岩崎孝正監督『海鳴りがきこえる』が、2023 年 10 月 28 日(土)より新宿K’s cinema にて公開することが決定。公開決定に加えて、メインビジュアル、そして岩崎監督、中村守里、内村遥のコメントおよびメインビジュアルが解禁。
今回、解禁されたメインビジュアルには、理子奈がカメラのファインダーをのぞく印象的な表情が採用され、「“あの日”すべてが変わった― 私も、世界も。」とキャッチコピーが添えられている。また下方には、津波で家屋が壊滅した被災地の写真も配置されており、震災が、彼女の以後の人生に深く影を落としていることが伝わってくる。
■ 映画『海鳴りがきこえる』
3.11 を記録すること、その以後の物語を描くこと
被災地となった故郷を、映像で紡ぐ岩崎孝正の初長編劇映画
監督は、長編劇映画が初となる岩崎孝正。福島県相馬市出身の岩崎は、3.11 の震災以降、故郷の映像を撮り始め、2015 年にドキュメンタリー『自然と兆候/4 つの詩から』を完成させる。以降も災害や公害についての短編作品を送り出してきた。主演、理子奈役を演じたのは、『アルプススタンドのはしの方』(20)をはじめ、数々の映画に出演、『まなみ 100%』(23)も控える注目の若手俳優、中村守里。夫・知久役は、近年、映画の出演に加えてドラマにも幅広く出演する内村遥が演じている。3.11 の震災から 12 年―その以後の人生を描くヒューマンドラマがここに完成した。
▼あらすじ
震災ですべてを失った女性は、母になり家族をもった
幸せを求めた彼女は、何故また被災地に戻ったのか―
元写真家の理子奈は、愛息、大地の子育てに追われる毎日を過ごしている。東北の被災地出身の彼女は、震災で家族が離散した過去があった。だからこそか、自分の理想的な家族を作ることに執着しているが、夫の知久とぶつかり、噛み合わない日々が続いていた。そんな折、父親のように慕って師事していた写真家の浩志が、緊迫した情勢のベラルーシに難民取材に行くと連絡が入る。父親を失うような気持ちでいる最中、知久が浮気をしていることを知る理子奈。苦悩のなかで、本当に自分がすべきことは何かと自問しながら、やがて、彼女は東北の被災地へ車を走らせていく―。
▼プロフィール・コメント
中村守里 コメント
主人公理子奈も演じる私も、毎日一つ一つのシーンがいろんなこととの戦いでした。積み上げてきた現実が足元から揺らぎ出す過程を目の当たりにした時、あるはずの色彩が消え世界が灰色へと一変する。そこでの景色の日常は苦しく孤独で心のシャッターは閉じてしまいます。ただただ幸せになりたいと願っているのに。それでも癒えない傷は時間をかけて修復していってほしい。狂いながらも必死に立ち向かおうとした人間は、儚く脆く、そして最後には美しいとも感じました。
内村遥コメント
「浪江のおばちゃん」という名前で呼ばれていたおばちゃんの「浪江」というのが福島の土地の名前だったと知ったのは震災があってから。なんとも恥ずかしい話でありますが、結果的に私は親戚が暮らした土地を訪れることなく今日も暮らしています。一瞬のうちに故郷を離れることになった方々の苦しみは想像にも及びません。この作品では、体験したもの、体験しなかったものの超えることのできない距離感を表現できたらと思いました。ご覧いただけたら嬉しいです。
岩崎孝正監督 コメント
東日本の大震災から 12 年が経ちました。まだ傷の癒えることがない女性を通して、震災によって引き起こされた人生の破滅と、それでも、再生の一歩を踏み出す人間を描きました。
多くの人間の人生が変わってしまいました。しかし誰にでも起こり得る事柄です。この作品では、みんなが抱えているかもしれない日常に潜む物語として、震災を扱っています。
人生の破滅と再生のドラマを、ぜひ劇場で体感していただければとおもいます。
映画 『海鳴りがきこえる』
出演:中村守里 内村遥 指出瑞貴 川瀬陽太 木村知貴 小林なるみ 満園雄太 t a m i c o. 橋口湊
監督:岩崎孝正|プロデューサー:伊達浩太朗|脚本:岩崎孝正|撮影:宇野寛之|録音:野呂博|メイク・衣装:田村朱貴子|助監督:中谷吉晶 一之瀬廉 中村大輔
制作:伊藤沙緒|編集:竹中優太郎|整音・音楽:原夕輝|宣伝デザイン:鈴木規子|製作:株式会社タイムフライズ|配給:ブライトホース・フィルム株式会社 文化庁「ARTS for the future!2」補助対象事業
2023 年/71 分/1:1.85/5.1ch/DCP © 2023 TIMEFLIES Inc.
2023 年 10 月 28 日(土)より新宿 K’s cinema にて公開! 以降全国順次公開