8月5日(土)、シネマート新宿にて、映画『カタオモイ』の公開記念舞台挨拶が開催された。舞台挨拶には、W主演の丸純子、細田善彦。中村守里、片岡鶴太郎、平井亜門、いまおかしんじ監督が登壇(MC:古藤真彦)、共演者の印象や撮影時のエピソードを語った。
■ 映画「カタオモイ」公開記念舞台挨拶
▼夫に浮気されて家出をした主婦・可南子という役柄を演じて
丸純子
何か特別に「こうだった」というよりは、自分らしくというか、可南子と自分をダブらせてというか…
私は結婚も出産も経験がないんですけど、ナチュラルな気持ちが可南子に重なって、気持ちよく演じることができたなと思っています。
▼5年ぶりの出演
いまおかしんじ監督
『闇金ぐれんたい』だね。
細田善彦
5年ぶりにお会いしたら、「老けたな」って言われましたけど。
この作品のクランクアップのときに「また5年後な」って言われたので、さっきも(監督に)言ったんですけど「もうちょっと早くやってください」ってお願いしました。
いまおかしんじ監督
5年後だと嬉しいのよ。嬉しさがひとしおだったんです、今回。
なかなかあわないもんですよね。
▼細田さんからみた丸さんの印象
細田善彦
僕は、いまおか監督の作品『あいたくて あいたくて あいたくて』を観ていました。主演が丸さんで、丸さんが素敵すぎて、今回、僕が相手をやらせてもらうにあたって、この丸さんよりも素敵な丸さんを僕も引き出せたらいいなと思って挑んだつもりです。
▼丸さんからみた細田さんの印象
丸純子
すごく真面目な方で、芝居に入ったときに、普段喋ってるときと(切り替わって)、カメラが回った時に「こういうふうになれるんだ…」っていうその中に自分の気持ちが誘導されていくのが心地よかったですし、緊張感もすごくありました。
▼印象に残ったシーンは?
中村守里
いまおか監督の演出が、私の時も他の方の時も、今までにない面白い演出をしていました。
具体的にはお尻を叩いたり、いきなりボクシングを始めたり、いい意味で面白いと思いました。
▼泰葉と言う役を演じてみて
中村守里
クールでお父さんを引っ張っていくような娘というのが格好いいなと思いました。
▼平井さんからみた 丸さんの印象は?
平井亜門
丸さんと御一緒した方が口々に言っていると思うんですけど、すごくかわいらしいチャーミングな女性です。客観的にみていると「もうちょっとしっかりしろよ、お母さん」と、思うような女性像なんですけど。
普通だったら結構イライラしてしまうんですけど、丸さんのこのお人柄で中和されているというか、許せちゃう、そういう女性だなっていう印象でしたね。
▼丸さん演じる可南子の息子を演じてみて。
平井亜門
しっかり者で行動力があって両親が割とちゃらんぽらんな感じで、その2人のお尻を叩く役なんですけど。
自分はもう27歳になるんですけど、まだまだ精神年齢も中学生や高校生みたいな人間ですし、行動力のない人間なので真逆だなという印象です。
▼多くのシーンに出演しているが1日で撮り終えた撮影現場
片岡鶴太郎
私の出ているシーンは、街場の洋食屋さんで、少しだけそこよりもランクを上にあげているような料理人であり経営者の役でした。そこに娘役の守里ちゃんが出てきます。
丸さんの印象は、『あいたくて あいたくて あいたくて』を拝見して、実際にお会いしてみたら、皆さんがおっしゃるように、明るいチャーミングなかわいい女性でした。
丸さんで初めて会ってからいきなり絡みっぽいシーンがあったんです。二人で思いっきりエロっぽく、結構濃厚に踊ったんです。それをやったら、なんだか吹っ切れたので、その後のシーンをうまく撮れるようになるという思いで、監督がやってくれたのかと思いました。
だけど試写を観たら、そのシーンが全部カットになっていました。
あれはつまりあとのシーンが撮りやすくするための一つのイベントだったんです。
いまおかしんじ監督
いや、そんなことないです。
バリバリ使う気で撮っていたんですけどね。
片岡さんと話していて、店の雰囲気を「下町の洋食屋なんです」と言ったら、すぐに下町感が出てくるんです。「これ、何かみたことあるな…」と思ったら、『異人たちとの夏』(1988)という大林宣彦監督の映画の雰囲気を思い出して、グッときました。
