映画『まだ君を知らない』などを⼿掛けた「しどろもどリ」による最新作『スミコ 22』(監督・脚本:福岡佐和⼦)の製作が決定。主⼈公・スミコ役を『浜辺のゲーム』以来 5 年ぶりの映画主演となる堀春菜が務める。すでに撮影は終えており、年内の完成および来年の劇場公開を⽬標に、今後の活動資⾦を募るクラウドファンディングも開始。
「しどろもどリ」は、⽇本⼤学芸術学部演劇学科のはまださつきと映画学科の福岡佐和⼦のふたりが⽴ち上げた創作ユニット。ラジオから活動をスタートさせ、その後映像制作にも注⼒。福井映画祭 15TH にて観客賞、おおぶ映画祭 2023 ⼊選、その後劇場公開を果たした『まだ君を知らない』が話題を呼びました。『スミコ 22』は、『まだ君を知らない』に続く新作劇映画で、福岡監督⾃⾝の体験に基づく物語になっている。
■ 映画『スミコ 22』
▼あらすじ
友⼈とエビフライパーティーをしている静岡スミコはふと思う。⾃分の感覚がいつの間にかひどく曖昧なものになっている。何が猛烈に好きで何が耐え難く嫌いか、何を⾯⽩く思っていて何を喋りたいのか、そのどれをもちっとも感じられないまま⼈⽣を過ごしてしまっていると。
それからのスミコは⾃分と会話しながら⽇々を過ごす。実家にいる猫のおこげが彼⼥にとってとても⼤事である。
馴染めない空間に馴染もうと挑んだ後は、美味しいチョコを⾷べる必要がある。⽩いスキニーを履いてパンツが透けている⼈が気になる。⼆⽇酔いで昨⽇のことを思い出すはずが、思い出す必要のないところまで思い出してしまう。
くしゃみをすると⿐⽔が出ることを意味わからないなと思う。
⼤学を卒業して⼊社した会社を4ヶ⽉でやめたスミコ。新⽣活の中で、⾃分がたしかに思っていることを たしかに思っているな と思いながらすごそうとしている。
▼『スミコ 22』製作⽀援プロジェクト
MotionGallery でのクラウドファンディングでは、しどろもどリによる新作短編『サーモンと⽣活』や過去作『まだ君を知らない』の期間限定配信、『スミコ 22』エンドクレジットへの掲載、試写会への招待など様々なリターンを⽤意。⽬標⾦額は 80 万円で、2024 年 1 ⽉ 31 ⽇まで⽀援を受け付ける。
クラウドファンディングページ
受付期間:2023 年 10 ⽉ 20 ⽇〜2024 年 1 ⽉ 31 ⽇
https://motion-gallery.net/projects/sumiko22
▼『スミコ 22』スチール⼀式解禁
新藤早代によるスチール 6 点(劇中スチール 6 点)+監督写真 1 点も公開
▼福岡佐和⼦監督、助監督を務めたはまださつき、主演の堀春菜よりメッセージ
福岡佐和⼦
はじめまして。映画『スミコ 22』の監督をつとめました 創作ユニット しどろもどリの福岡佐和⼦です。
この映画は私が⼤事に思っていることたちは何か、それを⽇々に対してどう折り合いをつけていくかということを思いながらかきました。
私は昨年の3⽉に⼤学を卒業し、正社員として働きはじめました。しかし、就職してからしばらく、いつもなんとなく悲しくて気を抜くとわんわん泣いてしまう⽇々が続きました。それは、今思えば、⾃分が⾃分の在り⽅として納得できないことを続けていることや、どんどん⾃分の気にいっている⾃分から離れていっている感覚からきていたものだったと思います。
仕事を辞めて、新しいアルバイトに慣れてきて、⽣活が成り⽴たなくなることへの不安から解放されたころから、⼤学に⼊ってすぐのときと同じくらい⽇々の中でゆっくり丁寧に⾃分と話し合うことができました。そして、作中のスミコと同じように⾃分の感覚に対して猛烈に不安になりました。ひと昔前まで、私⾃⾝の中にある猛烈な「好き」がすごくはっきりしていて、作品を⾒ていても「これはすごく良いけど好きではないな」とか「超ダイレクトにめちゃくちゃ好き」とかパッと感じられていたのに、その「好き」の範囲がちょっとずつ広がっている気がする恐怖があったり、⾃分が何を作りたいと思っているのかわからなくなっていたり。
