孤独に⽣きてきた男の絶望と再⽣を描く『⾵のゆくえ』が8月5日から新宿K’s cinemaにて公開。8⽉5⽇の公開を前に、前⽥弘⼆(映画監督)、吉⽥浩太(映画監督)、鈴⽊マキコ(作家) ら7名の絶賛コメントが到着。さらに初⽇舞台挨拶ほか、上映期間中のトークイベントも決定した。
メガホンを取るのは、幼少期を養護施設で過ごし、解体業から映画監督・プロデューサーの荒⼾源次郎の元で映画制作を学んだ異⾊の経歴を持つ⽯井慎吾。⾃らの経験を元に脚本を執筆した本作では、周囲と繋がることが出来ず、閉じた世界で⽣きる若者のざらついた感情をスクリーンに焼き付け、私⼩説ならぬ私映画というジャンルを確⽴させた。
■ 映画『風のゆくえ』
東京郊外の倉庫で働きながら、ただ漠然と⽇々を過ごす真司。幼少期に親兄弟と別れ養護施設で育った彼は、強烈な劣等感を抱え誰にも⼼を開かず孤独に⽣きてきた。
唯⼀の趣味は本を読むこと、そしてノートに⾃分の気持ちを書くこと。
そんな⽩⿊のような⽇々を過ごしていたある⽇、茉耶と出会う。しかし初めて⾃分のことを好きになってくれた彼⼥に、真司は唐突に別れを切り出してしまう。
別れ話の⼆⽇後、以前から予約していた台北旅⾏に向かう⼆⼈。
最後の旅⾏と楽しもうとする真司だったが…。
▼コメント
鈴⽊マキコ(作家)
夫だった荒戸源次郎に、慎吾さんのこの映画を何と説明しようかなと、考えました。「こわくて、面倒でデートには向かない。でも青春とか恋愛に日和ったり、愛想笑いもしていない。覚悟して容赦なくこれを撮ったんだと思う。清々しいことが嫌いなら、きっと好きなはず」。こう言ったら、にやりとしそうです。
吉⽥光希(映画監督)
最⼩単位の世界で息づく魂が、詩篇のように紡がれていく。
真司の発する⾔葉は磁⽯のようで、⾒ているこちらの無意識を微動させ続けた。この映画には、
⼈間が闇と踊り合う姿が映っている。
天野千尋(映画監督)
ありがちな男⼥の別れの光景。ふつうなら映画の主⼈公には向かない不甲斐ない男。 けれどカメ
ラが彼らの痛みを刻々と捉えるうちに、 雑な字で⽇記を綴る男の⼈⽣が、いかにも主⼈公然とし
てこちらに迫ってくる気がして、 台北の街の熱気が懐かしく、戻れない時間が切なくなります。
吉田浩太(映画監督)
「風のゆくえ」は、監督の自伝を元にしていると聞き、石井監督が持つ孤独さと優しさの根
幹を見た気がしました。石井監督の持つ孤独を見事演じ切った嶺豪一さんの静かな
狂気と、その孤独さを優しく見つめる斎藤千晃さんの柔らかい視線が、いつまでも心に残り
続けています。この赤裸々で孤独な映画を観て、石井慎吾監督がいかに孤高の作家で
あるかを是非劇場で体感して欲しいです。
長尾卓磨(俳優)
地に足のついた人、というのはどういう人のことをいうのだろう。 僕には主人公の真司はと
ても地に足のついた人間に見えた。 なにかに抗い闘っている人間の、風を受け日の光を
受けた表情は驚くほど美しく、 石井慎吾監督はその「人間」と真正面から向き合い提示し
てくれた。その覚悟に心を強く打たれました。
前田弘二(映画監督)
とても愛しい時間でした。 嶺豪一さん、斎藤千晃さん、石井慎吾監督の切実な思いが二人
に宿っている。 こんな奇跡の映画は、なかなか出会えないと思う。 僕にはこんな映画は作
れない。 自分を評価出来ない。でも良い方向へと進みたい。 気持ちの正体が
分からない。それを言葉にしようと、少しずつ、少しずつ吐き出していくしかない。
そんな主人公の真っすぐさを、愛せずにはいられなかった。 主人公への眼差しのカメラも、
時に真っ正面に突きつけるカメラも素晴らしく、心を掴まれた。 自分の気持ちの正体は何
か。 その色や名前や形が分からず苦しんでいる人たちの心を、そっと救ってくれる映画だ
と思う。
折田侑駿(文筆家)
風はどこから吹いてきて、どこへゆくのか。 ぼくたちはどこからやってきて、
どこへゆくのか。 石井慎吾監督が自らの半生を“私映画”にしてみせた本作には、その真
実の欠片がおさめられている。 スクリーンを見上げて欠片を拾い集め、劇場の外に広がる
自らの人生を歩もうとする者だけが、やがていつか「ゆくえ」を知ることができるのだろう。
▼トークイベント(予定)
新宿Kʼs cinema(連⽇20:00-)
8/5(⼟)嶺豪⼀さん(主演)、斎藤千晃(主演)、⽯井慎吾監督
8/6(⽇)嶺豪⼀さん(主演)、⽯井慎吾監督
8/7(⽉)ジャガモンド⻫藤さん(映画紹介師)、⽯井慎吾監督
8/8(⽕)前⽥弘⼆さん(映画監督)、⽯井慎吾監督
8/9(⽔)⼤森⽴嗣さん(映画監督)、⼤⻄信満さん(俳優)、⽯井慎吾監督
8/10(⽊)瀬々敬久さん(監督)、嶺豪⼀さん(主演)、⽯井慎吾監督
8/11(⾦)嶺豪⼀さん(主演)、斎藤千晃(主演)、⽯井慎吾監督
⾵のゆくえ
監督・脚本︓⽯井慎吾
出演︓嶺豪⼀、斎藤千晃、豊満亮、⼩林由來、武⽥真悟 、仙洞⽥志織、神野陽⼦、⽶元信太郎、針ヶ⾕功明、 他
撮影︓古屋幸⼀ 録⾳︓南川淳 台北録⾳︓空井⼤地 助監督︓⽊下雄介 美術︓吉岡晶 ヘアメイク:⾹理
スチール︓佐々⽊綾⼦ 応援︓池原⼤也、坂⼝天志、磯 ⿓介 台北コーディネーター︓江依紋編集︓⾜⽴佑安、⽴薗駿 サウンドデザイン︓光地拓郎 ⾳楽︓今村
左悶 ⾳楽助⼿︓今村淳平 ⾳楽ミックス ︓今村左悶、江渡佳彦 協⼒︓珈琲専⾨店アルマンド、pebble 下北沢、bar DUDE、晴海客船ターミナル、⽜丸亮、針
ヶ⾕仁、飯⽥澄⼈、浅井ヘアメイク事務所
⾳楽協⼒︓ エム・スタイル (2022 年/カラー/⽇本/DCP/ビスタ/74分)©映画「⾵のゆくえ」製作委員会 配給宣伝︓MAP 配給協⼒︓ALFAZBET
作品HP: https://mikata-ent.com/movie/1573/
クラウドファンディングHP︓ https://motion-gallery.net/projects/kazenoyukue_release
2023年8⽉5⽇より新宿Kʼs cinemaにて1週間限定ロードショー