただくだらない映画、ある意味実験映画としてこの映画を作った」と率直に語った。他のコメディ映画では、くだらないけど最後は泣いたり、深い人間ドラマがあったり、社会派のテーマがあったりするものが多いが、この映画では、最初から最後までくだらないことに徹したという。その結果、予想外にも観客の反響が大きく、池袋のシネマ・ロサでは上映最終日に満席になるほどの人気を博したという。

森山みつきは、初めての長編映画・初主演を務めて大変だったことについて、口内炎ができて、ちょっと微笑むだけでものすごい痛かったことを明かした。「すごく痛かったので、麻酔薬を塗りながらやりましたが、その代わりに活舌を失ってしまって、(冒頭の)朗読のシーンができた。」と語った。

森山さんがオーディションに応募した時点で書かれていた本作の内容は「主人公の夏子が劇中で変化していく」ということだけで、シナリオを初めて読んだ時の感想を森山さんは「不安になりました」と表現した。

特に、夏子が踊るミュージカルシーンは、小野監督の思い付きで、森山さんは撮影の当日に急に言われたという。小野監督から「自由に踊ってください。」と伝えられた森山さんは、「自由に好きに踊ったり、振付が出来るのは、(特技・ダンスとは)違う能力。ストーリーも何もなかったので、本当に何もないゼロからでした。」と無茶振りをされた当時を振り返った。

藤田健彦は、夏子の草野球チームの監督である重野という悪役キャラを演じたことについて、「めちゃめちゃ楽しかった」と笑顔で話した。普段は、厳しい上司やカチッとした弁護士などの役が多いが、今回は物語の構成上の悪役というは初めてだったという。
藤田さんが重野に対して、漫画やゲームのラスボスでもっとドスのきいた声で喋ることをイメージしたという。そのイメージで読み合わせに行くと、小野監督からは、声のトーンや演技の度合いについて細かく指示されたが、結果として、監督のイメージしたもので折り合いがついたんだと試写会の時に観て感じたという。

夏子の義理の妹である春代という役を演じた井筒しまは、コメディ演技の経験があまりなく、重い役やいじめっ子のような役で、ヒューマン系の映画が多かったという。井筒さんはこれまで、ヒューマン系の映画が多く、常に刺激を求めていたが、この映画のオーディションに行った時に、まさにそれがあると感じたという。
オーディションでは、春代の役をほとんど読まされたため、その時点で自分が春代をやるんだろうと察していて、春代での出演が決まった連絡が来た時も少しも驚かなかったという。

中澤洸紀は、音楽を担当したことについて、「大変だったけど、やりがいがあった」と話した。自分は、小野監督からの依頼で、映画の中で流れる歌やBGMを作ったが、その中でも特に印象的だったのは、ミュージカルのシーンだという。最初は、そのシーンにBGMとして歌が流れるという想定だったが、急にミュージカルにすると言われて、アレンジをやり直したという。
また、映画の中で流れる歌は、昔の曲をでっち上げて作ったもので、そのために歌手名や曲名も架空のものにしたという。その結果、観客からは本当にある曲だと思われたり、探そうとしたりする人もいたという。

映画『野球どアホウ未亡人』は、年内も全国各地で上映。都内でも12月中に上映される。また、年明けの1月には、池袋シネマ・ロサでカムバック、凱旋上映が決定している。

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