そんな時にゆっくり⾒つかっていった、⾃分にとって⼤事なことや好きだと思っているものがこの映画につめられているんじゃないかと思います。例えば、私は世界のことよりも個⼈のことに興味があるなということ。どんな⼩さなことでも、全く⾃分と違う意⾒であっても、誰かが⼼から思っている本⾳に興味があるなということ。素敵だと思える⼈が存在していることと、それを素敵だと⼼から思えている事実に救われているということ。他⼈との距離に⼀歩踏み込むことの難しさ、踏み込めたときの嬉しさ。⽇常は全然ドラマチックではないし、考えることはくるくる変わるし、すごく楽しいかと思えばすぐどうしようもなくなったりするけれど、やっぱり⽇常はありがたいなあということ。あとは⾃分が何にドキドキしているか、ということ。
この映画は、私の8⽉後半から9⽉の誕⽣⽇までの⽇記がベースにあります。ベースにはありますが、スミコという私ではない 22 歳の⼥の⼦が、23 歳になるまでの 15 ⽇間、⾃分が何を考えながら⽣活しているのかを感じ取ろうとするお話です。⽇常の中に紛れ込んでいる“とびきり”を⼤事にしたいと思いながら作りました。どうぞ楽しみにしていただけると嬉しいです。応援のほどどうぞよろしくお願いいたします。
はまださつき
こんにちは、さわこちゃんと⼀緒にしどろもどリをやっております、はまださつきです。
この映画は、さわこちゃんの⽇記がもとになっています。
私はさわこちゃんのことがめちゃくちゃ好きです。さわこちゃんと出会ってからだいたい6年、⼀緒に暮らしてだいたい⼀年半になりますが、めちゃくちゃおんなじだなー、と思うところと、めちゃくちゃ違うな―と思うところが同じくらいの量あるなと感じています。さわこちゃんは私の⼈⽣の中で最も仲の良い友だちなのですが、こんなに仲良いのにおんなじ度合いが五割とかなのちょっと意外だよなあと思います。
それから、私はとても⼈のことが好きです。天気や動物や神様や偶然は世界にたくさんの影響を与えてくれますが、世界を動かしているのは⼈だけだよなあとよく思うことがあります。⽉並みですが、いろんな⼈がいるから世界って回ってるんだよなあ、と。
そして⼈と関わるとき、⾃分と相⼿の同じところを探して共感して理解するのも楽しいけど、⾃分にはよくわかんない相⼿の価値観を賛同はそんなにしないままめっちゃ好きと思ってたいなって思います。
それと同時に、⾃分は⼀体何を感じながら⽣きているのか、ちゃんと無視せず感じていたいなとも思います。
私はスミコの思っていることや⾏動のこと、分かると思うのと分からないなと思うのが、やっぱり五分五分くらいでした。でもスミコのことがめっちゃ好きです。スミコのこと分かる度合いが 8 割の⼈にも 2 割の⼈にも、スミコのこと好きになってもらえたらいいなと思います。
それからできれば『ナナコ31』とか『ユウスケ18』とか『タエ72』とか観たいし、『サツキ24』も観てほしい。
この映画をみた⼈が、スミコの持っている感覚に触れて、帰り道に⾃分が何を感じながら⽣きているのか、じっと考えることができる、そんな映画になっていたらいいなと思っています。ぜひ応援していただけたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。
堀春菜
初めてしどろもどリの 2 ⼈に会った時、⾃⼰紹介をしてくれた。和室と⽵が好きです、とか、うさぎ年でおとめ座なのがいいなと思ってます、とか。⾃分の好きなものを好きだと認識して伝えられるっていいなって思った。「スミコ22」を⼀緒につくって、確固たる世界を持つように⾒える 2 ⼈もこのむずかしい世の中に存在する理由を考えて考えて、好きになれるポイントを⾒つけようとしているんだなと思った。
⽣きていると⾊んな事があって⾃分じゃどうしようもないことも、今⽇の⾃分ちょっと好きだったなと思う時もあるけれど、「さわこちゃん」「さつきちゃん」と呼び合う 2 ⼈の近くにいて感じたのは、こんな時間があるなら⼤丈夫だなってこと。
「スミコ 22」が誰かにとって愛おしく、なんか今⽇美味しいもの⾷べて帰ろーってなる作品になっていたら嬉しいけど、私はもう、しどろもどリの 2 ⼈にとって好きな作品になっていたらそれでいいやとも思う。あ、でもやっぱりたくさんの⼈に観てもらえたらもっといいね!
■ 作品概要
映画『スミコ 22』 (読み:すみこ にじゅうに)
監督・脚本・編集:福岡佐和⼦ 助監督:はまださつき 制作:原恭⼠郎 撮影・グレーディング:中村元彦 録⾳・整⾳:堀内萌絵⼦ 録⾳助⼿:稲⽣遼 制作応援:藤咲千明 スタイリスト:⼤場千夏 スチール:新藤早代
プロデューサー:髭野純 企画・制作:しどろもどリ
しどろもどリ公式 Twitter[X]:https://twitter.com/shidoromodori