あと TikTok の撮影みたいなのがあって、あれは面白かったですね。
片岡鶴太郎
娘から、TikTok がいま流行ってるから、お店の紹介をしようっていう話に最初は嫌がっているんだけど、結局、ノッテきちゃって、自由にやってくれって言われたからいろんなことをやりました。それは本編では使われずに、エンディングで流れます。
ほとんど俺のキャラクターを離れて、若い頃の鶴ちゃんになっていました。
いまおかしんじ監督
中村さんも(可南子という)役名を忘れて、「丸さん、丸さん!」って言ってましたものね。
▼本作のテーマについて
いまおかしんじ監督
いろいろあって可南子は家出してきたわけで、出先でいろんな人と出会って、恋したり友達や知り合いができたりして、また帰っていくという何日間かの話です。
みんなそれぞれが後々に思い出して、ニヤニヤしたり、クスッと笑えるような、そういう体験が、映画を観ることとつながるというか。
つらい日々ばかりなので、一日や二日くらいは、良いことがあるんじゃなかろうかと言うふうに思って感じてもらえたらと思っています。
▼みなさんへのメッセージ
細田善彦
丸さんを中心にここにいる我々は結構いびつなキャラクターだと思います。そのいびつなキャラクターたちが監督の演出といびつに転がり続けていくのですが、どこか温かくてちょっとだけ笑えるような映画になってるんじゃないかなと僕は思っております。
楽しいとかよかったなと思ったら、お友達とかにも広めていただけたら嬉しいです。
丸純子
それぞれのキャラクターがきっとどなたか皆さんどこかに当てはまるんじゃないかと思います。突飛ではあるけれども、なんかいそうな、そこを楽しみながら見ていただけたら嬉しいなと思います。
いまおかしんじ監督
シナリオを書いているときに、「何となくこういう映画になったらいいな」みたいなことを思うんですけど、いざキャストが集まってきて、今回キャスティングがすごい華やかというか、みんなそれぞれにちゃんと魅力が発揮できているような気がしています。
主演のお2人以外にもいろいろ見どころがあるというか、みんなかわいかったり何か魅力があると思うので、その辺、楽しんでいただけたらいいなと思います。
映画『カタオモイ』
<ストーリー>
杉下可南子(43)は夫・方正の浮気が原因で家出して東京下町の大衆食堂で働き始めた。履歴書に書いた33歳という嘘はすぐにばれるが、店主の芳雄と芳雄の娘・泰葉は可南子の明るい性格が気に入り、快く受け入れた。そんな可南子はある日、道端で酔って寝転ぶ男性を介抱する。可南子が介抱した男・謙一は一緒に暮らしていた彼女にフラれ、傷心のあまり酒と睡眠薬を一気飲みしたと言う。顔を見ると可南子より一回りほど年下の青年だった。泥酔している謙一を部屋まで運ぶ可南子であったが、謙一は恋人と間違えたのか、突然可南子を抱き寄せキスをする。瞬間的に恋愛スイッチが入った可南子は、偶然手にした合鍵を使って謙一の部屋に忍び込むようになり……。
丸 純子 細田善彦
川瀬陽太 平井亜門 中村守里 東雲あずさ 松本拓海 佐藤 宏 フミカ / 片岡鶴太郎
監督:いまおかしんじ 脚本:宍戸英紀
企画:利倉 亮 プロデューサー:江尻健司 ⼭⽥剛史 竹内宏子 撮影:山本英夫 録⾳:梅原淑行
編集:蛭田智子 助監督:須上和泰 メイク:五十嵐千聖 衣装:天野多恵 スチール:千葉朋昭 ⾳楽:宇波 拓
整音・MA:嶋田 茂 音響効果:加藤博紀 キャスティング協力:北野裕子 関根浩⼀ 営業統括:堤 亜希彦
製作:レジェンド・タレント・エージェンシー
配給宣伝:ムービー・アクト・プロジェクト 配給協⼒:ミカタ・エンタテインメント
文化庁「ARTS for the future!2」補助対象事業 2023年/⽇本/78分/カラー/ステレオ/R-15作品
©2023レジェンド・タレント・エージェンシー
8月4日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開